資料保存

韓国国立中央図書館(NLK)、資料の保存と共有に関し、複合文化施設「芸術の殿堂」と業務協約を締結

2020年5月27日、韓国国立中央図書館(NLK)、資料の保存と共有に関し、複合文化施設である「芸術の殿堂」と業務協約を締結したと発表しています。

協約の内容として、資料の収集・保存のための寄贈・寄託、資料の保存・活用のためのデジタル化及び共同活用に関する協力、資料の整理及びサービスの標準化のための技術情報に関する交流、資料の共有及びサービス活性化のための広報などの連携事業での協力、があげられています。

NLKでは、芸術の殿堂が所蔵している展示図録、ポスター、公演ガイド、録音資料といった5万8,000点の原資料のうち、破損の恐れが高いものや活用性の高い資料を優先的にデジタル化の支援を行う予定です。デジタル化資料は図書館のウェブサイトを通じて公開するともに、芸術の殿堂にも提供されます。また両機関では、芸術資料の管理のための技術や文化芸術コンテンツの開発に関してもお互いの経験を共有し協力する計画です。

国際公文書館会議(ICA)、新型コロナウイルス感染症流行下における意思決定の文書化等を求める声明を公表

2020年5月4日、国際公文書館会議(ICA)は、声明「COVID-19:文書化の義務は危機において停止するものではなく、より一層重要になる」を公表しました。

この声明は、ICAと情報コミッショナー国際会議(International Conference of Information Commissioners、ICIC)が作成したものであり、研究マネジメント専門職ネットワーク(ARMA International)、科学技術データ委員会(CODATA)、電子情報保存連合(DPC)、研究データ同盟(RDA)、 ユネスコの「世界の記憶」プログラム、世界科学データシステム(WDS)より支持を得ています。

この声明は、世界中の政府、企業、および研究機関に、現在および将来の意思決定等を文書化することを求めています。特に、「意志決定は記録されなければならない」、「全てのセクターにおいて記録とデータは保護・保存されるべきである」、「シャットダウンしている間でも、デジタルコンテンツのセキュリティ、保存、アクセスは促進されるべきである」と呼び掛けています。

浦幌町立博物館(北海道)、新型コロナウイルス感染症に関する資料を収集中:臨時休館ポスターやテイクアウト・タイムセール自粛・窓口時間短縮のお知らせ等

北海道の浦幌町立博物館が、新型コロナウイルス感染症に関する資料を収集しています。

同館の発行する『浦幌町立博物館だより』令和2(2020年)5月号によると、新型コロナウイルス感染症に対応する地域の様子(世相)を記録することが目的で、各施設の臨時休館ポスターやテイクアウトの呼びかけ・スーパーのタイムセール自粛・郵便局の窓口時間短縮のお知らせといったポスター・チラシ・文書類が収集されているとのことです。

『浦幌町立博物館だより』令和2(2020年)5月号 [PDF:1ページ]
http://www.urahoro.jp/chosya_shisetsu/kokyoriyo/museum/files/dayori202005.pdf

米・国立保存技術及び訓練センター(NCPTT)、文化資源の消毒について解説する動画“Covid-19 Basics: Disinfecting Cultural Resources”を公開

2020年3月25日、米・国立公園局の国立保存技術及び訓練センター(National Center for Preservation Technology and Training:NCPTT)が同センターのブログで、文化資源の消毒について解説する動画“Covid-19 Basics: Disinfecting Cultural Resources”を公開しています。文字起こしも掲載されています。

3月22日に、同センターの保存科学者シュトリーゲル(Mary Striegel)氏がFacebook liveで行なった解説を録画したもので、新型コロナウイルスについて、表面上の生存期間、ウイルスの不活性化方法、歴史的な資料での対応方法、必要な安全対策について説明しています。

歴史的な資料での対応方法として、まず隔離と消毒をあげ、歴史的資料はある種の消毒により不可逆的な影響が考えられることから、博物館の資料については隔離が好ましいとして、可能な場合、ファスナー付きの袋に入れて、一定期間(9日間)隔離することが述べられています。

米・ノースイースト文書保存修復センター(NEDCC)、書籍等の消毒に関するアドバイスを公表

米・ノースイースト文書保存修復センター(NEDCC)が、書籍等の消毒に関するアドバイス“Disinfecting Books and Other Collections”を公表しています(2020年3月26日最終更新)。

新型コロナウイルスに関する医学界・科学界からの最新成果に基づくもので、職員や利用者が利用した後のコレクションの消毒のための安全で最も効果的な方法として、72時間の隔離(検疫)を推奨しています。

また、職員の安全確保のために、隔離(検疫)する場所に資料を移動させる際には手袋を着用し、ドアの取っ手等を誤って触らないために、作業したら直ちに手袋を外す事を求めています。手袋を外した後、疾病予防管理センター(CDC)のガイドラインに従い職員は手を20秒洗う必要があります。

専用の隔離(検疫)場所を用意できない場合、隔離期間中に職員が誤って触らないように、24時間から72時間の間、袋の中に入れておくことでも良いとしています。

保存修復師の指導を受けていない場合、アーカイブ資料・博物館資料といったコレクションは消毒しないこと、また、消毒液の利用や紫外線照射は図書館や文書館の資料にとって害があるので推奨できないことも指摘しています。

文化庁、事務連絡「文化財所有者及び文化財保存展示施設設置者におけるウイルス除去・消毒作業に係る対応について」を発出

2020年4月23日付で、文化庁が、各都道府県・指定都市文化財行政主管部課長等宛の文化資源活用課長名の事務連絡「文化財所有者及び文化財保存展示施設設置者におけるウイルス除去・消毒作業に係る対応について」を発出しています。

技術的な相談窓口となっている東京文化財研究所(保存科学研究センター)のウェブサイトに掲載された事務文書によると、公開再開後等の対応でウイルス除去・消毒作業が必要になった際、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するために重要であるものの、消毒用の薬剤を文化財に直接散布すると文化財の劣化を引き起こすおそれがあるなど、文化財の保存の観点から注意が必要な場合があり、適切な対応が求められることから、文化財が所在する場所において消毒作業等の必要が生じ、専門的な助言等が必要な場合には、事前に文化庁の担当へ相談するよう求めています。

NHK、図書館の水害対策に関する調査結果を公開

2020年4月16日、NHKは、全国の都道府県立図書館を対象に実施した水害対策に関するアンケートの調査結果を報じています。

同調査は2020年3月に47館の都道府県立図書館に対して行われ、すべての館が回答しています。報道では、約6割に当たる29館で水害対策が行われておらず、そのうち27館では対応の必要性を感じているという現状について指摘されています。

そのほか、主な回答結果として、実際に行われている水害対策の内容、対策を実施できていない理由、必要だと感じている対策、他の図書館や関係機関との連携体制の整備状況等が掲載されています。

図書館の水害対策 「行っていない」が6割 NHK調査(NHK NEWS WEB, 2020/4/16)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200416/k10012389481000.html

郡山市(福島県)、横浜市立大学と「こおりやま文学の森資料館所蔵フィルム修復」に係る協定を締結:久米正雄が撮影したフィルム

2020年4月15日、福島県の郡山市と横浜市立大学が、同市の「こおりやま文学の森資料館所蔵フィルム修復」に係る協定を締結しました。フィルムの修復及びその成果に基づき文化・芸術の振興を図ることを目的としています。

修復対象は、同市内で6歳から高校卒業までを過ごした久米正雄により撮影され、「こおりやま文学の森資料館」が所蔵する映像フィルムです。

フィルムの一部は、固着・劣化によりその全容を確認することができない状態であるものの、部分的に確認できる範囲では、久米と同時代の作家・田山花袋等が映っていることから、希少性の高い貴重な資料であることが想定され修復することになったとしています。

地元紙の報道によると、同大国際教養学部の庄司達也教授の協力により、2020年度は修復可能性を調査し、その結果を踏まえて修復方法を検討していくとのことです。

文化庁、令和2年度のメディア芸術アーカイブ推進支援事業の募集要項を発表

メディア芸術に関する情報を掲載する文化庁のウェブサイト「メディア芸術カレントコンテンツ」の2020年4月9日付け記事に、「令和2年度文化芸術振興費補助金メディア芸術アーカイブ推進支援事業」の補助対象となる団体の募集に関するお知らせが掲載されています。

文化庁が実施する同事業は、国内の優れたメディア芸術作品や、散逸・劣化の危険性が高いメディア芸術作品の保存・活用・公開等を支援することで、日本のメディア芸術の振興に資することを目的としています。対象となる「メディア芸術」は、デジタル技術を用いて作られたアート、アニメーション・特撮、マンガ、ゲームが該当します。

募集案内では、事業の提案例としてメディア芸術関連資料のデジタルアーカイブ化の取り組みを挙げています。また、事業で整備された目録情報などのメタデータ等は、メディア芸術データベースへの登録が予定されています。

令和2年度文化芸術振興費補助金メディア芸術アーカイブ推進支援事業について(メディア芸術カレントコンテンツ, 2020/4/9)
https://mediag.bunka.go.jp/article/article-16170/

ブルーシールドオーストラリア(BSA)、新型コロナウイルス感染拡大防止のための休館期間中でもGLAM機関のコレクションを安定的に保存するためのガイドを公開

2020年3月29日、ブルーシールドオーストラリア(BSA)が、新型コロナウイルスの感染拡大をうけて休館する、図書館・博物館・公文書館といったGLAM機関における資料保存に関するガイド“Closed by COVID-19? A Practice Guide for managers of heritage collections that are closed at short notice because of an epidemic or pandemic”を公開しました。

感染拡大防止のための休館により、環境(換気の制限・害虫の侵入)、セキュリティ(侵入者や破壊者)、職員の健康・安全といった状況が変化し、職員による状態確認の頻度も落ちるという資料保存上のリスクが発生することから、緊急状況下においてもコレクションが放置されることなく安定的な環境で保存できるようにするために取り組むべき作業を提案するものです。

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