貸出

E2298 - 南欧の国立図書館における複写貸出サービス

2019年の晩秋,南欧4か国の国立図書館や大学図書館を実地に訪ね,利用者サービスについて調査を行う機会を得た。訪ねたのはポルトガル,スペイン,イタリアそしてギリシャの4か国である。本稿ではイタリア以外の3か国の国立図書館について職員へのインタビューによって得た見聞をもとに,複写および貸出サービスの実態を紹介したい。イタリアの国立図書館における複写サービスについては同僚の伊藤暁子が2018年にローマとフィレンツェの2館を訪問し(E2165参照),『国立国会図書館月報』第706号に豊富な写真つきでまとめている。イタリア以外の欧州の国立図書館についても知ることができる。ぜひ参照されたい。

筑後市立図書館(福岡県)、夏の装いで来館すると貸出冊数・期間が増える「図書館でお祭り気分」を実施中

福岡県の筑後市立図書館が、2020年9月1日から9月30日まで、浴衣・甚平等の夏の装いで来館すると貸出冊数・期間が増える「図書館でお祭り気分」を実施中です。

報道等によると、新型コロナウイルス感染拡大防止のために来館回数を減らすことや、中止となった夏祭り・花火大会の雰囲気を楽しんでもらうことが目的で、館内では市内のお祭りの映像が流されます。職員も法被姿とのことです。

「図書館でお祭り気分」『広報ちくご』798号(2020年9月)p.19
https://www.city.chikugo.lg.jp/var/rev0/0021/4067/20200901.pdf

“図書館でお祭り気分” 夏祭りの装いで貸出冊数と期間2倍 筑後市 (47NEWS(西日本新聞),2020/9/1)
https://www.47news.jp/localnews/prefectures/hukuoka/5203417.html

沖縄県立図書館、新型コロナウイルス感染拡大防止のための同県の緊急事態宣言再延長に伴い、臨時休館期間を延長:警戒レベル引き下げにより予約本受取サービスを開始

2020年8月28日、沖縄県立図書館が、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、同県の緊急事態宣言が9月5日まで再延長されことに伴い、臨時休館期間を延長すると発表しました。

一方、警戒レベルは引き下げられたことから、9月3日から予約本受取サービスを開始するとしています。

予約本受取サービス開始のおしらせ(9/3~)(沖縄県立図書館)
https://www.library.pref.okinawa.jp/important/93.html

関連:
沖縄県緊急事態宣言の延長について (沖縄県,8月28日)
https://www.pref.okinawa.jp/20200828.html

関西大学図書館(大阪府)、同大学の教員による「SDGs推薦図書」を高等学校向けに貸出:2020年9月15日まで申請を受付中

2020年8月25日、大阪府の関西大学図書館は、同大学の教員が学生向けに推薦した持続可能な開発目標(SDGs)に関する図書について、高等学校向けに貸出することを発表しました。

関西大学図書館は、2019年度のSDGsの達成に貢献するための図書館の特性を活かした取組み「KU Library thinks SDGs」において、同大学教員の推薦文が入った「本の帯」を巻いた図書を館内に展示する試みを行いました。2020年度に「KU Library thinks SDGs」の第2弾を実施するにあたって、若い世代がSDGsに対する理解を深められるよう授業や校内展示に活用可能なツールとして役立てることを目的として、同大学の教員が学生向けに推薦した「SDGs推薦図書」の高等学校向けの貸出を実施します。

「SDGs推薦図書」の貸出は、関西大学図書館が「KU Library thinks SDGs」第2弾を実施する2020年9月21日から2021年1月30日までの期間に行われます。対象は2019年度の「KU Library thinks SDGs」で展示された教員推薦図書の一部にあたる30冊であり、「本の帯」が巻かれた状態で貸出されます。

伊丹市立図書館ことば蔵(兵庫県)、気になる帯を「収穫」してカウンターへ持っていくとその帯がついていた本を貸出できる企画「おびがりっ!」を開催

兵庫県の伊丹市立図書館ことば蔵が、2020年8月15日から、同館3階の酒コーナーで企画「おびがりっ!」を開催します。

網ラックから1人3枚まで気になる帯を選んで「狩り取り」し、同館のカウンターへ持っていくと、帯の付いていた本を「帯借り」として貸出できるという企画です。「収穫時期」(開催期間)は、2020年8月15日から30日までの予定ですが、帯がなくなり次第終了します。「収穫」された帯は参加者にプレゼントされます。

おびがりっ!(伊丹市立図書館ことば蔵)
http://www.city.itami.lg.jp/SOSIKI/EDSHOGAI/EDLIB/event/eventlist/1531351092166.html

Internet Archive(IA)、大手出版社4社の著作権侵害訴訟に対する答弁書を提出:“Controlled Digital Lending(CDL)”による電子書籍貸出の適法性を主張

Internet Archive(IA)は2020年7月29日付で公開したブログ記事において、商業出版社4社がIAの“Controlled Digital Lending(CDL)”による電子書籍貸出の停止を求めて提起した著作権侵害訴訟への答弁書(Response)を、前日28日に提出したことを発表しました。

図書館の所蔵する冊子体資料をデジタル化して、ファイルの再配布に制限を付けて行われるCDLを通した電子書籍貸出は、9年以上実施され広く米国の図書館界に普及していることなどを挙げ、米国著作権法は図書館が所蔵する資料をデジタル化し、管理された方法で利用者に貸出する権利を阻んでいないとして、IAはCDLによる電子書籍貸出の適法性を主張しています。

ブログ記事では、作家の利益促進のために活動する米国の非営利団体“Authors Alliance”がCDLによる電子書籍貸出をフェア・ユースとして支持する見解を表明したことや、多くの教育機関が公衆衛生上の懸念から資料へのアクセスを厳しく制限する中で行われるこの訴訟は、学習者への情報アクセスを維持するために取り組む図書館等の試みを阻害するものであることにも言及しています。

広島県立図書館、中学生・高校生を主な対象とした電子図書館サービス「With Booksひろしま」を開始

2020年7月28日、広島県立図書館が、中学生・高校生を主な対象とした電子図書館サービス「With Booksひろしま」を開始することを発表しました。

同サービスは、利用者各自の端末でインターネットを通じて電子書籍を読めるものです。発表によると、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けた、「うちで読もうよ」~ Stay Home! Read Books! ~プロジェクトの一環であり、7月29日から開始しています。

主な対象者は中学生・高校生といった青少年ですが、県内に在住または在学・在勤し、スマートフォン・パソコン・タブレット端末を使用できる環境がある人が利用可能です。貸出料金は無料(通信費は自己負担)であり、1度に2点まで、14日間借りることができます。

同館の利用カード、または広島県電子申請システムによる同館電子図書館サービスの利用申請が必要です。

韓国国立中央図書館(NLK)、過去10年間の夏季休暇期間(7月から9月)における公共図書館の貸出データの分析結果を公表

2020年7月28日、韓国国立中央図書館(NLK)が、過去10年間(2010年から2019年)の夏季休暇期間(7月から9月)における全国1,048館の公共図書館の貸出データ2億4,171万6319件分の分析結果を公表しました。

まず、貸出量は当該期間が最も多く、1月から3月、10月から12月、4月から6月、と続きますが、これは、児童生徒の夏休みや社会人の休暇による読書量の増加によるものとしています。

次に、貸出上位100件を分析した結果、申京淑『母をお願い』が最も多く貸し出され、東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、チョン・ユジョン『七年の夜』と続きます。

文学分野では韓国文学の人気が高く、エッセイや散文などは2010年代後半以降より多く読まれるようになったとしています。海外文学では2010年代初頭には英米文学とフランス文学が主流を占め、2017年・2018年は日本文学の人気が目立つが2019年にやや減少したとしています。

韓国・文化体育観光部、新型コロナウイルス感染症対策のための図書館分野の第3次補正38億7,900万ウォンの内容を発表:非対面サービスの拡充・障害者用資料の作成

2020年7月23日、韓国・文化体育観光部は、新型コロナウイルス感染症対応のための図書館分野の第3次補正38億7,900万ウォンの内容を発表しました。

社会的に距離を置く、生活防疫という政府の措置に準拠する事を目的に、公共図書館での非対面サービスを重点的に支援するために25億6,500万ウォンが支出されます。ドライブスルーでの貸出、郵送貸出、予約貸出、地域書店希望図書貸出担当者の育成支援による安全な図書館利用環境の整備や国民の文化享受機会の拡大への寄与に加え、雇用創出による新型コロナウイルス感染症により沈滞した地域経済の活性化が期待されています。

また、非対面学習の拡大に対応するため、障害のある児童・生徒・学生用オンラインコンテンツの作成用として13億1,400万ウォンが支出されます。小・中・高等学校の必読図書や教科書掲載の文学作品など約2,000件の手話映像図書や電子書籍の作成が予定されています。また、作成にあたっては、就職が困難な、結婚や出産・育児などを理由に仕事を辞めた女性や障害者などを採用することで雇用を創出することも意図されています。

Public Knowledge、図書館による自由な電子書籍の購入・貸出等の法制化を求めるキャンペーン“Tell Congress to Let Libraries Fight Back”を開始

オープンなインターネット空間促進のために活動する米国の非営利の公益団体Public Knowledgeは、2020年7月1日付のブログ記事において、図書館による自由な電子書籍の購入・貸出等の法制化を求めるキャンペーン“Tell Congress to Let Libraries Fight Back”の開始を発表しました。

Public Knowledgeは、購入・貸出等を通した図書館の使命と著作権システムとは、数世紀にわたって良好な共存関係を築いていたものの、電子資料の普及によって従来の関係の維持が困難となり、利用可能な期間や購入可能なタイトルに著しい制限の付いたタイトルを消費者価格の3倍から5倍の価格で図書館が購入しなければならないなど、出版社に有利な状況に傾いていることを指摘しています。また、冊子体書籍の貸出について、図書館が所蔵資料をデジタル化し“Controlled Digital Lending”技術によって「一部1ユーザー」で貸出する動きがInternet Archive(IA)を中心に進展しており、これは新型コロナウイルス感染症拡大に伴う物理的な図書館の相次ぐ閉館で表面化したように、低所得者などコミュニティの周縁に属する人々への情報アクセス手段として不可欠なものとなっていることを紹介しています。

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