医療情報

オープンアクセス誌eLife、同誌の投稿プロセスにプレプリントサーバーmedRxivへの投稿を統合

2021年4月21日、オープンアクセス(OA)誌“eLife”は、eLifeの投稿プロセスに医学分野のプレプリントサーバーmedRxivへの投稿を統合することを発表しました。ライフサイエンスや医学コミュニティでのプレプリントへの支持の高まり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを背景としたCOVID-19関連のプレプリント増加を受けたものです。

2016、2017年にbioRxivと行った同様の取組に続くものであり、eJournalPress及びmedRxivのサポートにより実現されました。論文著者は、medRxivへのプレプリント投稿後に同時にeLifeに投稿することが可能となり、また、eLifeの投稿システムからmedRxivに直接投稿することも可能となります。medRxivとの間で、このような双方向の統合を投稿プロセスに組み込んだのはeLifeが初めてであると述べています。

著者がeLifeに先に投稿する医学分野の論文については、編集者が査読プロセスに回した直後の完全な投稿プロセス(full submission process)において、eLifeがプレプリントをmedRxivに直接投稿する計画であるとしています。

新型コロナウイルス感染症拡大下でのプレプリントの出版率と被引用数(文献紹介)

2021年3月3日、オープンアクセスジャーナルPeer Jが、” Publication rate and citation counts for preprints released during the COVID-19 pandemic: the good, the bad and the ugly”と題した論文を公開しました。著者はエクアドルのサン・フランシスコ・デ・キト大学のDiego Añazco氏、Bryan Nicolalde氏ら7名です。論文では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響を受けて数多くのプレプリントが公開されてきたことを背景として、これらのプレプリントがどの程度学術雑誌で出版され、引用されているか調査を行っています。

調査の対象となったプレプリントは、2020年1月1日から2020年5月31日までにbioRxiv、medRxiv、Research Squareに投稿されたCOVID-19に関連する5,061報のプレプリントです。5,061報のプレプリントのうち、学術雑誌で出版されたものは288報(5.7%)であることが報告されています。学術雑誌で出版されたものは学術雑誌論文としてもプレプリントとしても、学術雑誌で出版されていないものより被引用数が高いことが明らかとなっています。

埼玉県立久喜図書館、『健康・医療情報リサーチガイド@埼玉 改訂2版』を発行:同館ウェブサイトでも公開

2021年3月23日、埼玉県立久喜図書館が、『健康・医療情報リサーチガイド@埼玉 改訂2版』を発行しました。

『健康・医療情報リサーチガイド@埼玉 改訂版』に、感染症やロコモなど新しい項目を追加したほか、精神疾患・メンタルヘルス、認知症、妊活など最近話題となっている項目に関する内容を充実させて改訂したものです。

冊子は無償で、埼玉県立久喜図書館・埼玉県立熊谷図書館で配布しているほか、郵送でも入手可能です(140円切手を貼付した返送用封筒を同館宛に送付)。

電子版も同館ウェブサイトで公開されています。

『健康・医療情報リサーチガイド@埼玉 改訂2版」を発行しました。ご自身の健康管理のために!健康・医療情報探しのポイントをご案内(県立久喜図書館)(埼玉県,2021/3/23)
https://www.pref.saitama.lg.jp/g2208/news/page/news2021032301.html

人工知能(AI)による医用画像処理で活用されるオープンアクセス(OA)のツールとプラットフォームのレビュー(文献紹介)

2021年3月刊行にされたElsevier社の医学物理学分野の査読誌“Physica Medica”第83巻に、スペイン・バルセロナ大学のOliver Diaz氏を筆頭著者とするオープンアクセス(OA)の論文“Data preparation for artificial intelligence in medical imaging: A comprehensive guide to open-access platforms and tools”が掲載されています。

医用画像処理の過程で生成される膨大なデータは、ビッグデータとして、人工知能(AI)アルゴリズムを用いた解析が行われていますが、一連のタスクの実行にはOAのツール・プラットフォームが多数活用されています。同論文はこのようなOAのツール・プラットフォームを紹介し、内容や機能のレビューを行っています。

医学分野のシステマティックレビュー・メタアナリシスにおける文献検索手順記録方法の指針“PRISMA-S”(文献紹介)

2021年1月26日付で、生命医学分野のオープンアクセス(OA)出版社BioMed Central(BMC)が刊行する“Systematic Review”誌に、論文“PRISMA-S: an extension to the PRISMA Statement for Reporting Literature Searches in Systematic Reviews”が掲載されています。

北里大学東洋医学総合研究所、「漢方テキスト複合検索データベース」を公開

2021年2月9日、北里大学東洋医学総合研究所(東京都港区)は、同研究所の医史学研究部が「漢方テキスト複合検索データベース」を公開したことを発表しました。

「漢方テキスト複合検索データベース」は、同研究所の星野卓之研究員を研究代表者とする科学研究費助成事業(基盤研究(C))「写本群電子テキストを用いた日本漢方独自化についての研究」の研究成果です。同研究では、江戸期以前の本草書・中国医書の写本について、年代・医派に分けた内容分析・引用解析・テキスト化などが行われ、研究対象としたテキストを複数語で検索可能な同データベースが構築されました。

新着情報(北里大学東洋医学総合研究所)
https://www.kitasato-u.ac.jp/toui-ken/new/index.html
※2021年2月9日欄に「医史学研究部「漢方テキスト複合検索データベース」を公開しました。」とあります。

大正期の医学者・文筆家である小酒井不木の全集の引用文献に関するデータベースが公開:笹川科学研究助成により愛知医科大学総合学術情報センターの司書が構築

2021年2月1日付で、「小酒井不木全集引用文献データベース」が公開されました。

小酒井不木全集引用文献データベースは、大正期の医学者・文筆家である小酒井不木の改造社から刊行された全集全17巻の引用文献に関するデータベースです。全集に記載された引用文献名、引用文章の記載箇所を抽出・整理し、文献名の現代語表記を行うとともに著者名や引用内容を明確化したデータベースとして構築されています。また、名古屋市蓬左文庫と愛知医科大学総合学術情報センターが所蔵する旧蔵書との関連性に関する情報なども提供しています。

小酒井不木は、1890年に愛知県に生まれ、医学者、翻訳家、文学評論家、探偵小説家、俳家と幅広く活動した人物です。探偵小説史において江戸川乱歩を見出した人物であることや、自身の肺結核患者としての経験を著した『闘病術』により「闘病」という言葉を一般に広めた人物であることなどが紹介されています。

同データベースは、公益財団法人日本科学協会の若手研究支援事業「笹川科学研究助成」の2020年度の助成により、愛知医科大学総合学術情報センターの司書である福武亨氏が構築しました。

主要な医学雑誌の掲載論文における臨床試験データ共有の実際(文献紹介)

2021年1月28日付で、米国医師会(JAMA)が刊行するオープンアクセス(OA)の査読誌“JAMA Network Open”に、米・スタンフォード大学メタリサーチ・イノベーションセンターのValentin Danchev氏を筆頭著者とする論文“Evaluation of Data Sharing After Implementation of the International Committee of Medical Journal Editors Data Sharing Statement Requirement”が掲載されています。

公共図書館等と連携した、臨床試験等に関するリサーチリテラシーを向上させるツール“Health for All”の開発(文献紹介)

オープンアクセス(OA)の査読誌PLOS ONEに、2021年2月3日付で、公共図書館等と連携した、十分にサービスを受けられていない人々の臨床試験等に関するリサーチリテラシーを向上させるウェブサイト型ツール“Health for All”の開発について報告する論文が掲載されています。

同ツールは、著者らが以前開発したフラッシュカードベースのリサーチリテラシー支援ツールをもとにしています。マイノリティのリサーチリテラシーを向上し、臨床試験における人種・民族的な多様性の欠如を解決することを目的としています。開発は、米国のシカゴ公共図書館(CPL)、シカゴ大学ジョン・クレラー図書館、イリノイ大学シカゴ校ヘルスサイエンス図書館、シカゴ公衆衛生局との連携により行われました。

開発の過程では、CPLの利用者と職員を対象とした紙のプロトタイプを使ったデザインセッション7回、CPLの利用者計24人を対象としたウェブサイト形式のプロトタイプのユーザビリティテストが実施されました。参加者には、アフリカ系、ヒスパニック・ラテン系、アジア系の住民等が含まれています。

英国の機関リポジトリアグリゲーターCORE、PubMedのLinkOut機能に対応:PubMedユーザーにCOREポータルサイト上で利用可能な文献フルテキストへのリンクを直接提供

2021年2月3日付で、英・Jiscは研究支援活動等を紹介するブログ“Research”の記事として、英国の機関リポジトリアグリゲーターCOREが米国国立医学図書館(NLM)の生物医学文献データベースPubMedのユーザーに対して、文献のフルテキストを提供可能になったことを紹介しています。

COREのPubMedユーザー向けのフルテキスト提供は、PubMedによる外部サービスへの直接リンク提供機能“LinkOut”を利用して行われます。COREのポータルサイト上で利用可能な文献について、PubMedの検索結果画面上に、フルテキストへのリンクが形成された専用アイコンが表示されます。

同記事では、数十万件規模の文献がPubMedから直接利用可能になったことを説明しています。また、今回のフルテキスト提供は、CORE収録の論文データとPubMedのデータとを、効率的で正確に照合可能なアルゴリズムの新たな導入により実現したことを紹介しています。

COREは、Jiscと英国Open Universityによる非営利のサービスとして提供されています。

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