オーストラリア

英・電子情報保存連合(DPC)にオーストラリア・アーキビスト協会(ASA)らが加盟

2020年8月4日、英・電子情報保存連合(DPC)は、オーストラリア・アーキビスト協会(ASA)がDPCのFull Memberとして加盟することを発表しました。

7月30日には、オーストララシア(Australasia)の記録・情報管理専門家らの団体であるRIMPA(The Records and Information Management Professionals Australasia)が、8月3日には、アボリジニおよびトレス海峡諸島の多様な歴史、文化、遺産に関する活動を行うオーストラリアの国家機関であるAIATSIS(The Australian Institute of Aboriginal and Torres Strait Islander Studies)がDPCのAssociate Memberとして加盟することを発表していました。

DPCは2020年1月、オーストラリアのメルボルン大学に新たなオフィスを開設し、南半球のデジタル保存コミュニティに対する支援強化を図ることを発表しています。

E2284 - 各国の図書館における新型コロナウイルス感染症への対応例

2020年5月5日,国際図書館連盟(IFLA)は,事務局と図書館協会運営分科会が共同で,世界中で新型コロナウイルス感染症への規制が緩和される中で再開館する図書館を支援することを目的に,各国の図書館協会等による図書館を安全に再開館するための計画の事例収集を行っていると発表した。収集された情報はIFLAのウェブサイト内の“COVID-19 and the Global Library Field”ページにて随時更新されている。

オーストラリア図書館協会(ALIA)、新型コロナウイルス感染症感染拡大による外出規制中の公共図書館の活動に関する調査結果を公開

2020年7月21日、オーストラリア図書館協会(ALIA)は、新型コロナウイルス感染症感染拡大による外出規制が行われた2020年4月における、公共図書館の活動に関する調査結果についての記事を掲載しました。

同調査は、2020年5月18日から7月10日にかけて、同国内の公共図書館を対象としたものであり、4つの州および2つの地域から93件の回答がありました。

報告書には、多くの館で電子書籍の貸出件数が増加したこと、大半の館で閉館期間中はアウトリーチサービスが拡充されたこと、ミステリーボックスをはじめとした資料提供の工夫が行われたこと、イベントがオンライン開催に移行したこと等の内容が記載されています。その他、調査時に寄せられたコメントについて、サービスのデジタル提供への移行等のトピックごとにまとめられています。

報告書は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY-NC-SAで公開されています。

E2279 - オーストラリアの公共図書館は電子書籍をどう選んでいるか

2020年3月,オーストラリア・メルボルン大学の准教授ギブリン(Rebecca Giblin)氏らにより,調査報告書“Driven By Demand: Public Library Perspectives on the Elending Market”が公開された。本稿では,この報告書の内容を紹介する。

オーストラリア国立図書館、新たな収集戦略とコレクション構築方針を公表

2020年7月1日、オーストラリア国立図書館(NLA)は、新たな収集戦略“Collecting Strategy 2020-21 – 2023-24”と、コレクション構築方針“Collection Development Policy”を公表しました。これらの戦略・方針は、2020年4月にオーストラリア国立図書館評議会(National Library of Australia Council)での承認を経たものであり、2020年7月1日から実施されます。

新たな戦略・方針における特徴の一つとして、国外発行資料の収集に関し、数十年前からの減少傾向が今後も続くことが示されています。収集戦略では、中国・インドネシア・太平洋地域(パプアニューギニア、ソロモン諸島、バヌアツ、フィジー、ニューカレドニア、東ティモールを含む)の優先順位が高く設定されており、それら以外の国・地域の資料収集はリソース上の制約から減らす必要がある、と述べています。

日本を含むアジア関係資料の収集範囲縮小をもたらす内容であるため、2020年5月には、オーストラリアの日本研究者や東亜図書館協会(CEAL)から再考を求める声明も発表されていました。

オーストラリア図書館協会(ALIA)、政府による図書館情報学課程の学費の値上げ方針に反対する声明を発表

2020年6月29日、オーストラリア図書館協会(ALIA)は、政府による大学の学費の改訂方針に関し、図書館情報学課程の値上げに反対する声明を発表しました。

政府が提案する“Job-ready Graduates Package”では、労働市場での優先分野に合致した課程では学費が大幅に削減される一方(情報技術(IT;20.6%減)、教育(45.6%減))、図書館情報学課程は113%値上げとされたことをうけ発表されたものです。

そして、近年の新型コロナウイルス感染拡大下において示された、オンライン環境での活動への適応のためにITの知識と技術を活用した革新的な教育者としての図書館情報学分野の専門家の価値や、図書館情報学の専門家が教職の労働人口の重要な部分を占めていることを示したうえで、政府は、図書館情報学の卒業者が労働市場の優先分野に合致していることを考慮し、ITや教育に関する課程と同等の学費とするよう求めています。

ALIAでは図書館情報学課程の学費を削減することで、ITに詳しい教育者としての多様な労働人口として、図書館情報学分野の専門家を強化することができると指摘しています。

オーストラリア国立図書館(NLA)の情報探索システム“Trove”がリニューアル:同国政府による4年間・1,600万オーストラリアドルの支援の成果

2020年6月26日、オーストラリア国立図書館(NLA)の情報探索システム“Trove”は、システムリニューアルを実施したことを発表しました。

Troveのリニューアルは、オーストラリア連邦政府による4年間・1,600万オーストラリアドルの財政支援により、NLAが主導して実施したシステムの近代化・コンテンツのデジタル化プロジェクト事業の成果として実現しました。プロジェクトの過程で、数百万ページ分のコンテンツがTroveに追加されています。システムリニューアルにあたっては3,000人以上の意見に基づいて、使い勝手の良い直観的なデザインへと更新されています。また、先住民(アボリジニとトレス海峡諸島民)文化を尊重した「文化的安全性(cultural safety)」を向上させるための措置も講じられています。

リニューアル後のTroveはオーストラリア国内の数百の文化機関による約65億件のコンテンツを無料で提供するオンラインポータルとなっています。同国政府はTroveの継続的な開発のため、NLAに対して今後2年間で800万オーストラリアドルの追加支援の実施を表明しています。

オーストラリア国立図書館によるアジア関係資料の収集範囲縮小への批判(記事紹介)

日本資料専門家欧州協会(EAJRS)のウェブサイトに、2020年5月28日付けで“National Library of Australia's Asia collection”という記事が掲載されています。筆者はオーストラリア国立大学名誉教授のテッサ・モリス=スズキ氏であり、オーストラリア国立図書館(NLA)によるアジア関係資料の収集範囲縮小とアジア閲覧室の閉鎖に関し、NLA館長に再考を求めるための署名活動への参加を呼びかけています。

NLAは、数十年にわたる資料収集によりアジア関係資料の優れたコレクションを所蔵していますが、同記事によれば、国外で出版された日本・北朝鮮・韓国・東南アジア本土に関する資料収集を中止し、潜在的には中国・インドネシア・太平洋地域に関する資料の収集も大幅に削減するという新たな方針を決定しました。

同記事では、NLAのコレクションが利用できることを前提として、多くの国内の大学でアジア関係資料の収集が大幅に縮小されていることを指摘し、そのような状況を踏まえた上で今回のNLAによる方針変更を考える必要がある、としています。

オーストラリア図書館協会(ALIA)、公共図書館における電子書籍貸出に関するアンケート調査の結果を公表

2020年6月3日、オーストラリア図書館協会(ALIA)は、公共図書館における電子書籍貸出に関するアンケート調査の結果をまとめたレポート“A snapshot of eLending in public libraries”を公表しました。

アンケート調査はALAの書籍産業及び電子書籍貸出諮問委員会(Book Industry and eLending Advisory Committee)により2019年8月にオンラインで実施され、オーストラリア国内の図書館から398の回答を得ました。レポートでは、電子書籍プロバイダーが提供する資料タイトルやサービスへの満足度、電子書籍プロバイダーの提供サービスに対し改善を求める点等について集計結果を掲載しています。回答者の83%は、プロバイダーの提供する電子書籍の品揃えに「満足している」あるいは「非常に満足している」と回答している一方、91%はライセンス条件とコストに関し「満足とはいえない」あるいは「満足していない」と回答しています。

ALIAは、COVID-19によるロックダウンの期間中、2019年の同時期と比べて公共図書館における電子書籍貸出が倍増した一方で、今回の調査が明らかにしたように電子書籍の利用可能性、ライセンス条件、コストにおける問題は依然として存在する、と指摘しています。

オーストラリア図書館協会(ALIA)、人種差別・人種に基づく暴力を非難する声明を発表

2020年6月3日、オーストラリア図書館協会(ALIA)の理事会が、米国の同種の組織と団結し、人種差別・人種に基づく暴力を非難するとの声明を発表しています。

声明では、1991年の和解委員会の設置から30年を経ても、同国の先住民の拘束中の死亡が多いことや、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下における同国の人種に基づくアジア系オーストラリア人への暴力が増加していることを指摘しています。

そして、ALIAは、その中核的価値において、情報専門職が、同国の社会的正義や多様性に関与することを重視しており、先住民や多文化コミュニティを支援・擁護するための方法を継続的に改善し、組織的な偏見や差別に積極的に反対する行動をしているとし、以下のような具体的な行動をとっていると紹介しています。

・業務の中心となる先住民との和解に関する活動計画の策定

・地方や農村地域でのリテラシーや衛生教育を改善するプログラム提供のための学校や医療提供者との連携

・同国の歴史や文化に先住民の視点を加えるための蔵書の構築

・マイノリティをコミュニティに受け入れるための蔵書、サービス、プログラムの開発

・法的な権利を伝えるための公共図書館での法情報の提供

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