電子ジャーナル

韓国科学技術情報研究院(KISTI)、オープンアクセス(OA)に関する協力推進のため、韓国大学図書館連合会(KUCLA)・韓国専門図書館協議会(KSLA)と業務協約を締結

2021年7月22日、韓国科学技術情報研究院(KISTI)は、韓国大学図書館連合会(KUCLA)および韓国専門図書館協議会(KSLA)の両機関とオープンアクセス(OA)に関する協力推進のための協約を締結したと発表しています。

KUCLAは国内の学術誌購読料の約80%を支出する大学図書館コンソーシアムです。KSLAは研究所・公共機関・医療機関等の専門図書館による協議会で、KISTIが運営しているコンソーシアムKESLIに参加しています。

今回の締結は、大学・研究機関のOAポリシーの拡散や、3機関が所管・運用している電子情報コンソーシアムの購読型契約の転換契約への変更のために相互に協力することで、高価格で独占的な学術情報の利用環境を解消することを目的としています。

英・Jisc、米国科学アカデミー(NAS)と2年間の“Publish and Read”契約を締結

2021年7月7日、英・Jiscは、米国科学アカデミー(NAS)と“Publish and Read”契約を締結したことを発表しました。契約期間は2021年7月から2023年6月までの2年間となっており、NASにとって国レベルのコンソーシアムとの転換契約締結は初めてとなります。

参加機関に所属する英国の責任著者(corresponding authors)は、出版費用を負担することなく、『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)にオープンアクセス(OA)論文を掲載することができます。また、参加機関の研究者は、1915年までさかのぼるPNASの全コンテンツに無料でアクセスできるようになります。

発表には、PNASの発行人でありNASのexecutive directorでもあるKen Fulton氏のコメントも掲載されています。同氏は、この契約を通じ、英国の大学に属する研究者はPlan Sに準拠した方法によりPNASでOA出版を行うことが可能になったとしています。さらに、この契約でのデータを分析してOAのビジネスモデル検討を進めること、フルOA誌の“PNAS Nexus”を2022年に立ち上げる予定であることにも言及しています。

米・Ithaka S+R、学術誌のビッグディール契約のキャンセルが研究者にもたらす影響を調査した報告書を公開

2021年6月22日、米・Ithaka S+Rは、学術誌のビッグディール契約のキャンセルが研究者にもたらす影響を調査した報告書“What’s the Big Deal?: How Researchers Are Navigating Changes to Journal Access”を公開しました。

今回の調査は、ビッグディール契約に関する戦略的決定を行っている米国の大学図書館10館、ドイツの大学図書館1館との提携により進められました。ビッグディール契約のキャンセルによる影響を受ける可能性が高い89人の研究者にインタビューを行っており、報告書ではその結果や、ビッグディール契約のキャンセルに際し図書館が特に注意すべきポイント等が示されています。

Ithaka S+Rによる同日付けのブログ記事“New Report: What’s the Big Deal?: How Researchers Are Navigating Changes to Journal Access”でも、本報告書の紹介が行われています。注目すべき調査結果として、ビッグディール契約のキャンセルにより一連の学術誌が利用できなくなった場合でも、研究者への悪影響は短期的にはほぼ見られないということを挙げています。

米・SPARC、パブリックアクセスに関する条項を含む「米国イノベーション・競争法案」が米国連邦議会上院を通過したことを歓迎する声明を発表

2021年6月8日、米・SPARCは、同日に米国連邦議会上院を通過した「米国イノベーション・競争法案」(US Innovation and Competition Act)に関する声明を発表しています。

同法案の第2527条では、年間1億ドル以上の研究助成を行っている連邦政府機関に対し、連邦政府による助成を受けた研究成果を対象としたパブリックアクセスポリシーの策定を求めています。その要件には、「査読誌に掲載後12か月以内に、できればより早期の」オンライン上での無料公開、等も含まれています。

SPARCは科学論文へのエンバーゴ設定に反対の立場をとっていることから、今回の声明はエンバーゴの短縮を求める同法案第2527条への上院の支持を歓迎する内容となっています。なお、同法案の成立までには、今後下院での審議と大統領の署名を経る必要があります。

英・Information Power社、図書館と小規模出版社による転換契約等の締結に関する進捗状況を調査した報告書を公表:cOAlition Sと英国の学会・専門協会出版協会(ALPSP)からの委託による調査

2021年6月9日、英国の研究情報に関するコンサルタント会社Information Power社は、図書館及びコンソーシアムと小規模出版社間での、転換契約等のオープンアクセス(OA)出版に関する契約締結について、2020年から2021年にかけての進捗状況を調査した報告書を公開しました。cOAlition Sと英国の学会・専門協会出版協会(ALPSP)からの委託により実施された調査の成果です。

同調査は、学会系出版社による即時OAへ移行するための契約締結を支援するプロジェクト“Society Publishers Accelerating Open access and Plan S (SPA-OPS)”の成果(2019年秋公表)を受けて、同プロジェクトのフォローアップ調査プロジェクトとして取り組まれたものです。

発表では、報告書の内容に関し次のような点等に言及しています。

Elsevier社のアクセス制限がドイツの研究者の出版行動と引用行動に与えた影響(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2021年5月25日付で、ドイツ経済学中央図書館(ZBW)のNicholas Fraser氏らが共著で執筆した文献“No Deal: Investigating the Influence of Restricted Access to Elsevier Journals on German Researchers' Publishing and Citing Behaviours”が公開されています。

2014年にドイツでは、大手出版社とのナショナルライセンス契約を交渉するプロジェクトDEAL(Projekt DEAL)が設置されました。DEAL とElsevier社の交渉は2016年に開始されましたが、2018年に決裂しました。この結果、約200のドイツの研究機関がElsevier社との契約を取り止め、2018年7月以降これらの機関のElsevier社のジャーナルへのアクセスは制限されました。

アイルランドの高等教育機関のコンソーシアムIReL、英・オックスフォード大学出版局(OUP)と3年間のRead & Publish契約を締結

2021年5月18日、アイルランドの、公的資金に基づく高等教育機関による電子リソース契約のためのコンソーシアムIReLは、英・オックスフォード大学出版局(OUP)と3年間のRead & Publish契約に合意したことを発表しました。契約期間は2021年1月1日から2023年12月31日までです。

この契約によって、参加機関は、OUPが刊行する340以上のタイトルにアクセスすることが可能となります。また、機関の著者は、個別の支払いなしにOUPのオープンアクセスジャーナルおよびハイブリッドジャーナルで、研究をオープンアクセスで出版することが可能となります。

Oxford University Press and IReL agree Read & Publish deal(IReL, 2021/5/18)
https://irel.ie/oxford-university-press-and-irel-agree-read-publish-deal/

Project MUSE、オープンアクセス購読モデルの研究のための助成をメロン財団より獲得

2021年5月24日、人文・社会科学系の電子資料提供サービスProject MUSEは、アンドリュー W.メロン財団から75,000米ドルの助成を獲得したことを発表しました。この助成プロジェクトのタイトルは“MUSE Open: S2O”であり、人文学および社会学におけるオープンジャーナル出版への財政的に持続可能なアプローチの開発に焦点を当てます。

オープンアクセス出版は多くの場合、論文掲載料(Article Processing Charge; APC)に依存しています。資金が不足している人文社会学分野ではうまく機能しておらず、著者の持続可能性と公平性に懸念が生じています。著者支払いモデルに代わって、Subscribe to Open(S2O)は現在の購読者にインセンティブを与えることで、オープンアクセス出版を支援します。このプロジェクトは、図書館、出版者、社会、研究者、助成機関が受容できるジャーナルの持続可能で公平なモデルを設計することを目的として挙げています。

英国国立・大学図書館協会(SCONUL)と英・Jisc、学術誌購読契約の評価のためのダッシュボード・サービス“Unsub”のSCONUL所属機関の利用に関しOur Research社と契約

2021年5月17日、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)と英・Jiscは、学術誌購読契約評価のためのダッシュボード・サービス“Unsub”利用に関するナショナルサイトライセンスを、同サービスを開発したOur Research社と締結した発表しました。

“Unsub”は現在、英国ではケンブリッジ大学とランカスター大学で個別に使用されていますが、今回の締結により、SCONUL所属機関も“Unsub”を使用できるようになります。

また、今回の締結により、SCONUL所属機関とJiscの間で交渉シナリオ(タイトル選択のシナリオ)を双方向で共有する機能が開発・提供される予定です。同機能では、Jiscによるコンソーシアムレベルでの交渉シナリオが各館アカウント宛に通知され、各館では送られてきたシナリオを各館のデータでフィルタリングし、各館での影響を分析・評価することができます。また、各館で修正したシナリオをダッシュボードに送る機能もあり、そのことで、Jiscはコンソーシアム全体の修正内容を分析・評価することが可能であり、Jiscによるコンソーシアムの運営や契約交渉を支援するものになると紹介されています。

Taylor & Francisグループ、スイス学術図書館コンソーシアムと転換契約を締結

2021年5月4日、Taylor & Francisグループは、スイス学術図書館コンソーシアム(Consortium of Swiss Academic Libraries:CSAL)と3年間の転換契約を締結したことを発表しました。

CSALの26機関の研究者は、所属機関による論文処理費用(APC)負担の下で、同グループの大部分の“Open Select”(ハイブリッド)誌及び全ての完全ゴールドOA誌での出版が可能となります。また、同グループのジャーナル・ポートフォリオ全体へのアクセスも可能となります。

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