著作権

カナダ出版者協会(ACP)及びアクセス・コピーライト、新型コロナウイルスの感染拡大をうけ“Read Aloud Canadian Books Program”を開始:加盟出版社の本を用いた教員・図書館員によるオンラインでの読み聞かせにおける著作権使用料を免除

2020年3月26日、カナダ出版者協会(ACP)及びカナダの著作権管理団体のアクセス・コピーライト(Access Copyright)が、新型コロナウイルスの感染拡大をうけ“Read Aloud Canadian Books Program”の開始を発表しています。

ACP加盟出版社の本を用いた教員・図書館員によるオンラインでの読み聞かせや動画の投稿における著作権使用料を免除するもので、教員・図書館員からの要請に応じたものです。

ACPとアクセス・コピーライトでは、同プログラムを活用した教員や図書館員に対して、ハッシュタグ#ReadAloudCanadianを用いて、ACP、アクセス・コピーライト、著者、出版者へのメンションとともにSNSに投稿するよう求めています。

国際図書館連盟(IFLA)、新型コロナウイルスの感染拡大をうけ、連携機関と共同で作成した知的財産権に関する世界知的所有権機関(WIPO)宛公開書簡を発表

2020年4月3日、国際図書館連盟(IFLA)が、知的財産権に関する世界知的所有権機関(WIPO)宛の公開書簡を公表しています。

新型コロナウイルス感染拡大をうけ、IFLAが連携機関と共同で作成したもので、4月5日時点では312団体が署名しています。

知的財産権に関する法律や慣行が新型コロナウイルスへの対応の障害とならないようにすることを目的としており、出版者による多くの積極的な取組が行なわれているものの、図書館からの呼びかけに応じたものが多く、すべてのニーズや状況に対応しているものではないことから、加盟国が著作物の公的利用という柔軟性を活用すること、権利者が利用に必要な許可を与えること、治療法の開発と提供を支援するための措置をとること、の必要性を強調しています。

公開書簡への署名は継続されています。

IFLA Leads Open Letter on Intellectual Property and COVID-19(IFLA, 2020/4/3)
https://www.ifla.org/node/92993

授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)、「授業目的公衆送信補償金制度」施行のための補償金を「無償」により認可申請:新型コロナウイルス感染症拡大を背景とした2020年度のみの特例

2020年4月6日、授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)は、2018年著作権法改正により創設された「授業目的公衆送信補償金制度」施行のための補償金を「無償」として、文化庁長官に認可申請することを発表しました。

SARTRASは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、教育機関でオンラインでの遠隔授業等の教材として著作物への需要が急速に高まっていることを背景に、これらが円滑に利用できるように、2020年度に限った特例として補償金を「無償」として認可申請を行った、としています。2021年度については、当初予定通り「有償」として再度、補償金額の認可申請が行われる見込みです。

SARTRASは、教員等の教育機関所属者が同制度の利用にあたって参照すべき「運用指針」を近日中に公表する予定です。

2020年度の特例として「授業目的公衆送信補償金制度」施行のための補償金の「無償」による認可申請を決定(SARTRAS,2020/4/6)
https://sartras.or.jp/archives/20200406/

北米の研究図書館センター(CRL)、デジタル化資料約1万タイトルへのアクセス制限を一時的に解除

2020年4月3日、北米の研究図書館センター(CRL)は、これまでCRLのメンバー以外からのアクセスを制限していたデジタル化資料のうち、約1万タイトルへのアクセス制限を一時的に解除したことを発表しました。

アクセス制限を解除されたコンテンツは、1920年代から1960年代にかけて出版された資料を含み、約85%は米国外で出版された資料です。米国において著作権の登録あるいは更新がなされていないと思われるもの、フェアユースのガイドラインの下、アクセス制限を解除してもリスクがほとんどないとCRLが認識しているものからなります。

国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)は、2020年3月13日、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と図書館サービス・図書館資料への影響に関する声明を発表し、出版社等に対し、オンライン・遠隔形式で教育活動が継続できるようにコンテンツへのアクセス面で様々な配慮を求めています。CRLも、同声明の署名機関として研究・教育支援のための対策を検討しており、その具体策として今回の取組が実施されました。

文化庁、「著作権法施行規則の一部を改正する省令案」に関する意見募集を実施:2018年著作権法改正により創設された「授業目的公衆送信補償金制度」施行のため

2020年4月1日、文化庁は、行政手続法第39条に基づいて、「著作権法施行規則の一部を改正する省令案」に関する意見募集を実施することを発表しました。意見募集の実施期間は2020年4月1日から4月10日までです。

2018年著作権法改正により創設された「授業目的公衆送信補償金制度」制度の施行に先立って、制定が不可欠な同制度に関する省令案への意見募集が行われています。新型コロナウイルス感染症の流行に伴う遠隔教育等のニーズに緊急的に対応するため、2020年4月中に同制度を施行予定であることが意見募集の背景として説明されています。文化庁が意見募集を求めている省令案は、改正後の著作権法施行令において「文部科学省令で定める割合」と規定されている、同制度の補償金の徴収・分配を担当する指定管理団体が、著作権及び著作隣接権の保護に関する事業並びに著作物の創作の振興及び普及に資する事業に支出すべき額の割合について、これを「2割」と定める、という内容です。

2020年度の「授業目的公衆送信補償金制度」は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う緊急のニーズに対応した暫定的な運用を行う予定であり、省令案の「2割」という定めはこれに対応したものです。2021年度以降は、教育現場における実際の著作物等の利用状況等を精査した上で、改めて割合を定めることが想定されています。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJデータベース)の運用を筑波大学等から引継

2020年3月23日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2010年度から2012年度に国立情報学研究所(NII)のCSI委託事業として実施され筑波大学等を中心に運営されていた「学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJデータベース)」の運用を引き継いだことを発表しました。

SCPJデータベースは、日本国内の学協会の機関リポジトリに対する論文掲載許諾状況を提供するデータベースです。NIIのCSI委託事業として実施された学協会のオープンアクセスに関する方針(OA方針)の調査結果に基づきデータベースが作成・公開されています。JPCOARは2020年3月にOAインフラ整備の一環として運用を引き継いだ、としています。

JPCOARに運用が引き継がれたSCPJデータベースでは、暫定的な措置として、Googleスプレッドシートによるデータ公開が行われています。今後データ更新体制やJAIRO Cloudとの連携などが検討される予定です。

英国内の複数の図書館・高等教育関係組織が連名により新型コロナウイルス拡大危機の中での教育研究活動維持のため出版社等へ求める行動を示した共同声明を発表

2020年3月20日、英・Jiscは、新型コロナウイルス拡大危機の中で、機関が教育研究活動を維持できるように、デジタルコンテンツやソフトウェアを提供する全てのプロバイダーへ求める行動を示した、英国内の複数の図書館・高等教育関係組織との連名による共同声明を、英国出版協会(The Publishers Association)と学会・専門協会出版協会(ALPSP)へ提出したことを発表しました。

共同声明は、Association of Colleges(AoC)、英国図書館(BL)、Jisc、Southern Universities Purchasing Consortium(SUPC)、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、英国大学協会(UUK)の連名で発されました。この声明は、出版社・アグリゲータ・ベンダー等に対して、新型コロナウイルス拡大危機の中、教育機関を支援するための行動を求めたもので、国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)が発表済の声明とも密接に連携していることに言及しながら、出版社等が実施可能な行動のリストとして次の内容を挙げています。

オーストラリア図書館協会(ALIA)及び出版社・著作者団体、新型コロナウイルス感染拡大期間中の図書館による読み聞かせのライブストリーミング配信等に関する特別措置を発表

2020年3月19日、オーストラリア図書館協会(ALIA)・オーストラリア書店協会(ABA)・オーストラリア出版協会(APA)・オーストラリア著作者協会(ASA)からなるBooks Create Australiaが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大期間中の図書館による読み聞かせに関する特別措置について発表しました。

感染拡大期間中、図書館によるFacebook Video・YouTube・Vimeoといったデジタルプラットフォームを用いたオンラインでの読み聞かせを認めるもので、APAとASAでは、図書館が読み聞かせを録画またはライブストリーミング配信(生放送)できるように、会員からの著作権許可を求める請求を一時停止するとしています。

ALIA・APA・ASAは共同声明において、3団体ともにすべての子どもが本を楽しむという目標を共有しており、同国の著作権法において、特定の条件において絵本を用いた上演は可能であるものの、疑問点を明快にすることを目的に今回の措置を取ったとしています。

ただし、録画のダウンロードは許可されず、実施可能な場合、図書館のウェブサイトにサインインした図書館利用者のみ視聴可能とするようにとしています。

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