電子情報資源

国立国会図書館(NDL)、「電子情報の長期保存におけるエミュレーション技術の利用に関する調査報告書」を公開

国立国会図書館(NDL)は、ウェブサイト内の「電子情報の長期利用保証に関する調査研究」のページに、2021年7月付けで「電子情報の長期保存におけるエミュレーション技術の利用に関する調査報告書」を掲載しました。

NDLが収集・保存している電子情報の利用提供方法の検討に資するため、旧式化したコンピュータ等を現在の環境上に再現するエミュレーション技術に関して、概要や近年の技術の進展、海外機関の利用事例等について実施した調査の結果を報告するものです。

報告書の主な構成は以下の通りです。

1.本調査の趣旨
2.エミュレーション技術の概要
3.電子情報の長期保存におけるエミュレーション技術
4.参考文献

電子情報の長期利用保証に関する調査研究(NDL)
https://www.ndl.go.jp/jp/preservation/dlib/research.html
※「調査報告書(令和2年度)」の欄に、「電子情報の長期保存におけるエミュレーション技術の利用に関する調査報告書(令和3年7月)」が掲載されています。

E2401 - NDL,デジタル資料長期保存基本計画 2021-2025を策定

国立国会図書館は,2021年3月に「国立国会図書館デジタル資料長期保存基本計画 2021-2025」(以下「本計画」)を策定した。以下,デジタル資料の長期保存に係る課題を整理し,これまでの当館のデジタル資料の長期保存に係る取組を振り返りながら,本計画の概要を紹介する。

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)、1,250万ドルの助成を受け、デジタル形式の学術文献へのアクセス改善に取り組むと発表

2021年6月17日、米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)が、Arcadia基金からの1,250万ドルの助成を受けたと発表しています。

当該助成は、オンラインプラットフォームを通じて、利用者がほぼすべての書籍をデジタル形式で利用できるようにするための図書館の取組(技術・アクセシビリティの改善・ポリシーの策定・協定の締結)を支援するもので、NYPLでは2013年以来、同基金から1,900万ドルの助成を受けています。

今回の助成は、幅広く利用可能なデジタル化された研究書のカタログを作成するというNYPLの近年の業務に基づくもので、知識と情報への自由で公平なアクセスを提供するという同館の目標を強化することになるとしています。

また、同館では、コロナ禍で休館した際に、Arcadia基金からの助成を得て、複数のコレクション内のデジタル化資料を一括して利用できるDigital Research Books(BETA)を公開し、多くの学術文献が利用できるようになったものの、さらなる検討・解決策・支援が必要な、異なる版や形式の活用に関する課題があることがわかったことから、今回の助成を活用し、このような問題にも取組としています。

オーテピア高知図書館・オーテピア高知声と点字の図書館、電子雑誌閲覧サービスを試行提供

2021年7月1日、オーテピア高知図書館とオーテピア高知声と点字の図書館が共同で、図書館等向けの電子雑誌閲覧サービス「Kono Libraries」(コノ ライブラリーズ)の試行提供を開始すると発表しました。

提供期間は2021年7月1日から2022年3月31日までで、日本・台湾・米国・韓国の雑誌等合計180種類を超す雑誌を利用できるとしています。本文の検索機能のほか、一部の雑誌には本文の音声読み上げ機能があります。

オーテピア高知図書館・高知市民図書館分館分室共通利用カード(個人利用者のみ)を所持していれば、「Kono Libraries」のアプリをダウンロードしたスマートフォンやタブレットを用いて利用することができます。利用にあたって同館への申し込みは不要です。

2022年4月以降の提供は未定です。

電子雑誌のアプリ「Kono Libraries」試せます!(オーテピア高知図書館,2021/7/1)
https://otepia.kochi.jp/library/event.cgi?id=20210611100612gfo979

英国の永続的識別子コンソーシアムについての費用便益分析に関する報告書が公開

2021年6月21日、MoreBrains Cooperative のJosh Brown氏らによって執筆された報告書“UK PID Consortium: Cost-Benefit Analysis”が公開されました。この報告書は、オープンリサーチへの移行における摩擦を減少させるために永続的識別子(PID)をどのように使用できるか調査する複数年プログラムの一環として、2021年初頭に英・Jiscにより委託されたものです。

この報告書では、PIDの採用と使用の現在のレベル、それらがもたらした可能性のある利点、および実現されていない潜在的な利点に関する調査結果を示しています。コスト削減に関する計算の大部分については、広く使用されているPIDであるORCID IDとDOIに焦点を当てています。

報告書のエクゼクティブサマリとして、以下を含めた事項が挙げられています。

・現在の論文と人へのPID付与のレベルに基づくと、国のPIDコンソーシアムを設立することには、5年間で567万ポンドと推定されるコスト削減を含めた大きなメリットがある。これは、3年目までに67%、5年目までに85%というPID付与の目標を達成できた場合である。

島根大学附属図書館、利用者が目的の電子リソースに速やかにアクセスできるよう作成した「電子リソースリスト」をオープンソースで公開

2021年6月22日、島根大学附属図書館が、利用者が目的の電子リソース(電子ジャーナルの提供元サイト・学術情報データベース)に速やかにアクセスできるように作成した「電子リソースリスト」をCC0 1.0のライセンスのもとで公開しました。

公開ページでは、基本的な使い方(電子リソースリストとしての使い方)の解説がされています。ZIPファイルの中にあるindex.htmlファイルを修正することで、規則集やシラバス一覧等への応用も簡単にできるとしています。

「電子リソースリスト」をオープンソースで公開しました。(島根大学附属図書館のブログ,2021/6/22)
https://shimadai-lib.hatenablog.jp/entry/2021/06/22/140338

電子リソースリストについて(島根大学附属図書館)
https://app.lib.shimane-u.ac.jp/e-resource_list/

国立情報学研究所(NII)、目録所在情報サービス(NACSIS-CAT/ILL)の再構築開始を発表

2021年6月17日、国立情報学研究所(NII)が、目録所在情報サービス(NACSIS-CAT/ILL)の再構築開始を発表しています。

再構築は、「これからの学術情報システムの在り方について(2019)」を踏まえて行われるもので、大学図書館のシステムと連携し、デジタル化された学術資料(電子ジャーナル、電子ブック等)への対応を含む新たな図書館システム・ネットワーク構築の一環として実施されます。

2022年からの稼働開始が目指されてる電子リソース管理サービスでは、国内外の出版社・学会等から大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)に提出された電子リソース製品の利用条件やタイトルリスト等、共通性の高いデータを蓄積し、公開許諾が得られたデータについて利用可能にするとしています。システムには、電子リソースの管理プラットフォームとして世界で多数導入されているEx LibrisのAlmaが採用されます。

米・イェール大学図書館、同館所蔵の旧式のCD-ROMを利用できるエミュレーションビューワを公開:同大学の学生と研究者が利用可能

2021年4月28日、米・イェール大学図書館が、旧式のCD-ROMを現行のコンピュータシステムで利用できるようにしたエミュレーションビューワの公開を発表しています。同大学の学生と研究者は、当該CD-ROMの目録情報からのリンクをクリックすればコンテンツを利用できます。

同ビューワは、Andrew W. Mellon財団とAlfred P. Sloan財団の助成を受けた、同館のデジタル保存チームおよびソフトウェアへの長期アクセスのための団体Software Preservation Network等によるEaaSI(Emulation-as-a-Service Infrastructure) プログラムが提供しているもので、現在、同館が所蔵する5,000点以上のCD-ROMのうち約150点がアップロードされています。作業は現在も継続中ですが、全てのCD-ROMが利用できるようにするには約3年かかるとしています。

デジタルライブラリーの利用状況へのコロナ禍の影響:セルビアの公共図書館の事例(文献紹介)

オンラインジャーナル“Journal of Web Librarianship”において、2021年4月14日付で、論文“The Impact of the COVID-19 Pandemic on Digital Library Usage: A Public Library Case Study”が公開されました。

セルビア共和国・クニャジェヴァツの公共図書館“Njegos”のJelena Ćirića氏とベオグラード大学Vinča Institute of Nuclear SciencesのAleksandar Ćirić氏によるものです。

Abstractによると、コロナ禍でのロックダウン政策下で公共図書館が利用者に提供できた唯一のものがデジタルコンテンツであり、同館においても、デジタルコンテンツへのアクセスの改善や利用の促進に努めたとしています。本文献は、今後のサービス改善につなげるために行った同館のデジタルライブラリーへのアクセスの分析結果をまとめたものです。

韓国教育学術情報院(KERIS)、報告書『2020年大学図書館統計分析および教育・研究成果との関係分析』を公開

2021年4月7日、韓国教育学術情報院(KERIS)が、教育部と共同で、報告書『2020年大学図書館統計分析および教育・研究成果との関係分析』を公開したと発表しています。

KERISでは2009年から毎年、大学図書館の蔵書・利用・資料購入費等の現状調査を行っています。同報告書は、全国433大学を対象に2020年の現況調査を実施するとともに、最近10年間の変化を分析し、大学図書館の現況と教育・研究成果への影響の要因を調査したものです。

主要な分析結果として、

・学生1人当たりの年間購入冊数は10年間で大きな変化はないものの、学生1人当たりの貸出冊数は約50%減少している。減少の要因として、学生が電子書籍を利用するようになったことや、講義においても電子資料や動画といった資料が多く活用されるようになったことがある。

・学生1人当たりの資料購入費は10年間で大きな変化はなかったが、電子資料の購入費の平均額は50%増加し、電子資料購入費が大学の2020年度の資料購入費の約69%を占めている(2011年は49%)。

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