ユネスコ

ユネスコ、加盟193か国へオープンサイエンスに関する勧告の草案を提出

2020年10月1日、ユネスコは、加盟する193か国へオープンサイエンスに関する勧告の草案を前日9月30日に提出したことを発表しました。

ユネスコは2019年11月の第40回総会で採択されたロードマップに従って、2019年12月に科学アカデミー・大学・若手研究者・図書館・出版社に呼びかけてオープンサイエンスのためのパートナーシップ関係を設立しました。また、世界各国の30人の専門家からなる諮問委員会へ、関係する全ての利害関係者との協議を経たオープンサイエンスに関する勧告案の作成を委任していました。

加盟国に提出された草案は、オープンサイエンスの定義や目的、共有される価値観、原則の枠組みや、地域固有の知識体系などのオープンサイエンスがもたらしうる広大な可能性から社会が恩恵を受けるために必要な作業工程の分析等を提示するものです。利害関係者との協議の内容を反映して、科学界全体が直面する課題、特にアフリカの地域的要因を考慮しています。全体として、オープンサイエンスのもたらす革新の可能性、国家間だけでなく国内においても人々を隔てているデジタル環境・情報技術・ジェンダー・知識に関する格差縮小の重要性、科学を取り巻く文化が競争から協力へと変化することの必要性などを指摘した内容です。

ユネスコ(UNESCO)、文化遺産保護に関する法律のデータベース“NATLAWS”を改善

2020年7月27日、ユネスコ(UNESCO)が、文化遺産保護に関する法律のデータベース“NATLAWS”を改善したことを発表しました。

同データベースは、ユネスコが2005年から運用しているもので、キーワードや法令名、国名等での検索が可能であり、文化財の輸出を担当する国家機関や、担当省庁の情報等も含まれています。

今回の改善は、データベースが提供する資料の質の向上と利用者にとってアクセスしやすいインタフェースとすることを目的に、2019年から開始されました。また、発表では、2019年から既存の文書類全てについて高解像度のスキャンを行い、現在3,022件の法律、政令、改正法令の情報を収録しており、タイトルだけでなくドキュメントの内容にもアクセスしやすくなっていることに触れられています。

cOAlition S、ユネスコ(UNESCO)が実施する“Global Consultation on Open Science”への回答を公開

2020年6月2日、cOAlition Sは、ユネスコ(UNESCO)が実施するオープンサイエンスに関する調査“ Global Consultation on Open Science”への回答を公開しました。

冒頭に要約と推奨事項が掲載されており、学術出版物へのオープンアクセスがオープンサイエンス実現のための主要素であること、学術論文へのアクセス欠如がオープンサイエンス実現の大きな障害であり、2017年時点では学術論文のうち75%が「購読料の壁(paywall)」に阻まれているとの報告があったこと、全ての研究論文はオープンアクセスで出版されるべきであり、出版時点で無料利用可能かつ再利用を促すライセンス付与がなされるべきであることなど、計7点を示しています。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、ユネスコ(UNESCO)が実施する“Global Consultation on Open Science”への回答内容を公開

2020年6月2日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、ユネスコ(UNESCO)が実施するオープンサイエンスに関する調査“ Global Consultation on Open Science”への回答内容を掲載したウェブページを公開しました。

回答は、全てのドメイン・地域が参加するためにインフラとサービスの多様性が重要とであることに言及し、オープンサイエンスの定義と要素、主体、実施のための原則、社会的利益の増加をはじめとした利点、課題と対応方法、インセンティブ、求められるインフラと人材、金銭的コスト、方針に関する推奨事項、参考となる事例についてまとめています。結論ではオープンサイエンスは研究の評価・実施方法の大きな変化を意味するであろうこと、研究および科学の基本的な前提となっているいくつかの事項の検証が必要であり、地域や国などのといったあらゆるレベルで協力していく必要があることが述べられています。

ユネスコ(UNESCO)、新型コロナウイルス感染症拡大下における世界の博物館・美術館に関する報告書を発表

2020年5月27日、ユネスコ(UNESCO)が、新型コロナウイルス感染症拡大下における世界の博物館・美術館に関する報告書“Report on Museums Around the World in the Face of COVID-19”を公開したことを発表しました。

同報告書は、博物館・美術館における新型コロナウイルス感染症の影響をまとめたものであり、主な傾向、危機に直面した際の対応等に焦点を当てています。

報告書では、博物館は2020年時点で世界に約9万5,000館あると見積もられ、2012年から60%増加したものの、分布に偏りがあること、90%が新型コロナウイルス感染症の影響で閉館し、10%以上は再度開館しない可能性があることが挙げられています。また、非常に早くオンライン上のサービスが拡充された一方、地域間のデジタルディバイドがより明確になったこと等が記載されています。

発表の中で、国際博物館会議(ICOM)が発表した、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下における博物館・美術館およびその職員等に関する報告書“Museums, museum professionals and COVID-19”についても触れ、機関を超えた協力の重要性に言及しています。

独・アーロルゼン・アーカイブズ、ナチス政権の迫害に関する約2,600万点の文書をオンライン公開

2020年4月14日、ドイツのアーロルゼン・アーカイブズ(Arolsen Archives)は、約2,600万件の文書をオンライン公開したことを発表しました。

アーロルゼン・アーカイブズは、ホロコーストの記憶の継承を使命とするInternational Center on Nazi Persecutionが運営する、ナチス政権の迫害に関する世界で最も包括的なアーカイブです。所蔵文書はユネスコの「世界の記憶」にも登録され、点数は3,000万点以上にのぼります。今回ホロコーストの犠牲者約2,100万人の名前が記された約2,600万点の文書がオンライン公開され、アーロルゼン・アーカイブズの所蔵資料の大部分がオンライン上で利用可能になりました。

アーロルゼン・アーカイブズの文書のデジタル化は、イスラエルのヤド・ヴァシェム世界ホロコースト記憶センター(the World Holocaust Remembrance Center Yad Vashem)とともに取り組まれ、2019年5月に「世界の記憶」登録文書を含む約1,300万点の文書がすでにオンライン公開されています。

Google、遠隔授業で活用できるツールや情報を紹介するウェブサイト「家から教えよう」を公開:ユネスコ教育情報工学研究所の支援と協力を得て作成

2020年4月8日、Googleが、遠隔授業を行う上で活用できるツールや情報を紹介するウェブサイト「家から教えよう」の公開を発表しています。

遠隔授業の実施のほか、担当クラスの児童生徒や教員同士でコミュニケーションを保つ上で役立つ Google for Education のオンラインツールを案内するもので、ユネスコ教育情報工学研究所の支援と協力を得て作成されたものです。

現在、日本語を含む世界28か国後で公開されており、今後、対応言語を拡大していくとしています。

家から教えよう。教員の皆さまに役立つツールをご紹介 (Google Japan Blog, 2020/4/8)
https://japan.googleblog.com/2020/04/teachfromhome.html

家から教えよう
https://teachfromhome.google/intl/ja/

ブルーシールド国際委員会(BSI)、米・トランプ大統領によるイランの文化遺産を軍事攻撃の標的とする可能性を示唆した発言に対して深刻な懸念を表明

2020年1月7日、ブルーシールド国際委員会(Blue Shield International:BSI)は、米・トランプ大統領によるイランの文化遺産を軍事攻撃の標的とする可能性を示唆した発言について、ウェブサイト上で深刻な懸念を表明しました。

BSIの表明では、軍事的必要性のない文化的・宗教的施設の意図的な攻撃は、米国も批准済の1954年ハーグ条約をはじめとする複数の国際法で、いかなる場合においても禁止されていることや、近年も文化財に対する意図的な攻撃が国際刑事裁判所(ICC)で有罪判決を受けた事例があることが指摘されています。BSIは、米国が戦争犯罪を犯すことを回避し、いかなる形であれイランの文化遺産に脅威を与えないように、トランプ大統領に対して軍事攻撃の標的リストから文化遺産を削除することを求めています。

ユネスコ、オープン教育資源(OER)の促進を目的とした勧告を採択

2019年11月25日、ユネスコの第40回総会において、オープン教育資源(OER)に関する勧告が採択されました。

世界中の学生・教員・研究者に利益をもたらす、オープンライセンスの学習・教育資源の開発と共有を支援することを目的としたもので、OERに関する支援ポリシーの策定や持続可能なモデルの構築も含まれます。

Creative Commonsのブログによると、同勧告は満場一致で採択されており、OERを推進する団体では連携し、勧告の実現を支援していくとしています。そして、これらの団体は2020年の初頭に会議を開き、各国政府を支援するためのサービス・資源・活動・コミュニケーション計画のリストを作成するとし、OERの作成・アクセス・利用・採用・再配布のための関係者の能力開発、支援政策の策定、包括的で公平な品質のOERの促進、OERの持続可能モデルの作成促進、国際協力の促進の5つの活動領域と、効果を測定するための適切な研究プログラム・ツール・指標の展開、進捗・優良事例・研究報告書の収集・発表・普及、OERの有効性・長期的な財務的な効果の監視・評価のための戦略、の3つの監視・広報活動をあげています。

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