著作権

欧州研究図書館協会(LIBER)、ドイツ連邦司法・消費者保護省(BMJV)による改正EU著作権指令の国内法化案へのパブリックコメント募集に対して回答を提出

2020年7月27日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、ドイツ連邦司法・消費者保護省(Bundesministerium der Justiz und für Verbraucherschutz:BMJV)が実施中の「デジタル単一市場における著作権指令(the Directive on Copyright in the Digital Single Market)」国内法化案へのパブリックコメント募集に対して、回答を提出したことを発表しました。

LIBERは、BMJVの公開した法案について、絶版著作物の利用・大量のデジタル化に関連して2点の懸念を指摘しています。1点目の懸念として、文化遺産機関が集中管理団体(CMO)をいつ利用すべきか、例外的に利用しなければならない場面はどのようなものかについて、原案では明確でないことを挙げています。LIBERはこの懸念へ対応するために、CMOが関与してライセンスを提供すべき事例、「代替的な著作権の例外規定」(fall-back exception)が提供されるべき事例の明確化、CMOの決定プロセスへの期限の設定などの提言を行っています。

ジャパンサーチ(試験版)、一般社団法人全国美術館会議をつなぎ役として「愛知県美術館コレクション」「東京富士美術館収蔵品データベース」と連携

2020年7月28日、ジャパンサーチ(試験版)は、一般社団法人全国美術館会議をつなぎ役として「愛知県美術館コレクション」「東京富士美術館収蔵品データベース」と連携したことを発表しました。

一般社団法人全国美術館会議は、ジャパンサーチに対し所蔵作品データを提供する美術館を全国的に取りまとめる役(「つなぎ役」)を担っており、同法人の正会員である美術館は同法人を通じてジャパンサーチに連携できるようになっています。

東京富士美術館も、2020年7月29日付けで連携に関するお知らせを発表しており、国立を除く美術館としてはじめて、同館と愛知県美術館の2館がジャパンサーチに参加することを報告しています。

また同館は、ジャパンサーチとの連携にあたり、同館ウェブサイトに掲載している所蔵作品画像について、今後、誰でも自由に利用できるパブリックドメインとしての運用を新たに開始することとした、と発表しています。

著作物の教育利用に関する関係者フォーラム、2020年第1回フォーラムの配布資料・議事概要を公開

教育関係者、有識者、権利者で構成する「著作物の教育利用に関する関係者フォーラム」のウェブサイトにおいて、2020年6月15日にオンライン会議として開催された2020年度第1回フォーラムの配布資料・議事概要が公開されています。

同フォーラムで使用された「改正著作権法第35条運用指針(令和3(2021)年度版)検討の方向性(案)」、「改正著作権法第35条運用指針(令和2(2020)年度版)増補版(案)」などの5種類の配布資料と、要旨としてフォーラム内での発言等を記録した「議事概要」がPDFファイル形式で公開されています。

本フォーラム 第1回(2020年6月15日)(著作物の教育利用に関する関係者フォーラム)
https://forum.sartras.or.jp/minutes/20_main/20_m1/

Public Knowledge、図書館による自由な電子書籍の購入・貸出等の法制化を求めるキャンペーン“Tell Congress to Let Libraries Fight Back”を開始

オープンなインターネット空間促進のために活動する米国の非営利の公益団体Public Knowledgeは、2020年7月1日付のブログ記事において、図書館による自由な電子書籍の購入・貸出等の法制化を求めるキャンペーン“Tell Congress to Let Libraries Fight Back”の開始を発表しました。

Public Knowledgeは、購入・貸出等を通した図書館の使命と著作権システムとは、数世紀にわたって良好な共存関係を築いていたものの、電子資料の普及によって従来の関係の維持が困難となり、利用可能な期間や購入可能なタイトルに著しい制限の付いたタイトルを消費者価格の3倍から5倍の価格で図書館が購入しなければならないなど、出版社に有利な状況に傾いていることを指摘しています。また、冊子体書籍の貸出について、図書館が所蔵資料をデジタル化し“Controlled Digital Lending”技術によって「一部1ユーザー」で貸出する動きがInternet Archive(IA)を中心に進展しており、これは新型コロナウイルス感染症拡大に伴う物理的な図書館の相次ぐ閉館で表面化したように、低所得者などコミュニティの周縁に属する人々への情報アクセス手段として不可欠なものとなっていることを紹介しています。

E2277 - 文化庁長官裁定制度による明治期地方紙のインターネット公開

●はじめに 2020年4月10日,福井県文書館では明治15年から明治24年(1882年から1891年)の地方紙約1,800日分について,約7,200件の画像データのインターネット公開を開始した。地方紙は当該地方の近代史研究にとって高い有用性を持つため,世界各国の図書館等で画像のインターネット公開が進んでいるが(CA1577,CA1750参照),日本ではこうした取組みはほとんど見られない。

韓国・文化体育観光部、著作権法の全面改正を推進すると発表:追加報酬請求権・拡大集中許諾制度や人工知能の開発・活用促進等に対応

2020年7月1日、韓国・文化体育観光部が、創作や利用に関する環境の変化を反映するため2006年以来15回改正し複雑となった法体系を正すため、14年ぶりに著作権法の全面改正を推進すると発表しました。

同部では、2月4日の「著作権ビジョン2030」発表時に、著作権法の全面改正を推進することを明らかにし、この間、専門家と韓国著作権委員会から構成された「著作権法全面改正研究班」において改正案を議論してきており、今後、今年末までをかけて、法律・コンテンツ産業といった分野の専門家や創作者・著作権管理団体・著作物利用事業者といった利害関係者からの意見聴取を経て改正案を確定するとしています。

米・SPARC、Internet Archive(IA)による“Controlled Digital Lending”に基づく事業への支持を表明

2020年6月29日、米・SPARCはウェブサイト上で、Internet Archive(IA)による“Controlled Digital Lending”に基づく事業への支持を表明しました。

SPARCの声明は、2020年6月に複数の出版社がInternet Archive(IA)に対する著作権侵害訴訟を提訴したことを受けて発されました。SPARCはIAが世界中の知へのアクセスの民主化にとって重要な役割を果たしていることを指摘した上で、冊子体の図書館の貸出を模して電子的な複製物を「1部1ユーザー」で貸出するIAの“Controlled Digital Lending”は、新型コロナウイルス感染症による危機の中で学生・教員・研究者を支援する学術図書館にとっても特に重要な意義を持つものとして言及しています。

SPARCは、IAの“Controlled Digital Lending”に基づく事業を擁護する立場表明(Position Statement)へ他の図書館コミュニティとともに署名済であり、未署名の図書館関係者へも署名を奨励することを明らかにしながら、“Controlled Digital Lending”への支持を表明しています。

英・Jisc、SHERPA RoMEO・Sherpa Factのリニューアル版を公開

2020年6月18日、英・Jiscのオープンアクセス(OA)チームは、JiscのサービスSHERPA RoMEOのリニューアル版を公開したことを発表しました。

SHERPA RoMEOは、世界中の出版社のOAポリシーを集約・分析し、ジャーナルごとにOAによるセルフアーカイブの許諾条件・権利条件の概要を提供するオンライン情報源です。リニューアル版では、各ジャーナルの様々なOAポリシーの概略表示など、ユーザビリティ向上に関する大きな改善が行われました。また、APIの機能拡張や、将来の迅速なサービス展開を可能にする基礎データの改善も行われています。

今回のSHERPA RoMEOのリニューアルは、OAポリシーを取り巻く環境の変化への積極的な対応として実施されました。出版社が出版プロセスのさまざまな段階で提供している複雑なOAポリシーのバリエーションをより明確に示すことができるようになっています。Jiscはリニューアル版への移行を支援するため、ユーザー向けの参考資料を多数用意しています。

なお、ジャーナルが助成機関のOAポリシーに従っているかどうかを確認するためのサービスSherpa Factについても、SHERPA RoMEOとともにリニューアル版が利用可能であることが併せて発表されています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、2019/2020年の年次報告書を公開

2020年6月12日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、2019/2020年の年次報告書である“LIBER Europe 2019-2020 Annual Report”のリポジトリZenodo上での公開を発表しました。

LIBERによる年次報告書の公開は、2018/2019年版に続き今回が2度目となります。2019年6月から2020年5月までの主な出来事、2018-2022年の戦略計画の進捗状況、関与した国際的なプロジェクト、年次大会や季刊誌“LIBER Quarterly”に関するデータ、会計状況等が報告されています。

年次報告書公開に関する発表では、対象期間内の主な出来事として、第48回年次大会の開催、同大会でLIBERの運営を持続可能とするための提案が採択されたこと、国際プロジェクト(SSHOC、INOS、 reCreating Europe)での他機関との協力実施、第49回年次大会のオンライン開催決定、ウェビナーを17回開催し計2,500人以上の参加があったこと、LIBERに新たに10機関が参加したことなどを挙げています。

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