電子ジャーナル

琉球大学、Elsevier社発行電子ジャーナルの契約をパッケージ契約から個別タイトルごとの契約へ変更:契約外タイトルの論文は「トランザクション形式」の利用へ変更

2021年2月12日、琉球大学附属図書館は、2021年4月からElsevier社が発行する電子ジャーナルについて、利用方法が変更されることを発表しました。

利用方法の変更は、琉球大学が同社の電子ジャーナル契約を、ほとんどのジャーナルを無制限に利用できるパッケージ契約から利用率の高い93タイトルのジャーナルのみ購読する個別契約へと切り替えたことによるものです。2021年4月以降、琉球大学の構成員は、購読契約外の同社の電子ジャーナルに掲載された論文について、「トランザクション形式」により、大学が前払いで購入した論文ダウンロード権の範囲内で利用することができます。

また、契約の変更に伴い、琉球大学の構成員はElsevier社の提供する文献管理ツールMendeleyの機関版が利用できなくなり、2021年4月以降、自動的に無料版へと切り替わります。

エルゼビア社の論文利用方法の変更について(琉球大学附属図書館,2021/2/12)
https://www.lib.u-ryukyu.ac.jp/?p=30980

cOAlition S、国際STM出版社協会の「権利保持戦略」に対する懸念表明へ反論

2021年2月3日付で、cOAlition SによるプランSの実施に関連した見解・インタビュー・方法等を紹介するブログ“sOApbox”に、cOAlition SのCoordinatorであるRobert Kiley氏とExecutive DirectorであるJohan Rooryck氏の連名の声明が掲載されています。

この声明は、同日付で国際STM出版社協会が発表したプランSの「権利保持戦略」に対する懸念表明について、同戦略に対する誤った認識に基づいたものであるとして反論する内容です。cOAlition Sは、国際STM出版社協会の懸念表明で示された点について、主に次のように説明しています。

・出版社版(Version of Record)論文の価値の低下に対する懸念が示されているが、プランSは論文処理費用(APC)・転換契約・転換雑誌等への支援を通して、出版社版論文のオープンアクセス(OA)化を積極的に進めている

・出版社が査読の管理に多大なリソースを割いている点は認識しており過小評価していないが、査読は研究コミュニティが自発的に行う営為である点には留意すべきである

・長年尊重されてきた学問の自由を損なっているという指摘は具体性を欠いており、そのようなことが実際に起こることはまず想定できない

文部科学省、ジャーナル問題検討部会(第9回)の議事録・配布資料を公開

文部科学省のウェブサイトにおいて、2020年12月22日にオンラインで開催された科学技術・学術審議会情報委員会ジャーナル問題検討部会(第9回)の議事録と配布資料が公開されています。

ジャーナル問題検討部会 議事録・配付資料(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu29/001/giji_list/index.htm
※第9回の議事録・配布資料も掲載されています。

参考:
文部科学省、ジャーナル問題検討部会(第8回)の議事録・配布資料を公開
Posted 2021年1月12日
https://current.ndl.go.jp/node/42957

オランダで刊行された学術雑誌にオープンアクセス(OA)出版を提供するプラットフォーム“openjournals.nl”が運用を開始:人文学・社会科学分野の7誌とともにスタート

2021年1月29日付のオランダ科学研究機構(NWO)のお知らせで、“openjournals.nl”の運用開始が発表されています。

openjournals.nlは、NWOとオランダ王立芸術科学アカデミー(KNAW)、オープンアクセス(OA)出版に取り組む非営利財団Open Access Publishing Services(OPuS)が共同構築したプラットフォームです。オランダで刊行された学術雑誌にOA出版の機会を提供するプラットフォームであり、特に研究成果の100%のOA化にしばしば困難が伴う人文学・社会科学分野の高品質の学術雑誌への支援が目的に掲げられ、運用開始時点では人文学・社会科学分野の7誌が参加しています。

openjournals.nlは、KNAW内の人文学部門からオープンソースの出版・投稿システムが提供され、論文著者に金銭的負担を負わせない「ダイヤモンドOA」モデルで運営しています。このような運営体制は、デンマークの“tidsskrift.dk”やフィンランドの“Journal.fi”といった先行の成功事例をモデルにしたことを説明しています。

Elsevier社、デンマークのコンソーシアムと転換契約を締結

2021年1月26日、Elsevier社は、デンマーク王立図書館(Det Kgl. Bibliotek)と、デンマークの研究者の継続的な購読とオープンアクセス出版(reading and open access (OA) publishing)を支援する4年間の転換契約に同意したことを発表しました。

デンマーク王立図書館が率いるデンマークのコンソーシアムが出版社と転換契約を締結するのは初めてであるとしています。この協定はデンマーク国内の8校の主要大学を含む30以上の機関が対象となっており、契約期間は2021年1月から2024年末までです。

英・JiscとSpringer Nature社、既存の“Read and publish”契約の対象に医学・科学関連学会のジャーナルコレクション“Academic Journals”を追加して2022年まで延長

2021年1月20日、英国のJiscとSpringer Nature社は、締結済のSpringerブランドのジャーナルに関する転換契約について、nature.comが提供する医学・科学関連学会のジャーナルコレクション“Academic Journals”のタイトルを対象に加えて契約期間を延長したことを発表しました。

2,200誌以上のSpringerブランドのジャーナルと38誌のAcademic Journalsのジャーナルを対象とした同契約は、2021年1月から2022年12月までを契約期間とし、英国の104大学が参加しています。2020年には同契約によって4,674件の論文がオープンアクセス(OA)となっており、対象タイトルの増加等によって、2021年には英国で助成を受けた研究成果物の出版や利用のさらなる増加が見込まれる、としています。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため休館していた韓国国立中央図書館(NLK)、2021年1月19日から開館:館外から一時的に利用可能としたオンラインDBの提供期間を延長

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年12月8日から休館していた韓国国立中央図書館(NLK)が、2021年1月19日から開館しています。

1日あたりの利用者数を制限し、先着順の予約制により開館しています。同館内に設置されている、障害者用閲覧室「障害者情報ヌリト」(国立障害者図書館)や北韓資料センター(統一部)、同館が所管する国立子ども青少年図書館も同様です。

文化体育観光部からの1月18日付の発表によると、同じく休館していた、ソウル特別市所在の文化体育観光部所管の博物館・美術館等の文化芸術施設も1月19日から再開しています。

また、1月13日、NLKは、2020年末まで館外から一時的に利用可能としたオンラインDBの提供期間を2021年6月まで延長したと発表しています。対象は、国内のDB3種類(DBpia、e-article、KOREASCHOLAR)、海外のDB4種類(Nature、SAGE Journals、SpringerLink、Taylor & Francis)です。東亜日報と朝鮮日報の新聞記事DBは2021年中は館外から利用できるように切り替えたとしています。

米国科学振興協会(AAAS)、Science誌及びその姉妹誌においてcOAlition Sの研究助成成果に当たる受理済論文にCC BYまたはCC BY-NDライセンスの付与を容認

2021年1月15日、米国科学振興協会(AAAS)は、オンラインニュース配信サイト“EurekAlert!”で、Science誌及びその姉妹誌の合計6誌において、オープンアクセス(OA)出版の条件が更新され、cOAlition Sから助成を受けた研究者は、受理済の論文にCC BYまたはCC BY-NDライセンスを付与できるようになったことを発表しました。

AAASはこのOA出版に関する新方針の背景として、Science Advances誌によりゴールドOAを進める一方で、他の5誌では長年に渡ってグリーンOAを支援してきたこと、ゴールドOAのみの促進では、過大な金銭的負担により、人種・ジェンダー・地域・分野・機関に関する研究者間の不平等が温存・助長される懸念を持っていることを挙げています。

この新方針は、2021年1月1日以降にScience誌及びその姉妹誌に投稿された論文のうち、プランSの「権利保持戦略」を採択済のcOAlition S加盟機関から助成を受けた研究成果に該当する論文に適用されます。

「プランS」の発効と研究成果物のオープンアクセス(OA)化を巡る最新の論点(記事紹介)

2021年1月1日付の米国科学振興協会(AAAS)のScience誌Vol. 371, Issue 6524掲載の記事として、“Open access takes flight”がオープンアクセス(OA)で公開されています。

同記事は、欧州を中心とした研究助成機関のコンソーシアムcOAlition Sのイニシアティブ「プランS」が、2021年1月に発効したことを受けたものです。プランSに対して、購読モデルを基盤とした学術出版の伝統を覆すためのOA運動の現れである一方で、地理的な広がりの停滞、財政的な持続可能性への疑義等の問題点も存在することを指摘しつつ、研究成果物のOA化を巡る最新の論点をテーマ別に解説しています。記事は主に以下のことを指摘しています。

・OAが被引用数に与える影響範囲は一部のスター論文に限られるという指摘がある一方で、ダウンロード数・ビュー数・ソーシャルメディア等における非学術的な言及にはOA論文が優位であるという指摘があり、この点でOAは学術論文の著者に恩恵を与える。また、学術雑誌には研究機関に所属しない読者も一定の割合で存在し、こうした読者層へ研究成果を届けやすいという点もOAが著者に与える恩恵と言える。

E2346 - 著作権とライセンスからみるオープンアクセスの現況

「著作権はオープンアクセスへの鍵を握る課題」。SPARC Europeは,2020年9月に公開した報告書“Open Access: An Analysis of Publisher Copyright and Licensing Policies in Europe, 2020”の序文で,こう述べている。本報告書は,出版社各社の著作権・出版権に係る規約やオープンライセンス方針が,どの程度オープンアクセス(OA)の推進を支援できているかという調査の結果を,関係者への提言とともにまとめたものである。2021年1月に発効したPlan S(CA1990参照)に留意しつつ,内容を概説する。

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