医療情報

感染症拡大下において研究データを円滑に共有するには:6つの留意点(記事紹介)

2020年5月19日付のNature誌オンライン版のコラムに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下において研究データを円滑に共有するための6つの留意点を紹介した記事が掲載されています。

感染症の世界的な拡大は、既存の研究データの共有やマイニング、リソースの蓄積等へ差し迫った関心を喚起し、これまで研究データの共有に慎重であった学術コミュニティの慣習を変革しつつあります。記事では感染症に対処するための研究データ共有に関する医療・衛生分野の取り組みを紹介しながら、共有は盛んに進められているものの、法的・倫理的・学術的な配慮を要して実践する必要があることを指摘し、研究データ共有における典型的な誤りを回避するために留意すべき事項として以下の6点を挙げています。

・収集方法等の研究データに関する十分なメタデータや、処理・分析に必要なコード、ファイル形式への配慮、readmeファイルの作成といった他の研究者の再利用に資するように、提供する研究データを整備すること

・ヒトを研究対象とした研究のデータを登録する場合には適切な倫理的・法的承認を経ている必要があり、特にデータを適切に匿名化して個人が特定できないことへの配慮が必要であること

米国国立医学図書館(NLM)、“New PubMed”を基本システムとして運用開始

米国国立医学図書館(NLM)の生物医学文献の無料データベースPubMedは、2020年5月18日以降、既存のPubMedにかわってリニューアル版の“New PubMed”を基本システムとする運用を開始しています。

NLMは、5月12日付で公開したブログ記事において、New PubMedの機能・特徴や利用時の参考資料等を紹介しています。

New PubMedの特徴として、検索結果画面における検索語をハイライトしたスニペット表示、機械学習技術や新たな関連検索アルゴリズムを活用した適合度の高い文献の優先表示機能の向上などを挙げ、世界最先端な生物医学情報へこれまで以上に迅速・容易にアクセス可能になった、としています。また、レスポンシブデザインの採用によりデスクトップ端末だけでなくモバイル端末でも全ての機能が利用可能であること、旧PubMedのリンクはリダイレクトされるためMy NCBIアカウントに保存した検索式や文献データが自動的に引き継がれることなども紹介しています。

NLMはNew PubMedの利用方法を習得するための参考資料として、次のようなリソースを挙げています。

OpenAIRE、COVID-19に関連する可能性のある研究情報の検索ポータルを公開

OpenAIREは、2020年5月11日付けのTwitterにおいて、COVID-19に関連する可能性のある研究情報の検索ポータル“OpenAIRE COVID-19 Gateway”を公開したことを発表しています。なお、5月18日時点ではβ版となっています。

“OpenAIRE Research Graph”に含まれる10,000以上の情報源及び追加情報源からマイニングしたコンテンツにタグ付けを行い、出版物、研究データ、ソフトウェア等の研究情報を集約しており、COVID-19関連研究の発見・ナビゲーションのための単一アクセスポイントを提供するものとあります。

@OpenAIRE_eu(Twitter, 2020/5/11)
https://twitter.com/OpenAIRE_eu/status/1259789266537807873

OpenAIRE COVID-19 Gateway
https://beta.covid-19.openaire.eu/

COVID-19の治療に効果が期待される薬に関する論文のオープンアクセス状況(文献紹介)

欧州研究図書館協会(LIBER)の季刊誌“LIBER QUARTERLY”の第30巻第1号(2020)に、COVID-19感染拡大下における論文のオープンアクセスについて調査を行った事例研究が掲載されています。

この論文では、大手出版社から公開されているCOVID-19の治療に効果がある可能性がある薬に関する論文のオープンアクセス状況について調査を実施しています。調査は2020年4月12日から17日にかけて実施されており、ScienceDirect等のプラットフォームで公開されている論文が対象となっています。これらのプラットフォームで、COVID-19の治療の効果が期待される薬を検索語句として入力し、検索結果として得られた論文のオープンアクセス状況を調査しています。結果として、プラットフォームや検索語句によってばらつきがあるものの、オープンアクセスではない論文が多く存在することを示しています。

新型コロナウイルス感染拡大の中、多くの大手出版社がCOVID-19等のキーワードを含んだ論文をオープンアクセスにしてきました。しかし、研究の遂行や方針の策定には、それ以外の論文へのアクセスも提供する必要があることを指摘しています。

感染症拡大下でのプレプリントサーバによるスクリーニング(記事紹介)

2020年5月7日付けのNature誌オンライン版記事で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下でのプレプリントサーバによるスクリーニング作業についての記事が掲載されています。

感染拡大によって研究の迅速な共有・公開が一層求められている中、プレプリントの公開が広まっており、生物学のプレプリントサーバであるbioRxivと医学のプレプリントサーバであるmedRxivには、計3,000件近くのコロナウイルスに関する原稿が投稿されています。プレプリントサーバは迅速な研究成果の共有・公開を可能にする一方、原稿の質の確認を行うことが難しいという課題があります。科学的根拠に乏しい研究成果を共有することは、場合によっては害をもたらす可能性もあります。

医学中央雑誌刊行会、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報の特設ページを開設

2020年5月14日、特定非営利活動法人医学中央雑誌刊行会が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報の特設ページ「新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連文献」を開設しました。

同会では、既に、新型コロナウイルス関連するガイドライン情報をピックアップしてリスト化し、オープンアクセスで提供していましたが、特設ページにおいては、ガイドラインに加え、「医中誌Web」から抽出した論文情報、ならびに日本医書出版協会が提供する会員社各社が無料公開している情報もあわせて公開されました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報 特設ページ開設のお知らせ(医学中央雑誌刊行会, 2020/5/14)
https://www.jamas.or.jp/news/news132.html

新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連文献
https://www.jamas.or.jp/special/covid19/

国立国会図書館、リサーチ・ナビにコンテンツ「新型コロナウイルスに関する主な新聞社ウェブサイトの特集ページまとめ」「新型コロナウィルスに関するウェブサイト集」を掲載

2020年4月22日、国立国会図書館(NDL)は、調べ物に役立つリソースを紹介するNDLのウェブサイト「リサーチ・ナビ」に、コンテンツ「新型コロナウイルスに関する主な新聞社ウェブサイトの特集ページまとめ」「新型コロナウィルスに関するウェブサイト集」を掲載しました。

新着情報一覧(NDL)
https://www.ndl.go.jp/jp/news/index.html
※2020年4月22日付け新着情報で両コンテンツの掲載が発表されています。

新型コロナウイルスに関する主な新聞社ウェブサイトの特集ページまとめ(リサーチ・ナビ)
https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-1148.php

株式会社医学書院、2020年5月末までオンライン教材『系統別看護師(保健師)国家試験WEB法人サービス フルプラン』と『eナーストレーナー』のコンテンツを無料公開

2020年4月20日、株式会社医学書院は、自宅学習を余儀なくされる社会情勢が継続していることから、同社のオンライン教材『系統別看護師(保健師)国家試験WEB法人サービス フルプラン』と『eナーストレーナー』を2020年5月31日まで無料公開することを発表しました。

医学書院が公開した『系統別看護師(保健師)国家試験WEB法人サービス フルプラン』と『eナーストレーナー』は、ともに看護学生・看護師の学習・サポートツールとして活用可能な教材です。一部の管理機能の利用は制限されているものの、両教材の教育用コンテンツが無料公開されています。また、オンライン上に「利用ガイド」も準備されています。

『系統別看護師国家試験WEB法人サービス フルプラン』および『eナーストレーナー』無料公開のご案内(医学書院,2020/4/20)
http://www.igaku-shoin.co.jp/misc/notice_kokushi-enurse-free200420.html

米国国立医学図書館(NLM)、2020年5月18日以降PubMedのリニューアル版“New PubMed”が基本システムとして稼働することを発表

2020年4月16日、米国国立医学図書館(NLM)は、PubMedのリニューアル版“New PubMed”が2020年5月18日以降、現行のPubMed(Legacy PubMed)に置き換わり基本システムとして稼働することを発表しました。

利用者向けにはLegacy PubMedのトップページへ新たに黄色いバナーを設置して、既存のPubMedがNew PubMedへ置き換わることを通知しています。

NLMはウェブサイト内にLegacy PubMedからNew PubMedへの移行に関するFAQを用意しています。FAQでは、Legacy PubMed同様にNew PubMedにも今後随時機能追加が実施されること、5月18日以降もLegacy PubMedにはしばらくアクセス可能で文献データの更新も行われるがいずれ閉鎖されること、Legacy PubMedからMy NCBIアカウントに保存した検索式や文献データはNew PubMedでも利用可能なこと、などが案内されています。

スコットランド図書館・情報協議会(SLIC)、公共図書館で行われている健康・福祉に関する活動を調査した報告書を公開

2020年4月7日、スコットランド図書館・情報協議会(SLIC)が、住民の健康管理を支援するという重要な役割の実践としてスコットランドの公共図書館で行われている健康・福祉に関する活動を調査した報告書“Health on the Shelf  Health and Wellbeing in Public Libraries in Scotland”を公開しました。

文献調査や関係者へのインタビューに加え、信頼できる場としての図書館の重要性や、住民の意見、図書館医療による経済的利益についても調査しており、ベストプラクティスを示し、将来への提言を行っています。

SLICのCEOは、同研究は、スコットランドの公共図書館での健康・福祉のセルフマネジメントのための活動と、その活動の違いが地域にもたらす影響を概観しており、また、このサービスを除去することがもたらす有害な影響を示しているとしています。

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