ユネスコ

仏・オープンサイエンス委員会、ユネスコの「オープンサイエンスに関する勧告」の草案に意見提出

2021年1月18日付で、フランスの高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)によるオープンサイエンス国家計画の一環として設置されているオープンサイエンス委員会(Le comité pour la science ouverte)が、ユネスコの作成した「オープンサイエンスに関する勧告」の草案に意見提出したことを発表していました。

同委員会はユネスコの草案に高い評価を示しつつ、学術的な出版物に特有の課題、研究コミュニティや高等教育研究機関のローカルな取り組みの多様性を考慮した内容で再調整を図るための提案を行いました。学術出版の担い手・経済モデル・形式・使用される言語の多様性を促進する「書誌多様性」の原則をより一層重視すること、オープンではない研究データも特定の用途の下では利用可能とする「データ共有」の概念を強調すること、オープンサイエンスの目的・中心的な価値・基本理念として「再現性」について本文中に明記すべきであることなどを提言しています。

提出された意見の全文はフランス語・英語により、同委員会のウェブサイト上でそれぞれ公開されています。

国際図書館連盟(IFLA)、ユネスコの「オープンサイエンスに関する勧告」の草案に意見提出

2021年1月22日、国際図書館連盟(IFLA)は、ユネスコの作成した「オープンサイエンスに関する勧告」の草案に意見提出したことを発表しました。

IFLAは、2019年から開始したユネスコのオープンサイエンスの取り組みが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、密接な協力による治療法の迅速な開発の必要性・ロックダウンに伴う情報アクセスの困難等に直面したことでさらに緊急性を増しており、公表された草案は、連携、オープンアクセス・オープンデータ等の促進、公平性、包摂性など、図書館にとっての重要課題を強調したものであると評価しています。

その上で、IFLAは草案で示されたメッセージをより一層強調するという観点から、図書館員の果たすことのできる役割を明確化すること、著作権法の規定がオープンサイエンスの障害とならないように各国で改定を進めること、などについての意見をユネスコに提出しました。

IFLA Submits Comments on draft UNESCO Open Science Recommendation(IFLA,2021/1/22)
https://www.ifla.org/node/93594

ユネスコ(UNESCO)、障害者がアクセス可能な形式で記録遺産をデジタル化するためのガイドラインを公開

2020年12月3日、ユネスコ(UNESCO)が、国際障害者デーにあわせ、“Accessible digital documentary heritage: guidelines for the preparation of documentary heritage in accessible formats for persons with disabilities”を公開しました。

障害者がアクセス可能な形式で記録遺産をデジタル化するためのガイドラインとして、図書館員・アーキビスト・博物館職員・学芸員等を対象に策定されたものです。「障害者の権利に関する条約(2006年)」および「デジタル形式を含む記録遺産の保護及びアクセスに関する勧告(2015年)」が重視する、記録遺産への最大限で包括的なアクセスやその活用の促進に基づいて作成されています。

ガイドラインは、異なるタイプの関係者が、関与しなければならない様々な局面を、容易に方向づけ、評価できるよう構成されており、記録文化遺産のプラットフォームを発注・委託する関係者向けの基本ガイドと、そのようなプラットフォームのコンテンツ制作者向けの上級ガイドの2種類提供されています。

ユネスコ(UNESCO)、新型コロナウイルス感染症拡大下の文化創造産業再生に関する政策立案者向けのガイドを公開

2020年10月21日、ユネスコは、新型コロナウイルス感染症拡大下において、文化創造産業再生に関する政策立案者向けの実践的なアドバイス等を提供するガイドとして、“Culture in crisis: policy guide for a resilient creative sector”を作成したことを発表しました。

新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに伴う危機的な状況は、文化創造産業に致命的な影響を与えるとともに、同産業が従前から抱えていた不安定さを明らかにし拡大させることになりました。ユネスコは感染症拡大危機の中で採用された加盟国の様々な政策・対応策を収集して同ガイドを作成し、効果的で有益な事例の紹介、最新の傾向の評価、不足事項の特定などを通して、政策立案者が文化創造産業関係者の喫緊のニーズに対応するための実践的なアドバイスや適用可能な対策等を提供しています。

同ガイドは、アーティストや関係者個人への直接的な支援、文化創造産業界への支援、文化創造産業の競争力強化の3種類に分類して、各国の実施した対策の実例を紹介しています。また、紹介された対策の実施に向けて検討すべき行動等に関する推奨事項を示しています。

ユネスコ、加盟193か国へオープンサイエンスに関する勧告の草案を提出

2020年10月1日、ユネスコは、加盟する193か国へオープンサイエンスに関する勧告の草案を前日9月30日に提出したことを発表しました。

ユネスコは2019年11月の第40回総会で採択されたロードマップに従って、2019年12月に科学アカデミー・大学・若手研究者・図書館・出版社に呼びかけてオープンサイエンスのためのパートナーシップ関係を設立しました。また、世界各国の30人の専門家からなる諮問委員会へ、関係する全ての利害関係者との協議を経たオープンサイエンスに関する勧告案の作成を委任していました。

加盟国に提出された草案は、オープンサイエンスの定義や目的、共有される価値観、原則の枠組みや、地域固有の知識体系などのオープンサイエンスがもたらしうる広大な可能性から社会が恩恵を受けるために必要な作業工程の分析等を提示するものです。利害関係者との協議の内容を反映して、科学界全体が直面する課題、特にアフリカの地域的要因を考慮しています。全体として、オープンサイエンスのもたらす革新の可能性、国家間だけでなく国内においても人々を隔てているデジタル環境・情報技術・ジェンダー・知識に関する格差縮小の重要性、科学を取り巻く文化が競争から協力へと変化することの必要性などを指摘した内容です。

ユネスコ(UNESCO)、文化遺産保護に関する法律のデータベース“NATLAWS”を改善

2020年7月27日、ユネスコ(UNESCO)が、文化遺産保護に関する法律のデータベース“NATLAWS”を改善したことを発表しました。

同データベースは、ユネスコが2005年から運用しているもので、キーワードや法令名、国名等での検索が可能であり、文化財の輸出を担当する国家機関や、担当省庁の情報等も含まれています。

今回の改善は、データベースが提供する資料の質の向上と利用者にとってアクセスしやすいインタフェースとすることを目的に、2019年から開始されました。また、発表では、2019年から既存の文書類全てについて高解像度のスキャンを行い、現在3,022件の法律、政令、改正法令の情報を収録しており、タイトルだけでなくドキュメントの内容にもアクセスしやすくなっていることに触れられています。

cOAlition S、ユネスコ(UNESCO)が実施する“Global Consultation on Open Science”への回答を公開

2020年6月2日、cOAlition Sは、ユネスコ(UNESCO)が実施するオープンサイエンスに関する調査“ Global Consultation on Open Science”への回答を公開しました。

冒頭に要約と推奨事項が掲載されており、学術出版物へのオープンアクセスがオープンサイエンス実現のための主要素であること、学術論文へのアクセス欠如がオープンサイエンス実現の大きな障害であり、2017年時点では学術論文のうち75%が「購読料の壁(paywall)」に阻まれているとの報告があったこと、全ての研究論文はオープンアクセスで出版されるべきであり、出版時点で無料利用可能かつ再利用を促すライセンス付与がなされるべきであることなど、計7点を示しています。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、ユネスコ(UNESCO)が実施する“Global Consultation on Open Science”への回答内容を公開

2020年6月2日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、ユネスコ(UNESCO)が実施するオープンサイエンスに関する調査“ Global Consultation on Open Science”への回答内容を掲載したウェブページを公開しました。

回答は、全てのドメイン・地域が参加するためにインフラとサービスの多様性が重要とであることに言及し、オープンサイエンスの定義と要素、主体、実施のための原則、社会的利益の増加をはじめとした利点、課題と対応方法、インセンティブ、求められるインフラと人材、金銭的コスト、方針に関する推奨事項、参考となる事例についてまとめています。結論ではオープンサイエンスは研究の評価・実施方法の大きな変化を意味するであろうこと、研究および科学の基本的な前提となっているいくつかの事項の検証が必要であり、地域や国などのといったあらゆるレベルで協力していく必要があることが述べられています。

ユネスコ(UNESCO)、新型コロナウイルス感染症拡大下における世界の博物館・美術館に関する報告書を発表

2020年5月27日、ユネスコ(UNESCO)が、新型コロナウイルス感染症拡大下における世界の博物館・美術館に関する報告書“Report on Museums Around the World in the Face of COVID-19”を公開したことを発表しました。

同報告書は、博物館・美術館における新型コロナウイルス感染症の影響をまとめたものであり、主な傾向、危機に直面した際の対応等に焦点を当てています。

報告書では、博物館は2020年時点で世界に約9万5,000館あると見積もられ、2012年から60%増加したものの、分布に偏りがあること、90%が新型コロナウイルス感染症の影響で閉館し、10%以上は再度開館しない可能性があることが挙げられています。また、非常に早くオンライン上のサービスが拡充された一方、地域間のデジタルディバイドがより明確になったこと等が記載されています。

発表の中で、国際博物館会議(ICOM)が発表した、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下における博物館・美術館およびその職員等に関する報告書“Museums, museum professionals and COVID-19”についても触れ、機関を超えた協力の重要性に言及しています。

独・アーロルゼン・アーカイブズ、ナチス政権の迫害に関する約2,600万点の文書をオンライン公開

2020年4月14日、ドイツのアーロルゼン・アーカイブズ(Arolsen Archives)は、約2,600万件の文書をオンライン公開したことを発表しました。

アーロルゼン・アーカイブズは、ホロコーストの記憶の継承を使命とするInternational Center on Nazi Persecutionが運営する、ナチス政権の迫害に関する世界で最も包括的なアーカイブです。所蔵文書はユネスコの「世界の記憶」にも登録され、点数は3,000万点以上にのぼります。今回ホロコーストの犠牲者約2,100万人の名前が記された約2,600万点の文書がオンライン公開され、アーロルゼン・アーカイブズの所蔵資料の大部分がオンライン上で利用可能になりました。

アーロルゼン・アーカイブズの文書のデジタル化は、イスラエルのヤド・ヴァシェム世界ホロコースト記憶センター(the World Holocaust Remembrance Center Yad Vashem)とともに取り組まれ、2019年5月に「世界の記憶」登録文書を含む約1,300万点の文書がすでにオンライン公開されています。

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