2011年8月5日に、英国での厳しい財政状況下での今後の図書館のあり方を探る「将来の図書館プログラム」(Future Libraries Programme)の第1フェイズのレポートが公表されました。このプログラムは、2010年8月から英国政府の地方政府グループ(Local Government Group)と博物館・図書館・文書館国家評議会(MLA)により行われているもので、今回のレポートは、英国各地の実例調査等を踏まえてまとめられています。レポートで示されている「改革と変化のモデル」の図では、「効率」と「効果」が中心におかれ、その実現手段として「立地」「新しいサービス提供者」「境界を越えた共同サービス」「コミュニティへの権限付与」の4つが示され、さらに、変化のための方策として10のテーマが示されています。このレポートに対し、図書館関係者からは、「図書館員をボランティアで置き換えようとするものだ」などの批判が出ているようです。
2011年2月4日に、英国の博物館・図書館・文書館国家評議会(MLA)とイングランド芸術評議会(Arts Council England)が、2011-2012年の「ルネサンス」(Renaissance)プログラムの予算案について合意に達し、その公表を行ったようです。このルネサンスプログラムは、MLAの事業で、地域の博物館の財政を支援し,地域の遺産と文化を市民に普及させるというもののようです。今後MLAは解散され、その事業の一部はイングランド芸術評議会に引き継がれるようですが、今回の発表はその事業の継続に係わるもののようです。主たる合意内容として、2011-2012年の予算決定はMLAが責任をもって行うが、長期にわたって影響力のある予算の決定には、イングランド芸術評議会も加わることとする、MLAは2011-2012年における地域の博物館への助成額を約3,500万ポンドとする、イングランド芸術評議会は、ルネサンスプログラムの長期的な計画について2011年秋には公表する、等が挙げられているようです。
2010年11月24日付け英国のイングランド芸術評議会(Arts Council England)のニュース、および11月25日付けの博物館・図書館・文書館国家評議会(MLA)のニュースによると、一般市民がオンラインでどのように文化や芸術を利用しているか等を調査した、“Digital audiences: engagement with arts and culture online”と題した調査報告書が公表されたようです。主な調査結果として、回答者の53%はオンラインで文化・芸術に触れており、この比率は若者で高いこと、デジタルメディアを通じての文化・芸術の利用は、主に生の経験を補完するためであって、その代わりとしてではないこと等が挙げられているようです。