電子情報保存

Open Preservation Foundation(OPF)、2019年の事業を振り返るレポート“End of Year Highlights 2019”を発表

2019年12月19日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)が、2019年にOPFが行った事業を振り返るレポート“End of Year Highlights 2019”を発表しました。

実施した事業として、文書ライフサイクル管理等に取り組む非営利団体DLM Forumとの覚書への署名、デジタル保存の現状に関するOPF加盟団体へのアンケート調査、OPFのデジタル保存用ツールのバージョンアップ等を挙げています。

その他、ファイルフォーマットやソフトウェア、コンピューティング環境に関する技術メタデータのレジストリ構築を目指す“Wikidata for Digital Preservation”など、OPFが参加しているデジタル保存関連のプロジェクトや、OPFのデジタル保存用ツールを強化・統合し単一のGUIを通じて利用できるようにするツール“JHOVE2020”の構築に取り組んでいること等への言及がなされています。

E2211 - 第16回電子情報保存に関する国際会議(iPRES2019)<報告>

2019年9月16日から20日までの5日間にわたり,第16回電子情報保存に関する国際会議(iPRES2019;E2085ほか参照)がオランダ・アムステルダムのアイ映画博物館(Eye Filmmuseum)で開催された。2004年に「中国・欧州電子情報保存ワークショップ」として始まったiPRESは,電子情報の保存に係る政策や具体的な事例の紹介,国際組織からNPO団体のような比較的小さな組織の活動まで,様々なトピックを幅広く扱っており,参加者の属性も,図書館員やアーキビスト,研究者のほか,大学関係者やシステム開発者など多様である。今回の会議の参加者は,開催国オランダをはじめ,欧州や北米を中心に400人以上を数えた。日本からの参加者は4人で,国立国会図書館からは筆者が参加した。

第16回電子情報保存に関する国際会議(iPRES2019)の発表論文集が公開される

デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、2019年12月12日付けのニュースにおいて、2019年9月にオランダ・アムステルダムで開催された第16回電子情報保存に関する国際会議(iPRES2019)の発表論文集が公開されたことを紹介しています。

発表論文集はiPRES2019のウェブサイトで公開されており、PDF形式及びEPUB形式でのダウンロードが可能となっています。また、iPRES2019に関する一連の資料は、非営利団体Center for Open Science(COS)が開発した研究プロジェクト管理システム“Open Science Framework”(OSF)上のページ“iPRES 2019 Conference”にまとめられています。

英・電子情報保存連合(DPC)に米国議会図書館(LC)が加盟

米国議会図書館(LC)による2019年12月10日付けのブログ記事で、同館が英・電子情報保存連合(DPC)にfull memberとして加盟したことが紹介されています。

記事中では、2018年10月、デジタル技術を活用したサービス強化を目指すデジタル戦略を策定・公表したこともあり、LCにとってデジタル保存への取組が優先事項となっていること等が述べられています。

The Library of Congress joins the Digital Preservation Coalition(LC, 2019/12/10)
https://blogs.loc.gov/thesignal/2019/12/the-library-of-congress-joins-the-digital-preservation-coalition/

カナダ研究図書館協会(CARL)、カナダの記憶機関におけるデジタル保存の現状とニーズについての調査レポートを公開

2019年11月29日、カナダ研究図書館協会(CARL)は、カナダの記憶機関におけるデジタル保存の現状とニーズについての調査レポート“Final Report of the Survey on Digital Preservation Capacity and Needs at Canadian Memory Institutions, 2017-2018”の英語版及びフランス語版の公開を発表しました。

カナダにおけるデジタル保存活動の現時点の見取り図を提供し、存在するギャップや顕著に見られるニーズを特定することを目的として、CARLのデジタル保存ワーキンググループが実施した調査の成果を報告するものです。

調査は二つのフェイズからなり、第一フェイズでは、2017年10月から12月にかけて、CARLに所属する29機関を対象として調査が行われました。その後、2018年12月から2019年1月にかけて調査結果のアップデートが行われています。第2フェイズでは、より広いカナダの記憶機関を対象として2018年8月から9月に調査が行われ、両フェイズ合計で52機関から完全な回答が寄せられました。今回、回答結果のデータセットもあわせて公開されています。

Open Preservation Foundation(OPF)、デジタルオブジェクトのファイルフォーマット識別ツールfidoバージョン1.4.0のリリース候補版を公開

2019年11月26日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、デジタルオブジェクトのファイルフォーマット識別ツールfido(Format Identification for Digital Objects)バージョン1.4.0のリリース候補版公開を発表しました。

fidoはOPFが開発するオープンソースのコマンドラインツールです。新しく公開されたバージョンでは、2020年1月のPython 2サポート終了に備えたPython 3への対応や拡張子の一致を無効化できる新しいコマンドラインオプションの追加、組み込みコンテナの処理時にフォーマットレジストリPRONOMがクラッシュする事象の修正など、新機能の追加とバグの修正が行われています。

OPFは公開されたリリース候補版へのフィードバックを求めています。

JPEG2000フォーマットの検証ツールJpylyzerのバージョン2がリリース

2019年11月20日、Jpylyzerのウェブサイトにおいて、バージョン2.0.0のリリースが発表されました。Jpylyzerは、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)が開発に携わるJPEG2000フォーマット検証ツールです。

バージョン2.0.0における主な変更点として、raw コードストリームの検証、NISO MIXフォーマットでの結果出力、コードストリーム内のマーカーセグメント5種類の検証が新たに可能になったこと等が紹介されています。

Jpylyzer 2.0.0 release(Jpylyzer, 2019/11/20)
https://jpylyzer.openpreservation.org/2019/11/20/Release-of-jpylyzer-2-0-0

E2200 - 組織内でデジタル保存の重要性を説明するためのガイド

2019年5月,ユネスコは,英・電子情報保存連合(DPC)と共同で作成したオンラインのガイド“Executive Guide on Digital Preservation”(以下「本ガイド」)を公開した。組織の意思決定者に対し,デジタル保存の重要性を分かりやすく示すための各種情報を提供するものである。デジタル保存に関しては,マイグレーション・エミュレーションのような技術的課題に注目が集まりがちだが,担当人員や予算の不足,コンテンツ管理体制の不備といった組織的課題もまた,デジタル保存の大きな障害となる。本ガイドは後者の課題に焦点を当て,意思決定者からの理解・支援の獲得を最終的な目的としている。以下,その概要を紹介する。

Open Preservation FoundationとDLM Forumが覚書に署名:デジタル保存における連携を強化

2019年11月18日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、文書ライフサイクル管理等に取り組む非営利団体DLM Forumとの覚書に署名したことを発表しました。

このことにより、長期的なアーカイブとデジタル保存における課題に対処するためのパートナーシップ構築が容易になったことが紹介されています。

Open Preservation Foundation and DLM Forum Sign Memorandum of Understanding(OPF, 2019/11/18)
https://openpreservation.org/news/open-preservation-foundation-and-dlm-forum-sign-memorandum-of-understanding/

ゲームで学ぶデジタル保存(記事紹介)

英・電子情報保存連合(DPC)の2019年11月4日付けブログ記事“Digital Preservation and Games”において、デジタル保存をテーマとしたゲームへの言及がなされています。筆者は米・マサチューセッツ工科大学図書館でデジタル保存のディレクターを務めるNance McGovern氏です。

2018年に米・ハーバード大学で開催された第15回電子情報保存に関する国際会議(iPRES2018)では、デジタル保存に関するゲームが体験できるゲームルームが初めて設けられました。McGovern氏は、そこで紹介されたボードゲーム“Save my Bits”、“Criteria Game”、“Preservia”とカードゲーム“Obsolescence”の計4種類が、iPRES2018の予稿集のウェブページ等からダウンロードできることが紹介するとともに、これらのゲームがデジタル保存の複雑さを知る上で有用であることや、ゲームの重要な要素である人を引き付けるストーリーテリングが、デジタル保存の効果的な説明に役立つ可能性を指摘しています。

ページ