資料保存

米国議会図書館(LC)、長期保存のための推奨フォーマットのガイド“Recommended Formats Statement”の2020-2021年版草案へのパブリックコメントを実施中

米国議会図書館(LC)が、長期保存のための推奨フォーマットのガイド“Recommended Formats Statement”の2020-2021年版の草案を公開し、2020年8月15日までパブリックコメントを実施しています。

同ガイドは、2014年に初版が公開されて以来、毎年1回更新されています。2020-2021年版については、コンテンツ分類への新規追加と名称の見直し、HTML版表示形式のテーブル形式への変更、複数のコンテンツ分類における推奨フォーマット・許容範囲内のフォーマット基準の更新など、2019-2020年版の内容から大幅改訂することが予定されています。

Library of Congress Recommended Formats Statement - 2020-2021 Draft for Public Comment(LC)
https://www.loc.gov/preservation/resources/rfs/index-rev.html

スコットランド国立図書館(NLS)で44年間資料の保存・修復等を担当した図書館員が引退(記事紹介)

スコットランドの日刊紙“Scotsman”に、2020年6月13日付で、スコットランド国立図書館(NLS)で44年間資料の保存・修復等を担当し、新型コロナウイルス感染症によるロックダウン中に60歳で同館を退職した図書館員Gordon Yeoman氏を採りあげた記事が掲載されています。

Yeoman氏は1976年からNLS所属の製本担当として、後には展示資料等の保存修復担当として、数千冊以上の同館資料の保存修復に携わりました。同氏は在職中に『グーテンベルク聖書』やスコットランド女王メアリーが最後にしたためた書簡など、数多くの貴重資料を取り扱っていますが、扱う資料の価値が100万ポンドでも1ポンドでも常に同じように最善の仕事を行うことを目指していたので、資料の貴重さが重圧になることはなかった、と記事の中で答えています。

記事の中では、最も印象深い仕事が2009年の展覧会に向けた18世紀の詩人ロバート・バーンズ(Robert Burns)の詩集原本の修復であること、貴重資料を伴う移動時にはジェームズ・ボンドのようなスパイ並のセキュリティが必要で、飛行機による移動の場合には資料専用のビジネスクラスの席を用意していたこと、など同氏のNLS在職中のエピソードが紹介されています。

文化財防災ネットワーク、「文化財防災マニュアル」シリーズの第3弾として、動画「被災自然史標本の処置例と減災対策」を公開

2020年6月15日、文化財防災ネットワークが、動画「被災自然史標本の処置例と減災対策」をYouTubeに公開しました。

「文化財防災マニュアル」シリーズの第3弾として、専門家の監修のもと制作されたもので、動画にあわせて制作した小冊子(ハンドブック)のPDF版も公開されています。

お知らせ(文化財防災ネットワーク)
https://ch-drm.nich.go.jp/news/
※2020年06月15日欄に「文化財防災マニュアル「被災自然史標本の処置例と減災対策」をYouTubeに公開しました」とあります。

国立大学図書館協会、「シェアード・プリントWG報告書」を公表

2020年6月11日、国立大学図書館協会(JANUL)の学術資料整備委員会シェアード・プリントWGは、「シェアード・プリントWG報告書」の公表について発表しています。

2014年度から2018年度にかけて、JANUL東海北陸地区に設置された大学間学術資源活用事業のシェアード・プリントWG及び地区共同保存書庫WGによる検討事項を中心に、新たな調査結果を加えてまとめたものであり、「第I章 .はじめに」「第II章.シェアード・プリント」「第III章.分担保存」「IV章.共同保存書庫」「第V章.まとめ」の5章構成となっています。

報告書の目的として、日本の大学図書館における印刷体資料の共同保存・共同管理について現状把握とその実施に係る具体的課題の整理、印刷体と電子リソースの特性を考慮した蔵書構築の規範となるモデルなど4点についての検討実施を挙げています。

「シェアード・プリントWG報告書」(学術資料整備委員会シェアード・プリントWG)を公表しました(JANUL)
https://www.janul.jp/ja/news/20200611

E2267 - 英国図書館が進める音声記録の保存事業

英国図書館(BL)では2015年に,録音資料の保存のために我々に残されているのはあと15年ほどである,という報告がなされた(E1753参照)。それを受けて同館では音声記録の保存プロジェクト“Save our Sounds”を発足し,その一環として,“Unlocking Our Sound Heritage”(UOSH)を2017年から開始した。UOSHの目的は,記録媒体の物理的劣化や旧式化により再生できなくなるおそれがある音声記録50万点を保存することである。BLが地域のハブ機関である国内10機関と連携して希少なコレクションをデジタル化・目録化し,その音源を誰もが自由に聴くことができるウェブサイトを開設する計画である。対象となる音源は録音の歴史が始まった1880年代からの多彩な音声記録であり,媒体はろう管,アナログレコード,オープンリール,カセットテープ等幅広い。なお,この事業は国営宝くじ文化遺産基金(The National Lottery Heritage Fund)からの助成金930万ポンドや,慈善団体や個人からの寄附を受けて運営されている。

イスラエル国立図書館(NLI)、同館所蔵の2,500点を超すイスラム写本等を高精細画像でデジタル化公開すると発表

2020年6月8日、イスラエル国立図書館(NLI)が、Arcadia基金からの助成金を受け、同館所蔵の2,500点を超すイスラム写本等をデジタル化して公開すると発表しました。完成は3年後を予定しています。

同プロジェクトでは、資料の高精細画像でのデジタル化、アラビア語と英語による解説の改良、英語・ヘブライ語・アラビア語でのプラットフォームの設計開発が行われます。また、作業の前段階として、同館の資料保存の専門家が全資料を調査し、物理的な状態に問題があると確認された資料については、保存・保全措置がとられます。

National Library of Islael
https://web.nli.org.il/sites/NLI/English/Pages/default.aspx
※「Over 2,500 Rare Islamic Books and Manuscripts Going Online NLI|08.06.20」とあります。

公益財団法人冷泉家時雨亭文庫、台風被害を受けた江戸時代の資料を収めるプレハブ倉庫に代わる土蔵建設のためのクラウドファンディングを実施中

2020年6月9日、公益財団法人冷泉家時雨亭文庫が、台風被害を受けた江戸時代の資料を収めるプレハブ倉庫に代わる土蔵建設のためのクラウドファンディング「800年にわたる和歌の家・冷泉家に文化財を保存する土蔵を造りたい」を実施しています。

藤原定家の子孫である冷泉家伝来の典籍および古文書類の保存及び活用を図る事等を目的に設立された公益財団法人冷泉家時雨亭文庫では、計8棟の蔵のうち3棟が崩れたためにプレハブ倉庫を3棟設け保管してきたところ、2018年の台風で屋根が飛び、江戸時代の膨大な資料が一時雨ざらしの状態となりました。

現在は他の蔵に収納したり、他に分散して預けたりしている状況で、今回、資料保存のため、京都御所や同志社大学といった周辺環境との調和や保存環境の観点からしっくい塗りの土壁の蔵を建設することとなり、クラウドファンディングで調達される資金は、約2億円の建設費のうち、蔵の中に設ける棚の整備のために用いられます。

このクラウドファンディングは、株式会社京都新聞社と株式会社電通で構成されるTHE KYOTO実行委員会によるプロジェクトで、目標金額は350万円ですが、6月10日時点で目標金額を達成しています。別途、蔵の建設費への寄附も募集されています。

2019年10月に発生した豪雨被害により休館中のホキ美術館(千葉県)、2020年8月1日に再開予定

2019年10月25日に発生した豪雨による水害の影響で休館していたホキ美術館(千葉県)が、2020年8月1日に再開予定であると発表しています。

アートに関するポータルサイト「美術手帖」の2020年6月9日付の記事によると、当該豪雨により、地下2階の電気設備・収蔵庫・一部展示室が被災し、あわせて約100点のコレクションが浸水したものの、そのうち80点は処理が済んでいるとのことです。また、作品への影響が比較的大きかった約20点については今後、画家自身や専門家による修復が進められるとのことです。

ホキ美術館 What' New
https://www.hoki-museum.jp/
※6月9日欄に「ホキ美術館 再開予定のお知らせ」とあります。

ホキ美術館 再開予定のお知らせ(ホキ美術館)
https://www.hoki-museum.jp/news/index.html#news20200609

川崎市市民ミュージアム、「市民ミュージアム 収蔵品レスキューの状況について(令和2年5月)」を発表

2020年5月27日、川崎市市民ミュージアムが、「市民ミュージアム 収蔵品レスキューの状況について(令和2年5月 )」を発表しました。

令和元年台風第19号により収蔵品等が浸水被害を受けた川崎市市民ミュージアムにおいて実施されている収蔵品レスキューの5月18日現在の状況が説明されています。

収蔵品のレスキュー状況(出庫率)は90パーセントで、考古資料が67パーセントである以外は100パーセントとなっています。また、考古・歴史・民俗・美術文芸・グラフィック・写真・漫画・映画・映像といった収蔵品の分野別のレスキュー状況の概況についても説明されています。

市の報道発表資料(川崎市市民ミュージアム)
https://www.kawasaki-museum.jp/kawasaki/
※2020年5月27日欄に「市民ミュージアム 収蔵品レスキューの状況について(令和2年5月)」とあります。

カナダ・トロント大学がミャンマーの写本に関するデジタルアーカイブを公開(記事紹介)

カナダ・トロント大学による2020年5月21日付けの記事で、同大が新たに公開したミャンマーの写本に関するデジタルアーカイブ“Myanmar Manuscript Digital Library”が紹介されています。

同アーカイブは、研究者とボランティアで構成される国際チームが進めるデジタル化プロジェクトの成果であり、ミャンマー国内の各図書館が所蔵する貝葉写本や貴重な印刷版を保存しつつオンラインで利用可能とすることを目的としています。東南アジア最大の貝葉写本コレクションの一つを所蔵するミャンマー国立図書館との提携により、今後数年にわたって大幅な資料増が予定されています。

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