著作権

文化庁、文化審議会著作権分科会(第60回)の配布資料・議事内容等を公開:法制度小委員会の提出した「図書館関係の権利制限規定の見直し(デジタル・ネットワーク対応)に関する報告書(案)」を検討

文化庁のウェブサイトに、2021年2月3日に開催された文化審議会著作権分科会(第60回)の議事・配布資料・議事内容が公開されています。

議事(2)において、同分科会の法制度小委員会がパブリックコメントを経て提出した「図書館関係の権利制限規定の見直し(デジタル・ネットワーク対応)に関する報告書(案)」の検討が行われています。

文化審議会著作権分科会(第60回)(第20期第3回)(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/bunkakai/60/index.html

北米日本研究資料調整協議会(NCC)、「日本著作権法第31条改正に関するNCCの声明」を公表

北米日本研究資料調整協議会(NCC)は、2021年2月9日付けのTwitterにおいて、“NCC's Statement on Japanese Copyright Law, Article 31”(日本著作権法第31条改正に関するNCCの声明)を公表したことを紹介しています。

日本国外からの資料へのアクセスの向上のために、日本の著作権法第31条改正の検討を要望する内容であり、日本文化教育交流会議(US-Japan Conference on Cultural and Educational Interchange)、日米友好基金(Japan-US Friendship Commission)、国際交流基金米国日本研究諮問機関(Japan Foundation American Advisory Commission)の支持を受けて提出するものとあります。

2020年12月、文化庁は、著作権法第31条に関係する「図書館関係の権利制限規定の見直し(デジタル・ネットワーク対応)に関する中間まとめ」へのパブリックコメントを実施しました。その結果を踏まえ、2021年1月に文化審議会著作権分科会法制度小委員会が「図書館関係の権利制限規定の見直し(デジタル・ネットワーク対応)に関する報告書」をとりまとめています。

E2357 - ウィズ・コロナ時代の北米の大学図書館サービス<報告>

2020年12月10日,私立大学図書館協会オンラインセミナー「ウィズ・コロナ時代の大学図書館サービス~北米の現場から~」が協会加盟館の所属者を対象に開催された。筆者が所属する,本協会の国際図書館協力委員会では,例年,海外の図書館等を訪問し見識を深める海外認定研修を実施しているが,新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により,2020年度は中止となったため,その代替として実施したものである。企画・運営に関しては,丸善雄松堂株式会社様の多大なるご協力をいただいた。全国から135人の参加があり,また,東亜図書館協会(CEAL)日本語資料委員会のメンバーからも,特別に参加の希望があった。

ILLサービスで取り寄せした文献複写物を追加費用を伴わずに利用者へ直接電子提供可能に:コロナ禍による図書館休館を踏まえた2021年3月31日までの特例措置(ドイツ)

2021年1月27日、ドイツ図書館協会(DBV)は、ドイツ国内の図書館が図書館間相互貸借(ILL)サービスで取り寄せした文献複写物を追加費用を伴わずに利用者へ直接電子提供することについて、ドイツの著作権管理団体であるVerwertungsgesellschaft(VG) WORTとVG Bild-Kunstが容認したことを歓迎するお知らせを発表しました。

VG WORTとVG Bild-Kunstは、コロナ禍に伴い図書館への利用者の来館が著しく制限された状況を踏まえて、2021年3月31日までの期限を設けて、追加費用を伴わない利用者への電子的な提供を容認しました。DBVのお知らせによると、図書館の休館中にも研究・教育に必要な文献を学生・研究者らに提供するため、ILLにおいて文献複写物の紙媒体による提供を必須とした「一般合意」である“Gesamtvertrag zum Kopienversand im innerbibliothekarischen Leihverkehr”の一時的な免除に対して、VG WORTがドイツ連邦文化大臣会議(KMK)へ合意する旨を連絡したことにより、電子的な提供が可能となりました。

韓国図書館協会(KLA)、電子書籍貸出サービスの中断を求める文書への回答書を大韓出版文化協会に送付するとともに声明を発表

2021年2月10日、韓国図書館協会(KLA)は、KLAおよび全国の公共図書館に対して送付された、著作権法を侵害する電子書籍のオンライン貸出サービスの中断を求める文書への回答書を大韓出版文化協会に送付したと発表し、あわせて、協会名で声明を出しています。

声明では、大韓出版文化協会が主張する著作権法第31条の規定は、図書館が所蔵する著作物を著作権者の許可なくデジタル化してサービスできる範囲を図書館内部に限定するとした規定であって、既に電子的形態で製作・販売されている電子書籍は対象外であること、そして、図書館の電子書籍サービスは、電子書籍のベンダーと締結した購入または購読契約に基づくもので、契約対象の電子書籍は、著作権者等と同意がなされたものに限定されていること、そして、契約締結の際にサービスの範囲と条件を決定し、これに基づき、図書館は所定の費用を支払っており、この過程で、著作権法および関連する契約事項を遵守していることから、図書館が著作権法に違反したり著作権者・出版権者等の権利を侵害していないと述べています。

cOAlition S、国際STM出版社協会の「権利保持戦略」に対する懸念表明へ反論

2021年2月3日付で、cOAlition SによるプランSの実施に関連した見解・インタビュー・方法等を紹介するブログ“sOApbox”に、cOAlition SのCoordinatorであるRobert Kiley氏とExecutive DirectorであるJohan Rooryck氏の連名の声明が掲載されています。

この声明は、同日付で国際STM出版社協会が発表したプランSの「権利保持戦略」に対する懸念表明について、同戦略に対する誤った認識に基づいたものであるとして反論する内容です。cOAlition Sは、国際STM出版社協会の懸念表明で示された点について、主に次のように説明しています。

・出版社版(Version of Record)論文の価値の低下に対する懸念が示されているが、プランSは論文処理費用(APC)・転換契約・転換雑誌等への支援を通して、出版社版論文のオープンアクセス(OA)化を積極的に進めている

・出版社が査読の管理に多大なリソースを割いている点は認識しており過小評価していないが、査読は研究コミュニティが自発的に行う営為である点には留意すべきである

・長年尊重されてきた学問の自由を損なっているという指摘は具体性を欠いており、そのようなことが実際に起こることはまず想定できない

米・カリフォルニア大学、大学構成員の著作権保有に関するポリシーを改訂

2021年2月2日、米・カリフォルニア大学のOffice of Scholarly Communicationは、同大学構成員の著作権保有に関するポリシーが1992年以来初めて改訂されたことを発表しました。

カリフォルニア大学の同ポリシー改訂作業は、2013年のワーキングループの設置に始まり、2019年の大学構成員向けレビューを経て完了しました。ポリシー改訂の目的として、以下の5点を挙げています。

・著作権保有資格のある大学構成員の範囲の拡大
・大学構成員が著作権を保有できる著作物の対象範囲の拡大
・大学による著作権保有範囲の制限を目的とした「重要な大学のリソース(Significant University Resources)」の創設
・大学院生の著作権保有資格の明確化
・労働組合の協定と競合した場合の適用条件の明確化

改定されたポリシーの全文は、同大学の事務本部であるOffice of the Presidentのウェブサイトで公開されています。

【イベント】第15回JRRC著作権セミナー「AIと著作権」(2/26・オンライン)

2021年2月26日、公益社団法人日本複製権センター(JRRC)が主催する第15回JRRC著作権セミナー「AIと著作権」がオンラインで開催されます。

参加費無料、事前申し込み要であり、応募者多数の場合は抽選とあります。当日のプログラムは次のとおりです。

〇基調講演
「最近の著作権法改正について」
岸本織江氏(文化庁著作権課長)

〇講演
「AIの技術的動向と情報倫理について」
河島茂生氏(青山学院女子短期大学准教授)

〇パネルディスカッション
「AI創造物に関する著作権保護とその限界を考える」
パネラー:河島茂生氏、後藤大氏(弁護士、晴海パートナーズ法律事務所)、川瀬真氏(JRRC理事、金沢工業大学虎ノ門大学院客員教授)
司会:瀬尾太一氏(写真家、JRRC副理事長)

JRRC著作権セミナー(JRRC)
https://jrrc.or.jp/seminar/
※第15回JRRC著作権セミナーの概要と申し込み用フォームへのリンクが掲載されています。

国際STM出版社協会、出版社・学協会と連名でプランSの「権利保持戦略」に対する懸念を表明

2021年2月3日付で、国際STM出版社協会が、出版社・学協会と連名でプランSの「権利保持戦略」に対する懸念を示した声明を発表しています。

同声明は、欧州の研究助成機関のコンソーシアムcOAlition Sのイニシアティブ「プランS」による研究成果のオープンアクセス(OA)化の拡大という理念に共感しつつ、即時OA化の保証を意図して導入された「権利保持戦略」については、現状のままでは支持することができないと表明しています。「権利保持戦略」の問題点として、無料の代替物の提供が出版社の購読料・論文処理費用(APC)収入を脅かしOA誌の財政的持続可能性を損なうこと、学術情報の基盤である出版社版(Version of Record)論文の公正性を掘り崩す恐れがあることなどを挙げています。

同声明は、署名した出版社を含む多くの出版社で運用されているように、著者に対して再利用可能なライセンスの付与を認めて、リポジトリ等で公開できる選択肢の提供は可能であるが、持続可能性を保証するためには、「権利保持戦略」のような包括的なポリシーとしてではなく、個々の雑誌のレベルで採用が検討されるべきである、と主張しています。

ドイツ図書館協会(DBV)、600人以上の図書館長の署名とともに連邦議会の議員に対して公開書簡を提出:図書館における電子書籍貸出の制限を撤廃するため法整備を要望

2021年1月22日、ドイツ図書館協会(DBV)は、国内の図書館長600人以上の署名とともにドイツ連邦議会の議員に対して公開書簡を提出したことを発表しました。

DBVの提出した公開書簡は、図書館が制限なく電子書籍の貸出サービスを利用者へ提供することにより、その文化的・教育的使命を十分に満たすことができるように、連邦議会の議員に対して法整備を求めるものです。公開書簡は、電子書籍の出版が増加し、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため施設としての図書館の閉館も行われ、デジタル情報へのアクセスへの重要性が高まっている中で、ニュース週刊誌『シュピーゲル(Spiegel)』にベストセラーとして掲載されたタイトルの約7割が、図書館での提供に最大1年間の制限があるなど、電子書籍貸出が十分に実施されていない現状を指摘しています。

公開書簡は、著作権法上で電子書籍の貸出に関する権利が明記されていないことなど、法整備の不十分さが公共図書館の電子書籍サービスを阻む原因であるとして、主に次の2点を要求しています。

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