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カナダ研究図書館協会(CARL)、カナダ国立図書館・文書館(LAC)との冊子体資料の共同管理に関するプロジェクトの最終報告書を公表:共同管理ネットワーク設立を成功させるための13の提言

2020年9月15日、カナダ研究図書館協会(CARL)は、カナダ国立図書館・文書館(LAC)との冊子体資料の共同管理に関するプロジェクトの最終報告書“Final Report of the Canadian Collective Print Strategy Working Group”を公表しました。

2018年7月に立ち上げられた、大学・公共・政府の図書館および冊子体の共同管理プログラムを実施している地域コンソーシアムの代表14人からなるCanadian Collective Print Strategy Working Groupが実施した、北米の既存の共同管理事業や国内の保存書庫の調査や、26の参加館による冊子体の政府刊行物を対象とした試験的な重複調査の結果に基づくものです。

同報告書は、カナダの全国規模での冊子体の共同管理ネットワーク設立を成功させるための13の提言を行っており、そのなかでは、プレーリー・太平洋大学図書館協議会(COPPUL)が同ネットワークの管理者となることを求めています。

また、図書館やコンソーシアムとの協議において、そのようなネットワークへの参加への関心や熱意が非常に高いことから、2021年初頭までに運営委員会が設置されることを期待するとしています。

日本学術会議、提言「社会的モニタリングとアーカイブ―復興過程の検証と再帰的ガバナンス―」を公開

2020年9月14日、日本学術会議が、提言「社会的モニタリングとアーカイブ―復興過程の検証と再帰的ガバナンス―」を公開しました。

同提言は、日本学術会議社会学委員会東日本大震災後の社会的モニタリングと復興の課題検討分科会の審議結果を取りまとめたものです。

要旨では、復興政策の評価や利害関係者の声を継続的に拾う観察や評価等を含む「社会的モニタリング」と、その結果を体系的に蓄積するアーカイブの構築が、東日本大震災の復興政策の制度設計において重要な役割を果たすと述べられています。

また、地域住民の防災と災害対応能力向上のためには、資料・データの維持・活用も視野に入れた総合的なアーカイブの整備が不可欠であるということ等が挙げられています。

日本学術会議
http://www.scj.go.jp/
※新着情報(提言・報告等)の欄に、2020年9月14日付けで「提言「社会的モニタリングとアーカイブ―復興過程の検証と再帰的ガバナンス―」」が公開されています。

松竹大谷図書館、クラウドファンディングプロジェクト第9弾「演劇史を紐解く、歌舞伎座の絵本番付と筋書を後世へ。」を開始

2020年9月8日、松竹大谷図書館が、クラウドファンディングプロジェクト第9弾「演劇史を紐解く、歌舞伎座の絵本番付と筋書を後世へ。」を開始しました。

発表によると、同プロジェクトは、図書館運営費および戦前の歌舞伎座の絵本番付と筋書のデジタル化と保存を目的としており、東京歌舞伎座の戦前までの劇場プログラムのデジタル撮影とアーカイブ構築が行われます。

撮影されたデジタル画像については、同館の「芝居番付検索閲覧システム」に統合し、公開可能なものについてはオンライン公開するとされています。

募集期間は9月8日から10月28日までで、目標金額は250万円(同館の2020年度運営資金150万円、「絵本番付・筋書」のデジタル化・保存容器費用100万円)です。

ネットを通じて当館への支援募集を開始いたしました(松竹大谷図書館, 2020/9/8)
https://www.shochiku.co.jp/shochiku-otani-toshokan/news/200908.html

日本学術会議、報告「日本学術会議資料の保存・管理と公開に向けて」を公開

2020年9月8日、日本学術会議が、報告「日本学術会議資料の保存・管理と公開に向けて」を公開しました。

同報告書は、日本学術会議史学委員会歴史資料の保存・管理と公開に関する分科会での審議結果を踏まえて同分科会において取りまとめられたものです。

2019年10月から11月にかけて開催された、日本学術会議設立70周年の記念展示「日本学術会議の設立と組織の変遷—地下書庫アーカイブズの世界—」に関して、展示の企画・提案までの経緯等についてまとめられています。

日本学術会議
http://www.scj.go.jp/index.html
※新着情報(提言・報告等)の欄に、2020年9月8日付で「報告「日本学術会議資料の保存・管理と公開に向けて」」が公開されています。

プライドハウス東京、「LGBTQコミュニティ・アーカイブ」プロジェクトを立ち上げ

2020年8月21日、プライドハウス東京「文化・歴史・アーカイブ」チームが、日本のLGBTQなどのセクシャル・マイノリティのコミュニティに関するプロジェクト「LGBTQコミュニティ・アーカイブ」を立ち上げることを発表しました。

プライドハウス東京は、セクシャル・マイノリティに関する情報発信や多様性に関するイベントの開催等を行っています。同プロジェクトでは、日本のセクシャル・マイノリティのコミュニティによる活動や文化の記録を収集・保存・共有するコミュニティ・アーカイブの構築が行われます。

8月21日から11月18日にかけて、資料関係費や保管整備費等のアーカイブ初期収集体制整備の資金調達、LGBTQコミュニティへの協働の呼びかけを目的としたクラウドファンディングが実施されています。

OCLC、北米の研究図書館センター(CRL)と共に実施した冊子体雑誌の共同保存の促進等に関する2年間のプロジェクト“The Shared Print Data Infrastructure project”を完了

2020年8月13日、OCLCは、アンドリュー W.メロン財団の助成により、2018年7月1日から2020年6月30日まで北米の研究図書館センター(CRL)と共同して取り組んだプロジェクト“The Shared Print Data Infrastructure project”が完了したことを発表しました。

OCLCは2年間の共同プロジェクトを通して、WorldCatのデータベースへの冊子体雑誌所蔵の登録に対する支援の展開、共同管理中のデータの発見環境の改善、CRLが管理する冊子体雑誌の共同保存に関するデータベース“Print Archives Preservation Registry”(PAPR)の機能拡張などが達成されたことを報告しています。

同プロジェクトにおいて、OCLCとCRLは登録のワークフローの簡素化・機能強化のために協力し、WorldCatにわずかな手順で数千件の雑誌の所蔵を効率的に一括登録することなどが可能になりました。また、WorldCat上の雑誌の所蔵データが自動的にPAPRへ同期され、共同管理中データへの包括的なアクセスを提供するOCLCのメタデータAPIにより雑誌のデータを発見することも可能になっています。

文化庁、2020年度の「メディア芸術アーカイブ推進支援事業」の採択結果を公開

文化庁が2020年度の「メディア芸術アーカイブ推進支援事業」の採択結果を公開していました。

23件の応募があり、

・一般財団法人大阪国際児童文学振興財団の「明治、大正、昭和初期の子ども向け雑誌のデジタル化」(支援予定額:330万円)
・特定非営利活動法人ゲーム保存協会の「国内レトロ PC ゲーム データベース情報入力」(支援予定額:416万円)
・森ビル株式会社の「日本特撮アーカイブ」(支援予定額:493万円)
・公益社団法人日本漫画家協会の「日本漫画家協会所蔵本及び資料の調査整理・デジタル化事業」(支援予定額:234万円)
・一般社団法人日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアムの「アニメ脚本と脚本家のデータベース構築」(支援予定額:352万円)

など、15件が採択されています。

カナダ保存研究所、新型コロナウイルス感染症流行時における遺産コレクションの取り扱いに関するガイドの第2版を公開

2020年7月24日、カナダ保存研究所(Canadian Conservation Institute;CCI)は、新型コロナウイルス感染症流行時における遺産コレクションの取り扱いに関するガイド“Caring for Heritage Collections During the COVID-19 Pandemic”の第2版を公開しました。

CCIのCOVID-19タスクフォースが作成したものであり、初版は2020年4月17日に公開されました。コレクションの保全に責任を負う人々にとって役立つ情報と推奨事項をまとめた内容となっており、「COVID-19ウイルスによるコレクション資料の汚染」「コレクションスペースの消毒」「施設の閉鎖への対応」「安全な再開館」といった章が含まれています。

ジョージ・イーストマン博物館(米国)、フィルム撮影された映画23タイトルをデジタル化しオンライン公開

米国CBS系列の放送局WROC-TVの公式ウェブサイト“RochesterFirst.com”の2020年7月28日付けニュースとして、ニューヨーク州ロチェスターに所在するジョージ・イーストマン博物館(George Eastman Museum)が、フィルム撮影された映画23タイトルをデジタル化しオンライン公開したことが報じられています。

同館がデジタル化した映画はウェブサイト上で自由に視聴することが可能で、ほとんどの作品について内容の紹介文が付されています。公開された作品には、20世紀前半の映画製作者で『風と共に去りぬ(Gone with the Wind)』等に携わったセルズニック(David O. Selznick)の作品のスクリーンテストや、世界的な写真用品等のメーカーでロチェスターに本拠を置くイーストマン・コダック社に関する映画“Highlights and Shadows”などが含まれています。

同館は、このフィルム撮影された映画のオンライン公開事業について、2010年に50タイトル以上の公開を行ったものの、事情により終了したウェブサイトを引き継いだ新プロジェクトとして実施していることや、保存されたフィルムのみをデジタル化公開することで同館の保存事業のショーケースの役割を担っていることなどを説明しています。

国際図書館連盟(IFLA)、会長・事務局長名でレバノン・ベイルートの図書館等への支援に関する声明を発表

2020年8月11日、国際図書館連盟(IFLA)は、8月4日にレバノン・ベイルートで起きた大規模な爆発によりベイルートに多大な被害が発生していることを受け、会長・事務局長名で、ベイルートの図書館等への支援に関する声明を発表しました。

声明では、人道的対応や負傷者・避難民へのケア、爆発の影響を受けた人々への支援は急務であるとしつつ、レバノン国立図書館やベイルートの公共図書館、その他の文化機関や文化遺産にも被害が発生していること、人々が困難な状況においてコミュニティを再建し普段の生活を取り戻す上で重要な役割を担う、図書館が受けた被害の調査もまた急務であることを述べています。

IFLAは、レバノンの加盟機関やユネスコやブルーシールド等とも連携しつつ支援を行うとし、優先的に取り組む事項として、ベイルートの図書館及びスタッフへの復興に向けた支援と、そのコレクションの保全を挙げています。

Statement by the IFLA President and Secretary General: IFLA Stands with Beirut(IFLA, 2020/8/11)
https://www.ifla.org/node/93240

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