2020年11月12日付で、Emerald社が刊行するデジタル情報・流通分野の査読誌“Online Information Review”のオンライン速報版(ahead-of-print)の論文として、“An analysis of use and performance data aggregated from 35 institutional repositories”がオープンアクセスにより公開されています。
同論文は、リポジトリの利用・パフォーマンスの経時的なデータを集約し、オープンデータセットとして提供するウェブサービス“Repository Analytics and Metrics Portal(RAMP)”を用いた機関リポジトリの実績の分析に関する論文です。2017年からサービスを開始したRAMPは、現在、米国のモンタナ州立大学図書館・ニューメキシコ大学図書館が運営し、世界中の55以上の機関リポジトリからデータを集約しています。データ集約にはGoogleのウェブサイト分析用ツールGoogle Search Consoleを利用しています。著者らは2019年の5か月間にRAMPが集約した7か国35の機関リポジトリのデータの分析を実施しました。
プレプリントサーバarXivに2020年9月1日付で、文献“What Library Digitization Leaves Out: Predicting the Availability of Digital Surrogates of English Novels”が公開されています。
この文献は、1836年と1838年に英国諸島で初めて出版された小説の書誌目録を利用し、図書館等がデジタル化した書籍群が、その母集団となる出版された書籍群全体を反映しているかどうかを調査したものです。筆者は米・インディアナ大学ブルーミントン校のAllen Riddell氏と、米・パデュー大学フォートウェイン校のTroy J. Bassett氏です。
2020年8月31日、英・ケンブリッジ大学は、ケンブリッジ大学図書館所蔵資料の画像がGoogle Arts and Culture上で同日から公開されることを発表しました。
同館は、ケンブリッジ大学の機関として初めてGoogle Arts and Cultureに参加しました。同館では2011年からデジタルアーカイブ“Cambridge Digital Library”を公開し、5万点を超えるコンテンツを利用可能としており、今回の参加はコンテンツをさらに利用しやすくするための取組として位置づけられています。
今後もコンテンツの追加を行うこと、ケンブリッジ大学の他機関もGoogle Arts and Cultureに参加する見込みであること等もあわせて紹介されています。
2020年8月25日、Google AIのブログ“Google AI Blog”で、オンラインで公開されているデータセットの分析に関する記事が投稿されました。この分析はGoogleが提供するDataset Searchを使用して実施されています。なお、この記事は、セマンティックウェブに関する国際会議である2020 International Semantic Web Conference (ISWC 2020)に採択された論文“Google Dataset Search by the Numbers”を要約したものとなっています。
2020年4月24日、パブリックヒストリー研究者の世界的なネットワークの構築・発展等に取り組む国際パブリックヒストリー連盟(International Federation for Public History:IFPH)は、世界各国の新型コロナウイルス感染症に関する記録収集の取り組みのマッピングプロジェクトを実施していることを発表しました。
IFPHのプロジェクトは、多様な手段で若年層への歴史の伝達等の活動を行う米国のイニシアチブ“Made By Us”とともに取り組まれています。Made By USが実施していた米国内の新型コロナウイルス感染症に関する記録収集の取り組みにIFPHが参加したことで、米国外も含めた国際的な規模へと収集範囲が拡大しました。