オランダ

E2419 - オランダの公共図書館内メイカースペースに関する調査

オランダ王立図書館(KB)は,2020年,国内の公共図書館(以下「図書館」)における創作活動やメイカースペースに関する調査を実施し,2021年5月,結果を公表した。2018年にも同様の調査を実施しており,今回はその後追い調査となる。以下,概要を紹介する。

英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、新型コロナウイルス感染症対策としての新たな形態のリモートアクセスに関するレポートを公開:オンラインの閲覧室等を構築する取組について

2021年7月19日、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)が、オンラインの閲覧室(Virtual Reading Room:VRR)やティーチングスペース(Virtual Teaching Space:VTS)を構築する取組についての調査レポートの公開を発表しました。

同調査は、2021年5月14日から6月11日にかけてRLUKが実施したものであり、英国の大学を中心に、32機関から回答が寄せられました。発表の中では、VRRやVTSはデジタル化に依存せず、図書館内の閲覧室等に配置したビジュアライザーを用いたライブ・ストリーミングにより、コレクションへのリモートアクセスを可能とするとあります。

調査の結果明らかになった主な事柄として、両者は広がりつつあるサービスであり、利用・対象者・拡張性・持続可能性について課題が残っていること等が挙げられています。その他、VRRは、ロックダウン期間中に当該組織内の少数の研究者等を対象としたリモートアクセス提供サービスから、より広範な研究者を対象とした研究支援サービスとなったと述べています。VTSについては、当初はロックダウン期間中にオンサイトでの授業の代替とされていたものの、現在では学生の学習支援と参加・地域への貢献の拡大のためのものになっていると指摘しています。

オランダ王立図書館(KB)、同館のデジタルリポジトリe-Depotが、データリポジトリの信頼性認証機関CoreTrustSealの認証を取得したと発表

2021年7月5日、オランダ王立図書館(KB)が、同館のデジタルリポジトリe-Depotが、データリポジトリの信頼性認証機関CoreTrustSealの認証を取得したと発表しています。

2018年に申請し、2021年6月18日に承認されたとしており、CoreTrustSealからの16の認証要件への証拠として提出された全ての文書も同館ウェブページ“Certification of our digital repository”で公開されています。

News(KB)  
https://www.kb.nl/en/news
※「National library of the Netherlands receives CoreTrustSeal for its e-Depot  5 July, 2021」とあります。

オランダ・ユトレヒト大学、採用・昇進の決定においてインパクトファクターによる評価を廃止へ(記事紹介)

Nature誌のオンライン版に、2021年6月25日付けで記事“Impact factor abandoned by Dutch university in hiring and promotion decisions”が掲載されています。オランダ・ユトレヒト大学が、採用・昇進の決定においてインパクトファクターによる評価を正式に廃止することを紹介しています。

2022年初頭までに、同大学の全学部において、インパクトファクターとは異なる指標に基づく評価が導入されるとしています。指標の例として、チームワークへの貢献、オープンサイエンスの推進への尽力を挙げています。

記事では、標準的な指標であるインパクトファクターに基づく評価の廃止が、同大学から他大学に移籍する教員に不利益をもたらす可能性についても指摘しています。今回の取組に携わる同大教授のPaul Boselie氏はこの指摘に対し、若手研究者が不安を感じていることを認めつつ、最終的には評価システムが変わると信じているため、リスクを負うことを厭わないとコメントしています。

オランダデジタル遺産ネットワーク、動的コンテンツを含むウェブサイトの収集手法を調査したレポート“Server-Side Web Archiving”を公開

英・デジタル保存連合(DPC)は、2021年6月14日付けのお知らせで、オランダデジタル遺産ネットワーク(The Dutch Digital Heritage Network:DDHN)が新たなレポート“Server-Side Web Archiving”を公開したことを紹介しています。レポートの筆者は、オランダ視聴覚研究所のEoin O'Donohoe氏です。

同レポートでは、動的コンテンツを含むウェブサイトの収集手法を調査しています。ウェブアーカイブサービスConifer(以前の名称はWebRecorder)、実験・作業の再現を可能にするためのツールReprozipを使用し、実際に2つのウェブサイトを対象に収集テストを行い、その結果と推奨事項をまとめています。

オランダ国立公文書館、奴隷制と奴隷貿易に関する記録をデジタル化してオンラインで公開

2021年4月23日、オランダ国立公文書館が、奴隷制と奴隷貿易に関する記録をデジタル化してオンラインで公開しました。

同館およびオランダ王立図書館(KB)による大規模プロジェクト“Metamorfoze program”の最終成果で、両館では、2013年から、オランダ・英国・ガイアナ・スリナムの9つの文化遺産機関とともに、奴隷制と奴隷貿易をテーマにデジタル化を進めてきました。

今回デジタル化されたのは、西インド会社(West-Indische Compagnie)、ミデルブルフ貿易会社(Middelburgse Commercie Compagnie)、スリナム協会(Sociëteit van Suriname)、オランダ領ギアナ(Nederlandse Bezittingen ter Kuste van Guinea)の評議会等の約190万点の記録で、ギアナに残された記録も、今回、保存とデジタル化のためにオランダに運ばれました。国立公文書館所蔵の西インド会社の記録、ゼーラント公文書館所蔵のミデルブルフ貿易会社の記録はユネスコの「世界の記憶」です。

オランダの研究データ管理全国共同拠点LCRDMのタスクグループ、オランダにおける研究用ソフトウェアの持続可能性について実践と提言を示した報告書を公開

2021年3月11日、オランダの学術情報の収集・提供機関Data Archiving and Networked Services(DANS)は、同国の研究データ管理全国共同拠点である(National collaboration on Research Data Management:LCRDM)内のタスクグループが報告書“Research software sustainability in the Netherlands: Current practices and recommendations”を公開したことを発表しました。DANSのメンバーは同タスクグループの一員として報告書の作成に関与しています。

同報告書は研究用ソフトウェアについて、ソースコードの保存の問題や、再現性の検証のための実行・新しい研究実践における再利用などの持続可能性の問題を扱っています。研究用ソフトウェアが研究の再現性やオープンサイエンスの実現に重要な役割を担っているという認識の下、国内外の取組みに関する調査、関係者へのインタビュー等が行われました。

立命館大学アート・リサーチセンター、オランダのライデン国立民族学博物館の日本コレクションに関するデジタル化画像を公開

2021年3月4日、立命館大学アート・リサーチセンター(ARC)は、オランダのライデン国立民族学博物館が所蔵する日本文化資料のうち、浮世絵・銅版画・古典籍などの資料について、全作品のデジタル化画像を一般公開することを発表しました。

ライデン国立民族学博物館は、江戸時代に欧州で唯一日本と交易のあったオランダの機関として、シーボルト(Philipp Franz Balthasar von Siebold)や長崎・出島の商館長であったブロンホフ(Jan Cock Blomhoff)らのコレクションを中心に、多数の日本コレクションを収蔵しています。同館の収蔵品はすでにオランダ国立世界文化博物館のコレクションデータベースから閲覧可能となっていますが、ARCのポータルサイト上で「ライデン国立民族学博物館の日本コレクション」として公開されたことにより、集中的に閲覧することができるようになりました。

ARCのポータルサイト上で公開されたデジタル化画像には、オランダ国立世界文化博物館のデータベースへ直接アクセス可能なボタン等が設置されています。

オランダ王立図書館(KB)、デジタル資産管理システム“Rosetta”の利用についてEx Librisと複数年契約を締結

2021年2月15日、オランダ王立図書館(KB)が、デジタル資産管理システム“Rosetta”の利用についてEx Librisと複数年契約を締結したと発表しました。

背景として、紙資料の大規模なデジタル化、デジタルのみでの出版への移行、同館ウェブアーカイビングの取組により、デジタルコレクションの量・多様性が大幅に増したため、保存に関する新たなアプローチが必要となったことを挙げています。

Dutch National Library steps into a new future of digital archiving(KB, 2021/2/15)
https://www.kb.nl/en/news/2021/dutch-national-library-steps-into-a-new-future-of-digital-archiving

オランダで刊行された学術雑誌にオープンアクセス(OA)出版を提供するプラットフォーム“openjournals.nl”が運用を開始:人文学・社会科学分野の7誌とともにスタート

2021年1月29日付のオランダ科学研究機構(NWO)のお知らせで、“openjournals.nl”の運用開始が発表されています。

openjournals.nlは、NWOとオランダ王立芸術科学アカデミー(KNAW)、オープンアクセス(OA)出版に取り組む非営利財団Open Access Publishing Services(OPuS)が共同構築したプラットフォームです。オランダで刊行された学術雑誌にOA出版の機会を提供するプラットフォームであり、特に研究成果の100%のOA化にしばしば困難が伴う人文学・社会科学分野の高品質の学術雑誌への支援が目的に掲げられ、運用開始時点では人文学・社会科学分野の7誌が参加しています。

openjournals.nlは、KNAW内の人文学部門からオープンソースの出版・投稿システムが提供され、論文著者に金銭的負担を負わせない「ダイヤモンドOA」モデルで運営しています。このような運営体制は、デンマークの“tidsskrift.dk”やフィンランドの“Journal.fi”といった先行の成功事例をモデルにしたことを説明しています。

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