電子情報保存

E2314 - 電子情報の保存・管理の標準手法"Oxford Common File Layout"

2020年7月7日,リポジトリにおける電子情報の長期保存のためのファイルシステムの階層を標準化するための手法であるOxford Common File Layout(OCFL)のVersion 1.0が公開された。OCFLのウェブサイトには仕様を示した“OCFL Specification”と実装上の助言を示した“OCFL Implementation Notes”等が公開されている。

デジタル保存に関する研修のニーズ:英・電子情報保存連合(DPC)内での調査結果(記事紹介)

英・電子情報保存連合(DPC)による2020年10月8日付けのブログ記事で、DPCがメンバー向けに実施したデジタル保存に関する研修ニーズのアンケート調査について、結果の一部が紹介されています。なお、調査結果をまとめたレポートはメンバー限定の公開となっています。

記事によれば、今回の調査は年2回の頻度で実施されるメンバー向けの研修ニーズ調査の一環であり、2020年の晩春にアンケート送付が行われました。実施目的として、メンバーの増加・多様化を受けての研修ニーズに関する情報収集、研修拡大に当たっての優先順位の把握を挙げています。

回答数は108件であり、英国以外の国(10カ国)からの回答が46%と前回調査時(20%)から大幅増となったこと、52%が実務者(Practitioner)、42%が管理者(Manager)と回答したこと、デジタル保存に関する知識レベルについて63%が「中級」又は「上級」と回答したこと等が紹介されています。また、メンバーが研修に期待する主なメリット、興味がある研修テーマも調査対象となっており、回答結果の上位が示されています。

Open Preservation Foundation(OPF)、デジタル保存に関する調査結果を公開

2020年9月28日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、デジタル保存に関する調査結果を公開したことを発表しました。

同調査は、コミュニティのデジタル保存に対するアプローチを記録すること、デジタル保存のためのツール等に関する知識基盤を築くことを目的として実施されました。調査期間は2019年11月から2020年2月までであり、31か国98機関から回答が寄せられました。

報告書では、回答の内容について、人員、コレクション、デジタル保存に関する取組、デジタル保存の方針、費用、使用しているソフトウェア等の観点でまとめています。また、調査結果を踏まえ、今後OPFが焦点を当てる事項として、ツールや、方針策定、オープンソースに関する支援を挙げています。

発表によると、報告書の他、匿名化を行った調査結果の生データ、調査結果に関するウェビナーの動画が公開されています。

Open Preservation Foundation(OPF)にスウェーデン国立公文書館が加盟

2020年9月17日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、新たにスウェーデン国立公文書館(Swedish National Archives:SNA)が加盟したことを発表しました。

OPFの発表によれば、SNAはスウェーデン政府の公式アーカイブとして1970年代の初めからデジタル記録を保存しており、当時から継続的にデジタル保存手法の向上に取り組んでいます。欧州の公文書館と保存に関するイニシアチブを通じ協力を行っているほか、電子情報の長期保存のための“E-ARK”プロジェクトや、デジタル情報の長期保存・再利用等における相互運用性に関する仕様の維持を行う専門家グループ“DILCIS Board”、そして、ProtageやPREFORMAといった欧州におけるデジタル保存関連のプロジェクトに関わってきました。

米国議会図書館(LC)、長期保存のための推奨フォーマットのガイド“Recommended Formats Statement”の2020-2021年版を公開

米国議会図書館(LC)が、長期保存のための推奨フォーマットのガイド“Recommended Formats Statement”の2020-2021年版を公開しました。

イントロダクションによると、2019-2020年版の内容から、以下をはじめとした大幅な改訂が行われました。

・コンテンツ分類“Design and 3D”、“GIS, Geospatial and Non-GIS Cartographic”、“Musical Scores”の新規追加
・“Website”から“Web Archives”への変更等、一部コンテンツ分類名称の変更
・HTML版の表示をPDF版と同様のテーブル形式に変更
・コンテンツ分類の推奨フォーマット、許容範囲内のフォーマット基準の更新

Library of Congress Recommended Formats Statement - 2020-2021(LC)
https://www.loc.gov/preservation/resources/rfs/

英・Jisc、デジタルコンテンツ保存に関する多様なニーズに対応した新サービス“Preservation”の提供を開始

2020年9月8日、英国のJiscは、デジタルコンテンツ保存に関する多様なニーズに対応した新サービスとして“Preservation”の提供を発表しました。

Jiscは、デジタル保存システムの提供に実績のあるカナダのArtefactual社及び英国のPreservica社との共同設計により、SaaS型の共有プラットフォームサービスとして“Preservation”を開発しました。特別コレクション・電子記録管理・研究データ等、任意のデジタルコンテンツの保存に対応が可能で、これらのコンテンツについて様々な標準や法的義務を遵守しつつ、コンテンツへのアクセスの維持、再利用可能性の提供を実現できる、と説明しています。

Jiscは“Preservation”が提供する主な機能として、以下の4点を挙げています。

・任意のデジタルオブジェクトに関する特定のデータ・メタデータの取り込みと保存のために必要なアクションの同定、及びこれらの自動的な実行
・デジタルファイルのアーカイブ版の作成と作成されたアーカイブ版の長期保存への移行
・長期的な発見可能性と再利用可能性の維持に必要な場合には、将来の新たな技術による保存を実施
・保存コンテンツに関するアクセス可能な複製物作成等によって研究成果の普及を支援

オープンアクセス(OA)は長期保存を保証しない:インターネット上から消滅したOAジャーナルに関する調査(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2020年9月3日付で、オープンアクセス(OA)ジャーナルの現在のインターネット上における保存状況等の調査結果を報告した文献“Open is not forever: a study of vanished open access journals”が公開されています。

同文献は、フィンランドの情報システム研究者Mikael Laakso氏ら3人の共著により執筆されました。2020年8月27日付の初版(Version 1)公開後、二度の改訂を経たVersion 3が9月3日付で公開されています。

E2294 - フロッピーディスク保存の新デバイス「ポリーヌ」について

1970年代に登場したフロッピーディスク(FD)は,初期の8インチ,5.25インチそして21世紀まで活躍した3.5インチまで,デジタルデータの保存メディアとして広く使われてきた。だがこれらFDは,カセットテープなどと同じ磁気媒体で,経年劣化により近い将来データの読み込みが完全に不可能となる。筆者が理事長を務める特定非営利活動法人ゲーム保存協会は,日本のPCゲーム作品を歴史的文化資料として収集し,長期的にアーカイブする日本唯一の機関だが,1980年代の資料の多くはFDに記録されており,データのマイグレーションが喫緊の課題であった。

中国国家図書館、電子書籍サービスを手掛ける閲文集団と協力:国内2か所目の「インターネット情報戦略保存基地」を設立

中国国家図書館(NLC)の2020年8月31日付けニュースにおいて、NLCと電子書籍サービスを手掛ける閲文集団が戦略的協力の合意に達したことが紹介されています。NLCと閲文集団の共催イベントが同日開催され、その席上で正式に発表されました。

閲文集団を国内2か所目となる「インターネット情報戦略保存基地」とするほか、閲文集団のプラットフォーム上で発表された優れたインターネット文学作品100点がNLCで所蔵されます。以後、NLCと閲文集団は、資料保存、新技術の利用、閲覧サービスの革新等の分野で協力を進めるとしています。

NLCは、2019年4月22日付けニュースにおいて、国内初の「インターネット情報戦略保存基地」をポータルサイト「新浪網」やマイクロブログ「微博」(Weibo)を運営する新浪公司と協力して設立し、新浪網が配信するニュースや微博上で公開される投稿の保存を行う予定であることを発表していました。

米・Ithaka S+R、デジタル保存・キュレーションシステムの開発・展開・維持状況等に関する18か月の研究プロジェクトを開始

2020年8月19日、米国のIthaka S+Rは、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)による助成を活用して、デジタル保存・キュレーションシステムの開発・展開・維持状況等に関する18か月の研究プロジェクトを開始することを発表しました。

デジタル形式のリソース生産や共有の潮流が加速しているため、図書館等においてデジタルコンテンツのキュレーション・発見・長期管理を支えるプラットフォームへの依存度が高まっている一方で、これらのシステムやツールについては持続可能性に関する課題も指摘されています。Ithaka S+Rの研究プロジェクトでは、コミュニティベースで提供されるこうしたプラットフォーム事業の検証や、営利企業の製品における戦略との比較・検討などが行われます。また、デジタル保存・キュレーションを提供するシステムは、迅速性・包括性・多様なユーザーニーズとの間でバランスをとる必要があるという背景の下、包括性・アクセシブルの具体的な内容に関する検討も行われます。

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