オーストラリア

オーストラリア図書館協会(ALIA)、Facebookがオーストラリア国内のユーザーに対するニュース共有・閲覧制限措置として公衆衛生関連ニュース等を削除したことに反発

2021年2月18日、オーストラリア図書館協会(ALIA)は、前日17日付でFacebookがオーストラリア国内のユーザーに対するニュース共有・閲覧制限措置として、ニュース記事の削除を行ったことを受けて声明を発表しました。

ALIAは、Facebookからの削除対象に、ALIAを含むオーストラリア国内の美術館・図書館・文書館・博物館等の主要団体が発行したニュース記事や、公衆衛生・安全衛生等を所管する政府機関発行のニュース記事が含まれていることを指摘しています。そして、営利企業であるFacebookは取り扱いするコンテンツの選択が可能であるとはいえ、外部機関が制作したコンテンツに依拠して事業を展開し、ユーザーもFacebookから重要な情報へアクセスできることを期待している以上、そのような情報へのリンクを維持する社会的責任が存在するなどの理由により、削除コンテンツの再掲載を求めています。

ALIAはこの声明への追記として、2月19日の朝時点で大半の情報の再掲載を確認したものの、今後も状況を注視する旨を説明しています。

オーストラリア図書館協会(ALIA)、公共図書館の分館が少額の年間使用料を支払うことで出版社がオンラインの読み聞かせでの絵本の利用を許可する取組を試行:出版社に対し対象となるタイトルを募集

2021年1月16日、オーストラリア図書館協会(ALIA)が、出版者に対し、ALIAが2021年に試行する「オンラインストーリータイム」に登録する絵本を募集すると発表しました。

「オンラインストーリータイム」は、公共図書館の分館が少額の年間使用料を支払うことで、出版社がオンラインでの読み聞かせでの絵本の利用を許可するという枠組みで実施される取組です。コロナ禍において、オンラインでの読み聞かせが人気だったことを受けて行われるもので、今回の試行は、2022年に恒久的な協定を締結するに先立ち、同取組が、出版社・図書館・コミュニティーのニーズにどれだけ応えるのかをALIAとオーストラリア出版協会(APA)が評価するために行われます。

参加館は使用料を支払うことで、登録された絵本を用いて読み聞かせの動画を作成し自館のソーシャルメディアに投稿することができます。動画を使用できる期間は6か月です。300から400の公共図書館の分館から支払われる各館あたり150オーストラリアドルの年間使用料をもとに、2022年1月に出版社に対して約4万から6万オーストラリアドルを支払うとしています。使用料150オーストラリアドルの内訳は、運営費に25オーストラリアドル、出版社および著者・イラストレーターへの支払いとして125オーストラリアドル、となっています。

Library Publishing Coalition(LPC)、大学・研究図書館の出版活動に関するダイレクトリーの2021年版を公開

2021年1月12日、図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”(LPC)が、大学・研究図書館の出版活動に関するダイレクトリー“Library Publishing Directory”の2021年版の公開を発表しました。

PDF版、EPUB版での公開のほか、掲載情報を検索できるオンラインデータベースも提供されています。

ダイレクトリーには、米国とカナダを中心に、英国・アイルランド・ウクライナ・南アフリカ・ドイツ・オーストラリア・ロシア・チェコ・ノルウェーを含む計136の大学・研究図書館での出版活動が紹介されています。各館ごとに、担当部署、連絡先、ウェブサイト、SNS、職員数や機関種別をはじめとした出版活動の概観、査読誌・APCが必要な学術雑誌の割合や、出版プラットフォーム、デジタル化戦略、学内外・機関内外の連携先等がまとめられています。

デジタルアーカイブの資料で作成するGIFアニメの国際的なコンペティション“GIF IT UP 2020”の優勝者及び各賞受賞者が発表される

Europeana Proのウェブサイト上に、2020年12月14日付けで記事“Looking back on GIF IT UP 2020”が掲載されています。デジタルアーカイブの資料で作成するGIFアニメの国際コンペティション“GIF IT UP 2020”の成果を振り返る内容であり、受賞者及び受賞作品の一覧が“GIF IT UP”のウェブサイト上で公開されたことを紹介しています。

“GIF IT UP”7回目の開催となる2020年は、従来のEuropeana、DPLA、ニュージーランド国立図書館のDigitalNZ、オーストラリア国立図書館のTroveに加えて、日本のジャパンサーチ、インド・コルカタのDAG Museumsもコンテンツ・パートナーとして協力しました。

“GIF IT UP 2020”の各賞のうち、“GIPHY Backdrop Category”では、ジャパンサーチと連携している「東京富士美術館収蔵品データベース」収録資料を用いた作品が受賞しています。

オーストラリア図書館協会(ALIA)、図書館職員を現代的なスキルを備え、強力で多様性に富み、将来に備えた労働者として成長させることを目的としたイニシアチブProfessional Pathwaysを創設

2020年11月30日、オーストラリア図書館協会(ALIA)がProfessional Pathwaysの創設を発表しています。

図書館職員を専門職として強化し、多様性を高め、現代的なスキルに重点的に取り組み、将来に備えて成長させることを目的に開始されたイニシアチブで、開始にあわせて、図書館情報学の専門家として認定するための新しい枠組みを策定・展開するための4年間のスケジュールを協議するための草案も公開されています。

ALIAの会員等が同計画について議論する機会を設けるため、ALIAでは、12月中、オンラインミーティングの場を設定しています。

オーストラリア国立公文書館(NAA)、第二次世界大戦時の兵役記録(service record)約65万件をデジタル化

2020年11月10日、オーストラリア国立公文書館(NAA)が、第二次世界大戦時の65万件を超す兵役記録(service record)の一括デジタル化作業の契約を行なったことを発表していました。

4年間・1,000万オーストラリアドルによる第二次世界大戦時の記録の大半をデジタル化するプロジェクトの一環であり、今回デジタル化の対象となるのは、同館所蔵のB883(第二次オーストラリア帝国軍の兵役記録 1939年から1947年)とB884(市民軍の兵役記録 1937年から1947年)です。

作業は2023年半ばまでが予定されていますが、すでにB884のデジタル化は開始されており、デジタル化された記録は、2020年12月以降同館ウェブサイトを通じて無料で公開されます。

第二次世界大戦時の兵役記録は、2023年までに100万近くがデジタル化され利用できるようになると説明されています。

オーストラリア図書館協会(ALIA)とオーストラリア学校図書館協会(ASLA)、学校図書館への人員配置に関する推奨基準を改訂

2020年11月24日、オーストラリア図書館協会(ALIA)は、ALAとオーストラリア学校図書館協会(ASLA)が実施した、学校図書館への人員配置に関する推奨基準“Recommended minimum information services centre staffing”の改訂について発表しています。

The Sydney Morning Heraldの同日付け記事でもこの改訂について報じており、21世紀におけるニーズを満たせるよう学校図書館に配置される“teacher librarian”の増加を意図したものであること、“teacher librarian”は教育及び情報サービスの修士号が求められる職位であること等が紹介されています。

ALIAの発表によれば、オーストラリアでは過去27年間において、生徒数に対する教師数の比率に改善が見られます。しかし、学校図書館で勤務する“teacher librarian”の数は減少し、不利な条件に置かれた地域(disadvantaged areas)の学校では特にその傾向が強いとしています。これは若年層のリテラシー・レベルに直接的な影響を及ぼすとし、ALIAとASLAは、州・準州の政府による対処が必要であると述べています。

失われた文学遺産を救出する:オーストラリアの絶版書電子化プロジェクト(記事紹介)

オーストラリア・メルボルン大学のマルチメディアプラットフォーム“Pursuit”において、2020年11月22日付けで絶版書電子化プロジェクトに関する記事“Rescuing Australia's lost literary treasures”が公開されています。筆者はオーストラリア・メルボルン大学の准教授ギブリン(Rebecca Giblin)氏です。

本記事で紹介されている絶版書電子化プロジェクト“Untapped: the Australian Literary Heritage Project”は、ギブリン氏が率いる研究者チームと、オーストラリア作家協会、オーストラリアの公共図書館が連携して実施するものであり、2020年11月に立ち上げられました。図書館コレクションの専門家チームとの協力により文化的に重要な絶版書をリスト化した上で、それらを電子書籍化し、販売や図書館でのデジタル貸出を行うという内容です。

絶版書のためのマーケットを用意し作家の収入を改善することも意図したプロジェクトであり、作家側は電子書籍の販売や貸出に伴う収益を受け取ります。記事によれば、オーストラリアでは作家が執筆活動から得る収入は年々減少しており、最新の数字では一年当たり平均1万2,900オーストラリアドルの収入とあります。

デジタル化された太平洋地域の文化遺産を集約するオンラインポータル“digitalpasifik.org”のベータ版が公開される

2020年11月18日、ニュージーランド国立図書館(NLNZ)は、デジタル化された太平洋地域の文化遺産を集約するオンラインポータル“digitalpasifik.org”の公開を発表しました。11月25日現在ではベータ版となっており、オーストラリア国立図書館の情報探索システム“Trove”など5つのコンテンツ・パートナーから提供を受けた49,464点の情報を収録しています。

“digitalpasifik.org”は、“Pacific Virtual Museum”パイロットプロジェクトにより構築されました。同プロジェクトは、世界の博物館・美術館・図書館・文書館・大学・その他機関が所蔵する太平洋の文化遺産への単一アクセスポイントとなるオンラインポータルの構築を目指しており、オーストラリア政府による支援の下、ニュージーランド国立図書館とオーストラリア国立図書館が協力して実施しています。

同プロジェクトは2022年2月まで実施され、今後もポータルの機能拡張、コンテンツ・パートナーの追加等が行われる予定となっています。また、2022年3月以降も同プロジェクトの目標に持続的に取組み、支援するための方法の検討も行われます。

オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)、新型コロナウイルス感染症拡大期の著作権法規定の利用状況に関する会員館向けアンケート調査の結果を公開

2020年11月11日、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)は、新型コロナウイルス感染症拡大期の学生・研究者支援における「1968年著作権法(Copyright Act 1968)」規定の利用状況調査として実施した、会員館向けアンケートの要約を公開したことを発表しました。

新型コロナウイルス感染症の拡大は、大学キャンパスへの物理的なアクセスがほぼ不可能となる前例のない環境を作り出し、オーストラリアの大学図書館は大学構成員向けにオンラインリソースの提供・リモートアクセスサービスの案内・デジタル複製の活用等を進めてきました。オーストラリアの著作権法は、デジタル複製の作成や遠隔地への資料提供を可能にする規定がありますが、感染症拡大期にこれらの規定が大学図書館において、どの程度利用されたかの情報を収集するためにアンケート調査が実施されました。アンケート調査にはCAULの会員館のうち25館が回答し、回答から得られた主な知見として以下のことが示されています。

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