貸出

韓国図書館協会(KLA)、電子書籍貸出サービスの中断を求める文書への回答書を大韓出版文化協会に送付するとともに声明を発表

2021年2月10日、韓国図書館協会(KLA)は、KLAおよび全国の公共図書館に対して送付された、著作権法を侵害する電子書籍のオンライン貸出サービスの中断を求める文書への回答書を大韓出版文化協会に送付したと発表し、あわせて、協会名で声明を出しています。

声明では、大韓出版文化協会が主張する著作権法第31条の規定は、図書館が所蔵する著作物を著作権者の許可なくデジタル化してサービスできる範囲を図書館内部に限定するとした規定であって、既に電子的形態で製作・販売されている電子書籍は対象外であること、そして、図書館の電子書籍サービスは、電子書籍のベンダーと締結した購入または購読契約に基づくもので、契約対象の電子書籍は、著作権者等と同意がなされたものに限定されていること、そして、契約締結の際にサービスの範囲と条件を決定し、これに基づき、図書館は所定の費用を支払っており、この過程で、著作権法および関連する契約事項を遵守していることから、図書館が著作権法に違反したり著作権者・出版権者等の権利を侵害していないと述べています。

山形県立図書館、リニューアルオープンから1周年を記念して「アニバーサリーフェスタ」を開催中

2021年2月2日から28日まで、山形県立図書館が、同館のリニューアルオープンから1周年を迎えることを記念した企画「アニバーサリーフェスタ」を開催しています。

「赤ちゃんから高齢者まで全世代が集い学ぶ図書館を目指して」をテーマとして、山形市在住の文芸評論家である池上冬樹氏の記念講演や、地域団体、山形大学理学部、東北文教大学短期大学部(山形県山形市)等と連携したワークショップ・Zoomを利用したオンライン座談会、児童向け企画などが行われます。

また、2月2日から28日までの期間中に、新規に利用者カードを登録した住民から100人限定で、3冊から5冊程度の図書館員のおすすめ本をラッピングして自宅へ送付する「宅配お試し便!ラッピングブック」が行われます。なお、同館による図書宅配サービスでは、通常利用者が送料を負担する必要がありますが、「宅配お試し便!ラッピングブック」の図書送付に係る送料は山形県立図書館が負担します。

ドイツ図書館協会(DBV)、600人以上の図書館長の署名とともに連邦議会の議員に対して公開書簡を提出:図書館における電子書籍貸出の制限を撤廃するため法整備を要望

2021年1月22日、ドイツ図書館協会(DBV)は、国内の図書館長600人以上の署名とともにドイツ連邦議会の議員に対して公開書簡を提出したことを発表しました。

DBVの提出した公開書簡は、図書館が制限なく電子書籍の貸出サービスを利用者へ提供することにより、その文化的・教育的使命を十分に満たすことができるように、連邦議会の議員に対して法整備を求めるものです。公開書簡は、電子書籍の出版が増加し、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため施設としての図書館の閉館も行われ、デジタル情報へのアクセスへの重要性が高まっている中で、ニュース週刊誌『シュピーゲル(Spiegel)』にベストセラーとして掲載されたタイトルの約7割が、図書館での提供に最大1年間の制限があるなど、電子書籍貸出が十分に実施されていない現状を指摘しています。

公開書簡は、著作権法上で電子書籍の貸出に関する権利が明記されていないことなど、法整備の不十分さが公共図書館の電子書籍サービスを阻む原因であるとして、主に次の2点を要求しています。

中国国家図書館による地方図書館との文献共有・貸出計画(記事紹介)

中国の北京日報による2021年1月22日付け記事で、中国国家図書館による地方図書館との文献共有・貸出計画(原文「文献共享借阅计划」)の開始が紹介されています。

同計画は二つの段階に分かれています。第一段階では、地方図書館との協力を通じ、中国国家図書館が所蔵する複本を地方図書館での閲覧貸出に供します。第二段階では、全国における図書貸出のためのクラウドプラットフォームを構築し、協力館のサービスプラットフォームと接続することにより、資料の動態管理を実現するとしています。

中国国家図書館では、国内の公共文化サービスの発展状況における不均衡を考慮し、中西部や辺境地区の図書館との協力を優先して進めており、すでに黒竜江省・江西省・チベット自治区・甘粛省・湖北省・吉林省の6省における共有・貸出のシステム内に資料72.5万冊余りを提供しているとあります。

試行導入中の公共貸与権制度に基づく補償金の申請プロセスが開始(台湾)

2021年2月1日、台湾・教育部は、2020年1月から試行導入中の公共貸与権制度に関し、同制度に基づく補償金の申請プロセスを同日から開始したことを発表しました。

公共貸与権制度に基づく補償金の支払いを希望する出版者及び著者は、台湾の国立公共資訊図書館が提供するオンライン登録システムを利用して登録を行います。2021年2月1日から3月31日までが出版者の登録期間、4月1日から4月30日までが著者の登録期間であり、5月に登録者に対し補償金の支払いが行われる予定となっています。

試行導入段階では、国立公共資訊図書館及び国立台湾図書館での貸出が対象となっています。教育部の発表によれば、2館で貸出利用に供している書籍のうち申請対象となる書籍は計11万タイトル余りであり、2020年の累計貸出冊数は79万冊超でした。

試辦「公共出借權」制度 2月1日起開放登記(教育部, 2021/2/1)
https://www.edu.tw/News_Content.aspx?n=9E7AC85F1954DDA8&s=27268AA8BB150915

知識への公平なアクセス権を擁護する非営利団体“Library Futures Institute”が立ち上げられる

米国の非営利団体Internet Archive(IA)による2021年1月26日付けのブログ記事で、知識への公平なアクセス権を擁護する非営利団体“Library Futures Institute”が新たに立ち上げられ、1月25日にウェブサイトを公開したことを紹介しています。

“Library Futures Institute”には、IA、SPARC、クリエイティブ・コモンズ、米・ボストン公共図書館など複数の機関が“Coalition Partners”として協力しています。

“Library Futures Institute”のウェブサイトによれば、デジタル環境における図書館の持続可能な未来の保障に取り組むとしています。同ウェブサイト内の“Our Principles”のページでは同団体の基本方針が示されており、情報への公平なアクセス、著作権に配慮した「制御されたデジタル貸出」(controlled digital lending)の擁護等を提唱するほか、図書館ではこれまで扱ってきた印刷物と同様にデジタルコンテンツも購入・保存・貸出・寄贈が可能となるべき、と主張しています。

千葉県教育委員会、「図書館利用規則の一部を改正する規則(案)」に関する意見を募集:非来館による利用者の利便性向上を意図した改正案

2021年1月26日、千葉県教育委員会は、「図書館利用規則の一部を改正する規則(案)」に関する意見募集の開始を発表しました。

県立図書館の利用者サービス向上のため、個人貸出の規定を見直し、非来館による利用者の利便性を高めることを意図した改正案となっています。意見提出期限は2021年2月16日であり、施行期日(予定)は2021年4月1日です。

「図書館利用規則の一部を改正する規則(案)の概要」には、改正理由や改正内容等が記載されています。改正理由としては、「来館しにくい県民や、感染症などの拡大防止、風水害等による被災等のため一時的に図書館を利用しにくくなる県民に対する柔軟な対応」等の3点が、改正内容としては、「資料貸出券交付申込み制限の緩和」「新たな個人貸出し規定の追加」の2点が示されています。

図書館利用規則の一部を改正する規則(案)に関する意見募集について(千葉県, 2021/1/26)
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shougaku/iken/2020/kisoku.html

高知工科大学附属情報図書館と高知こどもの図書館が相互協力に関する協定を締結:香美キャンパスの同大学図書館で協定締結を記念した企画展が開催中

2020年12月18日付で、高知工科大学附属情報図書館と認定特定非営利活動法人の高知こどもの図書館が相互協力に関する協定を締結しました。

両館は、所有する情報資源の有効活用によって、利用者サービスの向上・図書館活動の充実を図り、県民の生涯学習環境の増進に寄与することを目的に協定を締結しました。同協定により、相互貸借が可能となるなど、利便性向上につながることを説明しています。

協定締結を記念して、高知工科大学香美キャンパス(高知県香美市)の附属情報図書館1階エントランスホールでは、2021年1月6日から3月25日までの期間に、高知こどもの図書館の図書160冊の展示・貸出を実施しています。

@NpoFaRenGaoZhikodomonoTuShuGuan (Facebook,2020/12/18)
https://www.facebook.com/NpoFaRenGaoZhikodomonoTuShuGuan/posts/1846402425508760

英国の“Brexit”が欧州連合(EU)およびドイツの図書館に与える影響とは(記事紹介)

2021年1月5日付で、ドイツのベルリン国立図書館(Staatsbibliothek zu Berlin)は、英国の欧州連合(EU)からの離脱(Brexit)が完了し、2020年末に2021年1月から暫定適用される英国・EU間の通商協定が締結されたことを受けて、EUおよびドイツの図書館に与える影響について解説した記事を公開しました。

同記事は、EU加盟国内の多くの図書館で国境を越えた活動が行われていることから、これまでEU加盟国内で調和が図られていた税制・著作権・データ保護の分野に影響が及ぶことを指摘しながら、個々の影響関係を解説しています。

図書館のあらゆる契約実務に課せられる付加価値税(VAT)については、EU加盟国と非加盟国では根拠法が異なり、EUに非加盟の「第三国」となった英国の事業者との契約では、担当が税務署ではなく税関当局となり、税関当局に「輸入売上税」を納付する必要があることなどを紹介しています。また、EUの非加盟国になったことに伴い、原則として英国を含む第三国から購入した物品には共通関税(Common Customs Tariff)が適用されますが、印刷資料やCD・DVD等の視聴覚資料は免除されることを説明しています。ただし、ゲーム等の触覚メディアには共通関税が適用されます。

韓国国立中央図書館(NLK)、公共図書館の貸出データをもとに分析した2020年の貸出状況の調査結果を発表:コロナ禍により貸出数が大幅に減少

2020年12月30日、韓国国立図書館(NLK)が、2020年の公共図書館における貸出状況の調査結果を発表しました。

公共図書館用のビックデータ分析プラットフォーム“도서관 정보나루”に搭載された公共図書館1,180館分の2020年1月1日から11月30日までの貸出データ5,823万8,593件をもとに分析されたものです。

文学分野では最も貸し出されたのは、ソン・ウォンピョン『アーモンド』でした。世代別では40代の女性が最も借りており、30代・20代の女性、40代の男性と続きます。

非文学分野で最も貸し出されたのは、キム・ジヘ『선량한 차별주의자(善良な差別主義者)』でした。女性による貸し出しが多く、世代別では40代・20代・30代・50代・青少年と続きます。

またコロナ禍の影響で、貸出数は2019年に比べて45.9%減少しており、最も減少したのは前年比89.0%の3月でした。性別で最も減少したのは前年比46.6%の男性で、年齢別では前年比52.8%の30代でした。テーマ別では、前年比53.7%の芸術分野が最も多く減少しています。

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