オランダ

オランダ国立公文書館、奴隷制と奴隷貿易に関する記録をデジタル化してオンラインで公開

2021年4月23日、オランダ国立公文書館が、奴隷制と奴隷貿易に関する記録をデジタル化してオンラインで公開しました。

同館およびオランダ王立図書館(KB)による大規模プロジェクト“Metamorfoze program”の最終成果で、両館では、2013年から、オランダ・英国・ガイアナ・スリナムの9つの文化遺産機関とともに、奴隷制と奴隷貿易をテーマにデジタル化を進めてきました。

今回デジタル化されたのは、西インド会社(West-Indische Compagnie)、ミデルブルフ貿易会社(Middelburgse Commercie Compagnie)、スリナム協会(Sociëteit van Suriname)、オランダ領ギアナ(Nederlandse Bezittingen ter Kuste van Guinea)の評議会等の約190万点の記録で、ギアナに残された記録も、今回、保存とデジタル化のためにオランダに運ばれました。国立公文書館所蔵の西インド会社の記録、ゼーラント公文書館所蔵のミデルブルフ貿易会社の記録はユネスコの「世界の記憶」です。

オランダの研究データ管理全国共同拠点LCRDMのタスクグループ、オランダにおける研究用ソフトウェアの持続可能性について実践と提言を示した報告書を公開

2021年3月11日、オランダの学術情報の収集・提供機関Data Archiving and Networked Services(DANS)は、同国の研究データ管理全国共同拠点である(National collaboration on Research Data Management:LCRDM)内のタスクグループが報告書“Research software sustainability in the Netherlands: Current practices and recommendations”を公開したことを発表しました。DANSのメンバーは同タスクグループの一員として報告書の作成に関与しています。

同報告書は研究用ソフトウェアについて、ソースコードの保存の問題や、再現性の検証のための実行・新しい研究実践における再利用などの持続可能性の問題を扱っています。研究用ソフトウェアが研究の再現性やオープンサイエンスの実現に重要な役割を担っているという認識の下、国内外の取組みに関する調査、関係者へのインタビュー等が行われました。

立命館大学アート・リサーチセンター、オランダのライデン国立民族学博物館の日本コレクションに関するデジタル化画像を公開

2021年3月4日、立命館大学アート・リサーチセンター(ARC)は、オランダのライデン国立民族学博物館が所蔵する日本文化資料のうち、浮世絵・銅版画・古典籍などの資料について、全作品のデジタル化画像を一般公開することを発表しました。

ライデン国立民族学博物館は、江戸時代に欧州で唯一日本と交易のあったオランダの機関として、シーボルト(Philipp Franz Balthasar von Siebold)や長崎・出島の商館長であったブロンホフ(Jan Cock Blomhoff)らのコレクションを中心に、多数の日本コレクションを収蔵しています。同館の収蔵品はすでにオランダ国立世界文化博物館のコレクションデータベースから閲覧可能となっていますが、ARCのポータルサイト上で「ライデン国立民族学博物館の日本コレクション」として公開されたことにより、集中的に閲覧することができるようになりました。

ARCのポータルサイト上で公開されたデジタル化画像には、オランダ国立世界文化博物館のデータベースへ直接アクセス可能なボタン等が設置されています。

オランダ王立図書館(KB)、デジタル資産管理システム“Rosetta”の利用についてEx Librisと複数年契約を締結

2021年2月15日、オランダ王立図書館(KB)が、デジタル資産管理システム“Rosetta”の利用についてEx Librisと複数年契約を締結したと発表しました。

背景として、紙資料の大規模なデジタル化、デジタルのみでの出版への移行、同館ウェブアーカイビングの取組により、デジタルコレクションの量・多様性が大幅に増したため、保存に関する新たなアプローチが必要となったことを挙げています。

Dutch National Library steps into a new future of digital archiving(KB, 2021/2/15)
https://www.kb.nl/en/news/2021/dutch-national-library-steps-into-a-new-future-of-digital-archiving

オランダで刊行された学術雑誌にオープンアクセス(OA)出版を提供するプラットフォーム“openjournals.nl”が運用を開始:人文学・社会科学分野の7誌とともにスタート

2021年1月29日付のオランダ科学研究機構(NWO)のお知らせで、“openjournals.nl”の運用開始が発表されています。

openjournals.nlは、NWOとオランダ王立芸術科学アカデミー(KNAW)、オープンアクセス(OA)出版に取り組む非営利財団Open Access Publishing Services(OPuS)が共同構築したプラットフォームです。オランダで刊行された学術雑誌にOA出版の機会を提供するプラットフォームであり、特に研究成果の100%のOA化にしばしば困難が伴う人文学・社会科学分野の高品質の学術雑誌への支援が目的に掲げられ、運用開始時点では人文学・社会科学分野の7誌が参加しています。

openjournals.nlは、KNAW内の人文学部門からオープンソースの出版・投稿システムが提供され、論文著者に金銭的負担を負わせない「ダイヤモンドOA」モデルで運営しています。このような運営体制は、デンマークの“tidsskrift.dk”やフィンランドの“Journal.fi”といった先行の成功事例をモデルにしたことを説明しています。

オランダのData Archiving and Networked Services(DANS)、2021年から2025年の戦略プログラムとして“Focus on FAIR: DANS 2021-2025”を発表

2020年12月10日付で、オランダの学術情報の収集・提供機関であるData Archiving and Networked Services(DANS)が、2021年から2025年までの5年間における新戦略プログラム“Focus on FAIR: DANS 2021-2025”を策定したことを発表していました。

DANSは、オランダの研究データの基盤環境に成功をもたらすものは何か、DANSはそこへどのように貢献できるか、の2つの問いを出発点として、第4期の戦略プログラムである“Focus on FAIR: DANS 2021-2025”を策定しました。新しい戦略プログラムは、「FAIR原則に準拠した研究データに関する専門知識の中心拠点」、「多用途に対応可能なデータリポジトリ」、「外部との積極的な協力関係の構築」の3つの柱で構成されています。

“Virtual Research Environment”のバージョン1.0が公開される:デジタル保存のツールをテストできる仮想研究環境

2020年12月7日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、“Virtual Research Environment”(VRE)のバージョン1.0を公開したことを発表しました。

VREは、OPFとオランダデジタル遺産ネットワーク(The Dutch Digital Heritage Network:DDHN)により開発された、デジタル保存のツールをテストできる仮想研究環境です。

オープンソースのデジタル保存ツールがプリインストールされており、新たにインストール等を行うことなく各ツールの使用・テストが可能となっています。バージョン1.0では6種類のツール(Apache Tika、Droid、JHOVE、VeraPDF、MediaInfo、ffmpeg/Handbrake)が含まれています。

オランダ科学研究機構(NWO)、オープンサイエンスに関するプロジェクトに助成を行うプログラム“Open Science Fund”の立ち上げを発表

2020年12月1日、オランダ科学研究機構(NWO)は、“Open Science Fund”の立ち上げを発表しました。

オープンサイエンスに関するプロジェクトに助成を行うプログラムであり、あらゆる分野の研究者が申請可能となっています。助成対象となるプロジェクトの例として、オープンアクセス(OA)出版の革新的方法の開発を目的としたプロジェクト、データやソフトウェアの「FAIR原則」に基づいた共有、必要な文化変革(culture change)をもたらすのに役立つプロジェクトが挙げられています。

プログラムの第1段階では100万ユーロが用意されており、研究者はプロジェクトごとに最大5万ユーロを申請できます。

New funding instrument to stimulate Open Science(NWO, 2020/12/1)
https://www.nwo.nl/en/news/new-funding-instrument-stimulate-open-science

オランダ・ライデン大学図書館、2万点超の地図資料をオンラインで公開:旧オランダ植民地の地図等

2020年12月1日、オランダ・ライデン大学図書館は、同館が所蔵、又は寄託により保管している複数のコレクションに含まれる地図資料を同館のデジタルコレクションで公開したことを発表しました。

計2万点超の地図資料が利用可能となっており、旧オランダ植民地の地図等が含まれます。発表では、オランダで最も大規模かつ重要な地図コレクションの一つが、今回の公開により研究・教育・一般向けにデジタル形式で利用可能となった、と述べています。

Springer Nature社、学術界の外におけるゴールドOAコンテンツの利用について調査したホワイトペーパーを公開

2020年11月30日、Springer Nature社は、ホワイトペーパー“Open for All, Exploring the Reach of Open Access Content to Non-Academic Audiences”の公開を発表しました。

同社がオランダ大学協会(VSNU)及びオランダ大学図書館・王立図書館コンソーシアム(UKB)と実施している共同プロジェクトの最新成果であり、ゴールドOAコンテンツが学術界の外でどのように利用されているのかを探る内容となっています。

ホワイトペーパーは二つの調査に基づいています。一つ目はドキュメント(書籍の章、雑誌論文、プロシーディングを含む)の書誌計量学的分析であり、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に関連する2017年出版のドキュメント36万点近くを対象としています。二つ目は同社の複数のウェブサイト上でのアンケート調査であり、6,000人近くが回答しました。

発表では、主な調査結果として次のような点が示されています。

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