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2021年1月8日、オーストリア国立図書館は、2020年後半に、ニーダーエスターライヒ州のハリングゼー(Haringsee)に建設された同館の新しい書庫棟へ約20万点の資料を移送したことを発表しました。
オーストリア国立図書館は、ウィーンから東に約40キロメートルの地点にあるハリングゼーに、合計利用可能面積が約1,000平方メートルの書庫棟を建設しました。新書庫棟の特徴として、多様な資料に対応し棚長の総計が5,400メートルに及ぶ収蔵庫、最新基準に準拠した火災・湿度に関する警報システム、入退・警報システムと同館のセキュリティシステムとの統合などが紹介されています。
新書庫棟へは、大半がデジタル化済の図書・ネガフィルム・新聞・ポスターなどの資料が移送されています。オーストリア国立図書館では、1992年にホーフブルク宮殿(Hofburg)内に建設された約400万冊の収蔵が可能な書庫について、収蔵能力の限界が近づいており、2013年から新しい図書収蔵庫建設のための計画を進めていました。当初、新しい図書収蔵庫は、ホーフブルク宮殿前のヘルデン広場(Heldenplatz)地下に建設される計画でしたが実現せず、代替案としてハリングゼーの書庫棟建設が行われました。
2021年1月9日、栃木県那須地区を拠点に資料保全活動を行う「那須資料ネット」が、2020年12月25日付で那須烏山市と「災害時の資料救出・保全に関する覚書」を締結したと発表しています。
「那須資料ネット」では、那須地区をコアフィールドとして地域に密着した活動を展開するため、各市町との災害時の覚書の締結を進めており、今回の提携内容は、災害時の資料救出・保全において両者が協力する内容となっています。行政側があらかじめ資料の保全場所を確保するとともに、「那須資料ネット」が資料救出・保全において必要な資材を提供し、両者が共有して使用することをうたっています。
@nasushiryonet(Twitter,2021/1/9)https://twitter.com/nasushiryonet/status/1347912308974968833
2021年1月7日、熊本県が、三次元データ閲覧サイト 「Sketchfab」で文化財の三次元データを公開したと発表しています。
三次元データは文化財の現状を正確に記録できるため、災害で被災した文化財を復旧する際に非常に役立つデータとなること、また、工事等で遺跡が消滅した後もコンピューター上でその遺跡の状況を確認できることから、同県文化課では文化財の三次元データによる現状記録作成を進めており、今後も随時追加していく予定としています。
文化財の三次元データを公開!(熊本県,2021/1/7)https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/125/80300.html
@kumamotobunka(Sketchfab)https://sketchfab.com/kumamotobunka ※熊本県教育庁文化課の公式アカウント
2020年12月24日、川崎市市民ミュージアムが、映像ドキュメンタリー「川崎市市民ミュージアム 被災収蔵品レスキューの映像記録 ―2019.10.12―」を公開したことを発表しました。
令和元年台風第19号により収蔵品等が浸水被害を受けた同ミュージアムの、1年間の活動がまとめられています。発表によると、同館の収蔵品レスキュー活動について発信するプロジェクト『川崎市市民ミュージアム被災収蔵品レスキューの記録』の一環として制作されました。
「川崎市市民ミュージアム 被災収蔵品レスキューの映像記録 ―2019.10.12―」を公開しました。(川崎市市民ミュージアム, 2020/12/24)https://www.kawasaki-museum.jp/news/21711/
川崎市市民ミュージアム 被災収蔵品レスキューの映像記録 ―2019.10.12―(川崎市市民ミュージアム)https://www.kawasaki-museum.jp/rescue/movie/
2020年12月16日、国立公文書館は、国際公文書館会議太平洋地域支部(PARBICA)が策定した「善き統治のためのレコードキーピング・ツールキット」に含まれる24のガイドラインのうち、「ガイドライン20:災害防備計画をつくる」の日本語版を作成・公開したことを発表しました。
同ガイドラインは、災害時の被害を最小化し、被害の迅速な回復を図るために、平常時から災害に備えておくための「災害防備計画」の策定にかかるものとあります。国立公文書館による発表では、記録史料を災害から守るため、同ガイドライン活用の呼び掛けも行われています。
@JPNatArchives(facebook, 2020/12/16)https://www.facebook.com/JPNatArchives/posts/1164678117301378
2021年2月24日、大日本印刷株式会社(DNP)によるセミナー「ニューノーマル時代の文化資源とデジタルアーカイブ」がオンラインで開催されます。
国内外のデジタルアーカイブを取り巻く最新動向を技術面・政策面から取り上げるほか、文化資源の保存・利活用に関するDNPの考え方を紹介する内容となっています。
受講料は無料ですが、オンラインでの事前申込みが必要です。当日のプログラムは次のとおりです。
講演1:文化財のデジタルツインとしてのデジタルアーカイブ 講師:国立情報学研究所教授 高野明彦氏
講演2:デジタルアーカイブはどのようにして文化資源の振興に貢献するか 講師:文化政策研究者、同志社大学教授 太下義之氏
講演3:DNPが考えるニューノーマル時代の文化資源のあり方 講師:DNPマーケティング本部アーカイブ事業推進ユニット 田井慎太郎氏
2020年12月14日、米国議会図書館(LC)が、文化的・歴史的・美学的に意義のある映像資料の永久保存レジストリ“National Film Registry”に追加する2020年分の映画25作品を発表しています。
公開から少なくとも10年を経た作品の中から、毎年25作品が追加されており、今回の追加によりレジストリで保存される作品は800作品になりました。今回選ばれた25作品には女性監督の作品が10作品、非白人監督の作品が7作品含まれており、映画製作者の多様性にスポットライトを当てる内容となっています。
新たに選ばれた作品には、『ダークナイト』(2008年)、『ハート・ロッカー』(2008年)、『シュレック』(2001年)、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999年)、『時計じかけのオレンジ』(1971年)、『野のユリ』(1963年)、『黄金の腕』(1955年)、『ヴェニスの子供自動車競走』(1914年)などがあります。
LCによる発表には、『ダークナイト』の監督であるクリストファー・ノーラン氏のコメントも掲載されています。同氏は、「『ダークナイト』に携わった我々全員にとって大きな名誉であるだけでなく、何十年にもわたりバットマンの偉大な神話に携わってきた全ての素晴らしいアーティストと作家への賛辞でもある」と述べています。
宮城県図書館が、2020年12月5日から2021年2月26日まで、同館3階の東日本大震災文庫で、東日本大震災文庫ミニ展示「被災文化財を救う」を実施しています。
津波による水損・建造物の倒壊などの被害にあった文化財等を緊急に救出し、復旧までの支援の様子を記録した資料や、文化庁の『文化財レスキュー事業』『文化財ドクター派遣事業』について取り扱った資料の一部が展示されています。
東日本大震災文庫ミニ展示「被災文化財を救う」(宮城県図書館)https://www.library.pref.miyagi.jp/latest/events/exhibition/1673-shinsaibunko-202102.html
「災害」に関する当サイトの記事
調査研究リポート「東日本大震災と図書館」
国立国会図書館 東日本大震災復興支援ページ
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