視覚障害者

米国議会図書館(LC)、活字による読書が困難な利用者に優れたサービスを提供している図書館を対象とした“Library of the Year”の2020年・2021年度の受賞館を発表:コロナ禍での活動等が評価

2021年5月11日、米国議会図書館(LC)の障害者サービス部門である視覚障害者及びプリントディスアビリティのある人々のための全国図書館サービス(NLS)が、活字による読書が困難な利用者に優れたサービスを提供している図書館を対象とした“Library of the Year”の2020年・2021年度の受賞館2館を発表しました。

“Regional Library of the Year Award”には、アイオワ州デモインのIowaLibrary for the Blind and Print Disabledが選ばれました。5,700人以上の登録者がおり、2020年には41万点以上の貸出があった同館は、コロナ禍によって14人の職員のほとんどが在宅勤務を余儀なくされたものの、ボランティアによる支えもあってサービスを止めなかったこと、ポッドキャスト・ブログ・YouTube等オンラインで利用者とつながったこと、高齢の利用者が孤独を感じないよう電話で西部劇や推理小説を朗読するプログラムを実施したこと等が評価されています。

文部科学省、デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議(第10回)の配布資料を公開:中間まとめに関する意見募集結果等

文部科学省のウェブサイトにおいて、2021年4月26日にオンライン開催された、デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議(第10回)の配布資料が公開されています。

3月17日に公開された「デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議 中間まとめ」に対する意見募集結果や、「視覚障害のある児童・生徒に対するデジタル教科書等の教育効果に関する調査・分析」等が含まれています。

デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議(第10回)配布資料(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/157/giji_list/mext_00726.html

国際図書館連盟(IFLA)、非印刷著作物のアクセシブルなフォーマットでの利用可能性に関する欧州連合(EU)のアンケートに回答

2021年5月6日、国際図書館連盟(IFLA)は、欧州連合(EU)が2021年2月11日から4月30日にかけて実施していた、非印刷著作物(映画、写真、音楽、コンピュータプログラム、ビデオゲーム等)のアクセシブルなフォーマットでの利用可能性に関するアンケートに回答したことを発表しました。回答内容も公開されています。

EUのアンケートは、非印刷著作物が障害者にとって利用可能かどうかの情報収集を目的として実施されました。EUでは2017年に、マラケシュ条約に対応するための規則・指令を採択しており、同指令の第9条の規定がアンケート実施の契機となっています。

同指令では、印刷物の判読に障害がある人々がアクセシブルなフォーマット(点字、大活字、対応した電子書籍等)で印刷著作物を利用することについて、著作権に対する制限を規定しています。第9条では、同指令の対象範囲に含まれない著作物の利用可能性や、同指令の対象範囲を拡大する潜在的な必要性について評価を行うよう、欧州委員会(EU)に求めています。

IFLAの発表によれば、回答に当たりIFLAの「特別なニーズのある人々への図書館サービス分科会」との協力を通じ情報収集を行いました。回答内容として、以下のような点等を紹介しています。

Accessible Books Consortium(ABC)、プリントディスアビリティがある人のためのアプリの提供を開始:アクセシブルな電子書籍の直接ダウンロードが可能

2021年4月12日、世界知的所有権機関(WIPO)の下に設立されたAccessible Books Consortium(ABC)が、プリントディスアビリティがある人のためのアプリの提供を開始したことを発表しました。

同アプリでは、アクセシブルな電子書籍の検索、直接のダウンロードが可能です。ABCの参加図書館に提供され、各館はアプリの利用者がプリントディスアビリティのある人に該当するかを確認する必要があると述べられています。

発表によると、第一段階として、プリントディスアビリティのあるカナダ、フランス、スイスの人を対象に、ケベック州立図書館・文書館(Bibliothèque et Archives nationales du Québec)をはじめとした5機関が提供する約6万3,000件のテキストが提供されます。

国立国会図書館、学術文献の視覚障害者等用テキストデータの図書館等からの製作依頼を受付開始

2021年4月1日、国立国会図書館(NDL)は、学術文献の視覚障害者等用テキストデータについて、図書館等からの製作依頼の受付を開始することを発表しました。

製作対象はNDLが所蔵する学術文献であり、視覚障害者等用データ送信サービスの送信承認館が製作を依頼できます。製作されるテキストデータは、光学文字認識(OCR)をかけたのみで未校正のものと、人の目によって修正を行った校正済みのものであり、視覚障害者等用データ送信サービスから利用可能です。

2021年4月1日 学術文献の視覚障害者等用テキストデータの図書館等からの製作依頼を受け付けます(NDL, 2021/4/1)
https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2021/210401_02.html

徳島県、「徳島県読書バリアフリー推進計画(骨子案)」に対するパブリックコメントを実施中:読書バリアフリー法第8条第1項に基づく計画策定

徳島県が2021年3月10日から4月9日まで、「徳島県読書バリアフリー推進計画(骨子案)」に対するパブリックコメントを実施しています。

2021年1月、徳島県は、視覚障がい者等の読書環境を整備・充実させることにより、全ての県民が等しく文字・活字文化の恵沢を享受できる社会の実現を図るため、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」第8条第2項に基づいて学識経験者・福祉関係者・障がい者団体等関係者・教育関係者・ICT関係者・図書館関係者・ボランティア関係者で構成する「徳島県読書バリアフリー推進協議会」を設置しました。徳島県教育委員会は、同協議会の協議・提言等を取り入れながら、同法第8条第1項に基づく徳島県における読書バリアフリー推進計画の策定を進めています。

公開された同計画の骨子案は、計画の概要・視覚障がい者等の読書に係る現状・計画の基本方針・施策の方向性などを示しています。

米国の非営利団体“Fight for the Future”、デジタル出版時代のアクセシビリティ・利用可能性の不平等を可視化するウェブサイト“Who Can Get Your Book?”を公開

2021年2月24日、デジタル時代の権利擁護を目的として活動する米国の非営利団体“Fight for the Future”は、デジタル出版の展開に伴う書籍のアクセシビリティ・利用可能性の不平等の存在を可視化するツールとして、ウェブサイト“Who Can Get Your Book?”を公開したことを発表しました。

“Fight for the Future”は、高額なライセンス契約・Amazonの流通独占等のため、電子書籍やオーディオブックのようなデジタルフォーマットによる出版が、公共図書館・公教育機関・独立系書店等の提供を妨げ、結果として視覚障害者や低所得者の情報アクセスを制限し、アクセシビリティ・利用可能性に関する不平等を拡大していることを指摘しています。

公開された“Who Can Get Your Book?”では、紙書籍・電子書籍・オーディオブックそれぞれの出版方法について、著者・出版社を想定したクイズを提供しています。クイズの回答内容により、公共図書館・公教育機関・独立系書店に対するアクセシビリティ・利用可能性の評価、及び総合評価が与えられます。

放送大学、番組『読みたいに応える図書館』全2回を2021年4月から放送開始:読書バリアフリー法、視覚障害者等へのサービスを特集

2021年3月8日、放送大学は、BS放送の放送大学(BS231ch)において、BSキャンパスex特集『読みたいに応える図書館』全2回を2021年4月4日から放送開始することを発表しました。

同番組では、2019年6月に制定された「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」の概要を解説するとともに、図書館の障害者サービスの現状や、図書館で視覚障害者等への先進的なサービスに利用されている機器やソフトウェアの具体例が紹介されます。また、番組には手話通訳のほか字幕も付与されています。

第1回(4月4日放送)のテーマは「読書バリアフリー法で広がる図書館の役割」であり、出演者は野口武悟氏(専修大学教授)、三輪眞木子氏(放送大学特任教授)です。第2回(4月11日放送)のテーマは「公共・学校・大学図書館の視覚障害者等へのサービス」であり、出演者は田村俊作氏(慶應義塾大学名誉教授)、野口武悟氏(専修大学教授)、松戸宏予氏(佛教大学教授)、三輪眞木子氏(放送大学特任教授)です。なお、これら日程での放送以降にも再放送を行うとあります。

鳥取県、「鳥取県視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画」を策定:読書バリアフリー法第8条第1項に基づく計画策定

2021年3月5日、鳥取県が、「鳥取県視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画」を策定したことを発表しました。

「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」第8条第1項の規定に基づいて、同県における視覚障害者等の読書環境の整備を推進することを目的に策定されました。計画の期間は2021年から2025年までであり、基本的な方針、施策の方向性、指標等が示され、計画策定後は定期的に進捗状況の把握・評価を行うとされています。

策定に際し、2021年1月にパブリックコメントが実施されていました。

「鳥取県視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画」を策定しました(鳥取県, 2021/3/5)
http://db.pref.tottori.jp/pressrelease.nsf/webview/FD1F651D96907D8B4925868E003BCDFA

Accessible Books Consortium(ABC)、アクセシブルな書籍作成に関するオンライン研修を実施

2021年2月9日、世界知的所有権機関(WIPO)の下に設立されたAccessible Books Consortium(ABC)は、新型コロナウイルス感染症の流行期間中も研修プログラムを継続するため、アクセシブルな書籍作成に関するオンライン研修を実施していることを発表しました。

ABCのオンライン研修プログラムは、開発途上国・後発開発途上国でプリントディスアビリティのある人々にサービスを提供する連携機関を対象に、点字・音声・電子テキスト・大活字などのアクセシブルな形式の書籍作成に関する最新技術を提供する目的で行われています。コロナ禍による移動制限等を背景に、WIPOはDAISYコンソーシアムと共同してオンライン研修プログラムを開発しました。研修モジュールは、英語・フランス語・スペイン語で作成され、2021年第1四半期までに連携機関から95人以上が受講することを予定しています。

研修受講者の多数が視覚その他に障害を持っていることを踏まえて、ABCのオンライン研修プログラムは、ナビゲーション機能付の教材・アクセシブルな演習コンテンツ・画像に対する内容記述・キャプション付の動画など、インクルーシブデザインでプラットフォームを構築しています。

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