オランダ

オランダ王立図書館(KB)の児童書VR実験(記事紹介)

2021年11月22日、オランダ王立図書館(KB)が、4冊の児童書を対象に実施している仮想現実(VR)を用いた取組についての記事を掲載しました。

KBが所蔵する、ポップアップ等の機能がある仕掛け絵本(Novelty books)を、バーチャル環境上に再現し、3Dモデルを構築する取組です。物語の一部を読む音声やラジオの音等の効果音も追加したとあります。記事によると、仕掛け絵本は破損しやすく、これまでKBの利用者は申請して館内でのみ閲覧可能であり、仕掛け絵本を保存しつつ提供する他の方法を検討するために今回の取組が行われています。

VRヘッドセットを使用し、ユーザーは本を開いたり、バーチャル環境上の本の中を歩き回ってあらゆる角度から見たりすることができること等が述べられています。

また、記事の中には、KBの児童書担当者Karin Vingerhoets氏と研究部門のMartijn Kleppe氏のインタビュー音声もあわせて掲載されています。

オランダ大学協会(VSNU)、オランダの大学における学術論文のオープンアクセス出版率(2020年)を公表

オランダのオープンアクセス(OA)に関する情報を提供するウェブサイト“open access.nl”の2021年10月27日付け記事で、オランダの大学における学術論文のオープンアクセス(OA)出版率(2020年)が紹介されています。同日にオランダ大学協会(VSNU)が発表したものです。

2020年のOA出版率は73%であり、2019年の数値から11%増加しました。2016年の測定開始以来、最大の増加であると述べています。

VSNUはOA出版率100%達成のための取組を進めており、実現可能性調査(feasibility studies)を踏まえたものとして、目標達成に必要となる戦略4点を例示しています。

オランダ大学図書館・王立図書館コンソーシアム(UKB)ら、プレプリントに関する実践ガイドを公開

2021年10月28日、オランダ大学図書館・王立図書館コンソーシアム(UKB)が、オランダ大学協会(VSNU)とオランダ科学研究機構(NWO)と協力し、プレプリントに関する実践ガイド“A Practical Guide to Preprints: Accelerating Scholarly Communication”を公開したと発表されました。

同ガイドはオランダを中心とした研究者に加え、ジャーナリスト・患者・医療従事者等の一般の人々を支援することを目的としています。プレプリントの概要、プレプリントサーバーの探し方、プレプリント作成・投稿・利用方法やライセンスの選択について等がまとめられています。

Practical Guide on Preprints Published(open access.nl, 2021/10/28)
https://www.openaccess.nl/en/events/practical-guide-on-preprints-published

E2440 - 歴史的建造物を図書館に再利用した事例集<文献紹介>

   2021年6月,国際図書館連盟(IFLA)の環境・持続可能性と図書館に関する専門部会(ENSULIB)と図書館建造物および設備分科会(LBES)の協力のもと,世界各国の主に歴史的建造物が図書館に再利用された事例を集めた報告書が出版された。報告書は大きく3つのパートに分かれ,建築家Robert Niess氏,Santi Romero氏,図書館建築の専門家Karen Latimer氏による建造物を図書館に再利用することに関する総論と,公共図書館に再利用した10の事例,大学などの学術図書館に再利用した9の事例で構成される。病院,消防署,機関車工場,郵便局など改築前の建造物の種類は多様で,改築前後の様子が写真と共に紹介されており興味深い。全文はインターネットでも公開され,誰でも無料で読むことができる。本稿ではそのいくつかの事例を挙げつつ,歴史的建造物を図書館に再利用する取り組みの特徴を紹介したい。

デジタル化されたアンネ・フランクの手稿がオンラインで公開

2021年9月28日、オランダのホイヘンス記念オランダ歴史研究所(Huygens Institute for the History of the Netherlands)は、同国のVereniging voor Onderzoek en Ontsluiting van Historische Teksten(Association for Research and Access to Historical Texts)が、デジタル化されたアンネ・フランクの手稿をオンラインで公開したと発表しました。

ウェブサイト“Anne Frank Manuscripten”で、アンネ・フランクにより書かれた日記や小説のデジタル化画像やテキストが提供されており、人名・場所等での検索も可能です。同研究所とアンネ・フランクの博物館の運営等を行う非営利組織“Anne Frank House”の協力により、各資料の調査やテキスト作成等が行われました。英語訳版が今後公開予定と述べられています。

発表によると、アンネ・フランクの著作の多くはオランダでは著作権保護期間中であるため、ベルギーでテキスト化等が行われました。また、同ウェブサイトは、国によるアクセス制限を行っており、アンネ・フランクの著作に関して著作権上問題が無い約60か国からアクセス可能とあります。

欧州のSMILESプロジェクト、ベルギー・スペイン・オランダにおけるデジタルメディアリテラシー教育の現状に関する調査報告書を公開

欧州のSMILESプロジェクトは、2021年9月30日付けの発表で、ベルギー・スペイン・オランダにおけるデジタルメディアリテラシー教育の現状に関する調査結果を紹介しています。調査結果は国別にまとめられており、ダウンロード可能です。

SMILESプロジェクトは、フェイクニュースの拡散に対抗する革新的なアプローチの開発・テストを行う国際プロジェクトであり、欧州連合(EU)の支援を受けて行われています。オランダ王立図書館(KB)が主導し、KBを含めベルギー・スペイン・オランダの6組織が協力しています。

発表によれば、3か国におけるデジタルメディアリテラシー教育に関する戦略の多くが政府機関の支援を得ていることが判明した一方、政策の欠如、継続性、個人の単発的な取組への依存など、差し迫った課題が残っていることを指摘しています。SMILESプロジェクトの研究チームは、この課題解決策の一つとして、既存の学校科目にメディアリテラシーに関する活動を組み込むことを挙げています。

E2419 - オランダの公共図書館内メイカースペースに関する調査

オランダ王立図書館(KB)は,2020年,国内の公共図書館(以下「図書館」)における創作活動やメイカースペースに関する調査を実施し,2021年5月,結果を公表した。2018年にも同様の調査を実施しており,今回はその後追い調査となる。以下,概要を紹介する。

英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、新型コロナウイルス感染症対策としての新たな形態のリモートアクセスに関するレポートを公開:オンラインの閲覧室等を構築する取組について

2021年7月19日、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)が、オンラインの閲覧室(Virtual Reading Room:VRR)やティーチングスペース(Virtual Teaching Space:VTS)を構築する取組についての調査レポートの公開を発表しました。

同調査は、2021年5月14日から6月11日にかけてRLUKが実施したものであり、英国の大学を中心に、32機関から回答が寄せられました。発表の中では、VRRやVTSはデジタル化に依存せず、図書館内の閲覧室等に配置したビジュアライザーを用いたライブ・ストリーミングにより、コレクションへのリモートアクセスを可能とするとあります。

調査の結果明らかになった主な事柄として、両者は広がりつつあるサービスであり、利用・対象者・拡張性・持続可能性について課題が残っていること等が挙げられています。その他、VRRは、ロックダウン期間中に当該組織内の少数の研究者等を対象としたリモートアクセス提供サービスから、より広範な研究者を対象とした研究支援サービスとなったと述べています。VTSについては、当初はロックダウン期間中にオンサイトでの授業の代替とされていたものの、現在では学生の学習支援と参加・地域への貢献の拡大のためのものになっていると指摘しています。

オランダ王立図書館(KB)、同館のデジタルリポジトリe-Depotが、データリポジトリの信頼性認証機関CoreTrustSealの認証を取得したと発表

2021年7月5日、オランダ王立図書館(KB)が、同館のデジタルリポジトリe-Depotが、データリポジトリの信頼性認証機関CoreTrustSealの認証を取得したと発表しています。

2018年に申請し、2021年6月18日に承認されたとしており、CoreTrustSealからの16の認証要件への証拠として提出された全ての文書も同館ウェブページ“Certification of our digital repository”で公開されています。

News(KB)  
https://www.kb.nl/en/news
※「National library of the Netherlands receives CoreTrustSeal for its e-Depot  5 July, 2021」とあります。

オランダ・ユトレヒト大学、採用・昇進の決定においてインパクトファクターによる評価を廃止へ(記事紹介)

Nature誌のオンライン版に、2021年6月25日付けで記事“Impact factor abandoned by Dutch university in hiring and promotion decisions”が掲載されています。オランダ・ユトレヒト大学が、採用・昇進の決定においてインパクトファクターによる評価を正式に廃止することを紹介しています。

2022年初頭までに、同大学の全学部において、インパクトファクターとは異なる指標に基づく評価が導入されるとしています。指標の例として、チームワークへの貢献、オープンサイエンスの推進への尽力を挙げています。

記事では、標準的な指標であるインパクトファクターに基づく評価の廃止が、同大学から他大学に移籍する教員に不利益をもたらす可能性についても指摘しています。今回の取組に携わる同大教授のPaul Boselie氏はこの指摘に対し、若手研究者が不安を感じていることを認めつつ、最終的には評価システムが変わると信じているため、リスクを負うことを厭わないとコメントしています。

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