資料保存

文化財保存修復学会、第43回大会公開シンポジウム「東日本大震災の文化財レスキューを振り返る」の動画をオンラインで公開

文化財保存修復学会が、同学会の第43回大会の公開シンポジウム「東日本大震災の文化財レスキューを振り返る」の動画を2021年6月1日から8月31日までYouTubeで公開しています。

同大会は、福島市のとうほう・みんなの文化センター(福島県文化センター)で5月22日・23日に開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となりました。

公開シンポジウムの主な内容は以下の通りです。

・基調講演「文化財防災体制の構築に向けて」
髙妻洋成氏(国立文化財機構文化財防災センター長)

・報告
救援委員会による活動から宮城県被災文化財等保全連絡会議の活動へ
小谷竜介氏(国立文化財機構文化財防災センター)

・原子力災害からの文化財保全活動
本間宏氏(福島県文化センター白河館)

・ふくしま史料ネットの10年と資料保存
阿部浩一氏(福島大学)

・関係者からのコメント
内山大介氏(福島県立博物館)、芳賀文絵氏(東京文化財研究所)、
森谷朱氏(東北歴史博物館)、中尾真梨子氏(福島県文化センター白河館)

カナダ保存研究所、博物館・アーカイブにおける汚染物質の制御に関するガイドラインを公開

2021年6月9日、カナダ保存研究所(Canadian Conservation Institute;CCI)は、博物館・アーカイブにおける汚染物質の制御に関するガイドライン“Control of Pollutants in Museums and Archives”の公開を発表しました。著者は、CCIの予防保存(Preventive Conservation)部門で上級保存科学者(Senior Conservation Scientist)として勤務するJean Tétreault氏です。

ガイドラインの“Abstract”によれば、汚染物質の一般的な発生源と影響を受ける所蔵品の特定、汚染物質を減らしリスク評価時の不確実性を最小化するための行動の提案、モニタリングのためのデータ収集等のテーマを扱っています。

@cci.conservation(facebook, 2021/6/9)
https://www.facebook.com/cci.conservation/posts/5964041603636170

米・ノースカロライナ大学チャペルヒル校図書館、コミュニティのアーカイブ構築を支援するツールキットを公開

米・ノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校図書館は、2021年6月8日付けの記事で、ツールキット“Charting New Courses in Community-Driven Archives”を、無料のウェブページとして新たに公開したことを紹介しています。

“Charting New Courses in Community-Driven Archives”は、自らの歴史を保存しようと取り組んでいるコミュニティや、そのような取組を支援する図書館・アーカイブに向けたツールキットであり、コミュニティのアーカイブ構築を支援するものと位置付けられています。

同校ウィルソン図書館の「南部歴史コレクション」(Southern Historical Collection)では、アンドリュー W.メロン財団から87万7,000ドルの助成を、“Kenan Charitable Trust”から5万ドルの寄付を得て、コミュニティのアーカイブ構築に関する4年間のプロジェクトに取り組んできました。今回公開されたツールキットには、同プロジェクトで作成されたガイドや説明動画等のリソースが「アーカイブの概念」「アーカイブのスキル」「ストーリーテリング」「アーカイブの維持」といったテーマ別にまとめられています。

【イベント】地方史研究協議会シンポジウム 「非常時の記録保存と記憶化を考える―コロナ禍の〈いま〉、地域社会をどう伝えるか―」(9/18・オンライン)

2021年9月18日、地方史研究協議会シンポジウム 「非常時の記録保存と記憶化を考える―コロナ禍の〈いま〉、地域社会をどう伝えるか―」がオンラインで開催されます。

同シンポジウムは、世界的規模で新型コロナウイルスに関する記録の保存の声が高まる中、日本の地域博物館・図書館等においても、感染拡大後早い段階から資料の収集に着手した事例もあり、すでに、各地域において独自にコロナ禍の地域資料を継承しようとする活動が始まっていることから、会の発足以来、地域資料保存運動に取り組んできた同会においても、コロナ禍の地域資料保存が喫緊の検討課題だと認識し、企画されたものです。

従来の研究・実践に学びながら、コロナ禍の地域資料継承のあり方を見据えて非常時の記録保存/記憶化をめぐる諸問題を議論したい、としています。

参加費は無料ですが、事前の申込が必要です。内容は以下の通りです。

【報告】
・「福島県双葉町における震災資料の保全について」
吉野高光氏(前福島県双葉町教育委員会)

・「地域に残された戦後社会事業史関係資料の価値」
西村健氏(横浜開港資料館)

・「新型コロナウイルス感染症に関する資料収集について」
小畑茂雄氏(山梨県立博物館)

神田明神、歴史資料のオンライン博物館開設のためクラウドファンディングを実施

2021年6月10日、神田明神(東京都千代田区)が、オンライン博物館開設のためクラウドファンディングを実施することを発表しました。

所蔵する歴史資料を未来に継承することを目的としており、発表の中では、未公開資料も公開するとあります。

歴史資料を未来へ!クラウドファンディング初挑戦(神田明神, 2021/6/10)
https://www.kandamyoujin.or.jp/infoblog/detail/?pid=22

参考:
京都府立京都学・歴彩館、「京都学デジタル資料閲覧コーナー」で閲覧できるデジタル資料に「賀茂別雷神社文書」が加わったと発表
Posted 2021年5月25日
https://current.ndl.go.jp/node/44065

京都市伏見区、「未来へ紡ぐ深草の記憶」デジタルアーカイブのため、古写真等を募集中

2021年6月4日、京都市伏見区が、「未来へ紡ぐ深草の記憶」デジタルアーカイブのため、古写真等を募集すると、同区のウェブサイトで発表しました。

発表によると、地域の文化・歴史団体,龍谷大学等で構成する「深草地域の文化『保存・継承・創造』プロジェクト実行委員会」により、深草地域の「暮らしと文化」にまつわる古写真等を収集・デジタル化し、住民の共有財産として次世代に引き継ぐプロジェクトが実施されています。

デジタル化した古写真等は、特設ウェブサイトやシンポジウム等での発表を行う予定とあります。

「未来へ紡ぐ深草の記憶」デジタルアーカイブ 古写真等の募集について(京都市伏見区, 2021/6/4)
https://www.city.kyoto.lg.jp/fushimi/page/0000284979.html

国立公文書館、「PARBICA善き統治のためのレコードキーピング・ツールキット」のうち「ガイドライン22:災害復旧計画をつくる」の日本語版を作成・公開

2021年6月4日、国立公文書館は、国際公文書館会議太平洋地域支部(PARBICA)が策定した「善き統治のためのレコードキーピング・ツールキット」に含まれる24のガイドラインのうち、「ガイドライン22:災害復旧計画をつくる」の日本語版を作成・公開したことを発表しました。

同ガイドラインは、アーカイブズ機関が実効性のある「災害復旧計画」を作成できるようにすることを目的としています。なお、国立公文書館は、2020年12月に「ガイドライン20:災害防備計画をつくる」の日本語訳、2021年2月に「ガイドライン21:災害対応計画をつくる」の日本語訳を公開しています。

@JPNatArchives(Twitter, 2021/6/4)
https://twitter.com/JPNatArchives/status/1400606991190536194

E2387 - 第7回全国史料ネット研究交流集会<報告>

2021年2月20日・21日の2日間にわたり,NPO法人宮城歴史資料保全ネットワークを中心とした実行委員会主催で,第7回全国史料ネット研究交流集会(以下「本集会」)がオンライン開催された。「資料ネット」(CA1995参照)は,大学教員や大学院生・学部生,史料保存機関職員,地域の歴史研究者らが協力し合い,災害から歴史資料を保全し,災害の記録を保存するために立ち上げられたボランティア団体である。1995年の阪神淡路大震災を機に設立された歴史資料ネットワーク(CA1743参照)を皮切りに,この保全活動は全国に広がり,現在では28もの「資料ネット」が各地で立ち上がりネットワークを構築している。この全国史料ネット研究交流集会は2015年から毎年会場を変えて開催され,各地の「資料ネット」が集まり,設定されたテーマについての情報共有と資料保全活動のあり方に関して議論を重ねる貴重な機会となってきた。

日本貿易振興機構アジア経済研究所図書館、ライブラリアン・コラム「感染症対策と資料保存の両立――換気の意外な悪影響と図書館の対応」を公開

日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所図書館は、2021年4月30日付けで、ライブラリアン・コラム「感染症対策と資料保存の両立――換気の意外な悪影響と図書館の対応」を公開しています。筆者は同館の能勢美紀氏です。

感染症対策としての換気が求められる中で、換気が図書館資料のカビ発生につながる可能性について、同館でのカビ発生事例に基づき検討しています。その上で、資料保存という観点からは換気の仕方に工夫が必要であることを指摘しています。

ライブラリアン・コラム(アジア経済研究所図書館)
https://www.ide.go.jp/Japanese/Library/Column.html
※2021年4月30日付けで同コラムが公開されています。

「国立国会図書館と県立図書館の震災記録に関する協力連絡会議最終報告書」が公開

2021年5月24日、国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)上で、「国立国会図書館と県立図書館の震災記録に関する協力連絡会議最終報告書」を公開しました。

国立国会図書館は、2013年度から2020年度まで「国立国会図書館と県立図書館の震災記録に関する協力連絡会議」を運営していました。同会議は、東日本大震災に関する記録の収集、提供、保存の拡大に向け、東日本大震災の被災地域と近隣地域の各県立図書館の方針や、施策、課題、ノウハウを共有することを目的としていました。

最終報告書では、同会議のこれまでの活動がまとめられています。

「国立国会図書館と県立図書館の震災記録に関する協力連絡会議最終報告書」を公開(ひなぎく, 2021/5/24)
https://kn.ndl.go.jp/static/ja/2021/05/024.html

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