著作権

知的財産戦略本部、「知的財産推進計画2020」を決定

2020年5月27日、首相官邸において知的財産戦略本部会合が開催され、「知的財産推進計画2020~新型コロナ後の「ニュー・ノーマル」に向けた知財戦略~」が決定されました。

「1. はじめに」に続き、新型コロナ後のニュー・ノーマルの下で「脱平均」、「融合」、「共感」及び「デジタル革新」を進めるために必要な政策の基本方針を示した「2. 『ニュー・ノーマル』と知財戦略」と、各分野において講ずべき施策を示した「3. イノベーションエコシステムにおける戦略的な知財活用の推進」「4. CJ 戦略の実行」「5. コンテンツ・クリエーション・エコシステムの構築」の5章構成となっています。また、報告書の最後には各重点事項の工程表も付されています。

「5. コンテンツ・クリエーション・エコシステムの構築」の「(3)デジタルアーカイブ社会の実現」では、現状と課題に加え、施策の方向性として、

・ジャパンサーチ正式版の公開・本格運用開始と持続可能な運営・運用体制の構築
・絶版等により入手困難な資料をはじめ、図書館等が保有する資料へのアクセスを容易化するため、図書館等に関する権利制限規定をデジタル化・ネットワーク化に対応したものとすることの検討

に関するものなど計8点が示されています。

中国科学院文献情報センターと英・オックスフォード大学出版局が中国初の転換契約締結に合意

2020年5月22日、中国のOA2020署名機関である中国科学院文献情報センターは、英・オックスフォード大学出版局(OUP)との間で、中国初の転換契約締結に合意したことを発表しました。

契約期間は2020年から2022年までであり、契約に参加する中国科学院傘下の26の研究所とその所属研究者は、OUPの科学技術分野の学術誌・論文へのアクセスのほか、これらの学術誌上に、一定数の論文を費用負担なしにオープンアクセスで公開することも可能となります。

この転換契約により、同センターと26の研究所は元々OUPの学術誌購読に用いていた費用をOA出版のための費用に転換することができ、研究者は論文処理費用(APC)の支払いなしにOA論文を発表することができる、と紹介しています。

中国科学院文献情报中心与牛津大学出版社达成国内首个开放出版转换协议(中国科学院文献情報センター, 2020/5/22)
http://www.las.cas.cn/xwzx/zhxw/202005/t20200522_5584635.html

米・カリフォルニア大学バークレー校図書館、法的・倫理的に適正な資料のデジタル公開を実践するためのワークフローを公開

米・カリフォルニア大学バークレー校図書館は、同館のデジタル化業務を扱った2020年5月14日付の記事“UC Berkeley Library makes it easier to digitize collections responsibly with novel workflows and bold policy”内で、デジタル化に伴う法的・倫理的問題の適正な対応・処理手順や検討事項等を示した“Responsible Access Workflows”の公開を発表しました。

図書館等の文化遺産機関が所蔵資料をデジタル化して世界中からアクセスできるようにオンライン公開するためには、複雑な法的・倫理的諸問題の処理が求められ、このことがデジタル化・オンライン公開推進の動きを鈍化させていることがしばしばあります。バークレー校図書館でも事態は同様であり、同館はデジタル化事業にあたってこうした難題への対処を容易化するために“Responsible Access Workflows”を開発しました。

英国図書館(BL)、2018年7月から2019年6月にかけて公共図書館で最も貸し出された電子書籍等を初めて公表:公共貸与権に係る補償金の支払いを実施

2020年5月19日、英国図書館(BL)は、2018年7月から2019年6月にかけて公共図書館で最も貸し出された電子書籍・オーディオブックを初めて公表しました。

同館は公共貸与権(PLR)に関するプログラムを所管しており、今回の発表は、同日公表された、同期間における公共図書館の貸出データに基づいており、今回、初めて電子書籍・オーディオブック等に関する数値が含まれ補償金の支払いが行われています。

また、Libraries Connectedが発表した、同国のロックダウン下中に電子書籍を借りた人が358パーセント増加したとの推定も紹介されています。

Press releases(BL)
https://www.bl.uk/press-releases
※「Annual public library loans figures reveal the UK’s most borrowed e-books for the first time Tue 19 May 2020」とあります。

SAGE社、ノルウェー・Unitが組織するコンソーシアムとの間で”Read & Publish”契約を締結

2020年5月18日、SAGE社は、ノルウェー国内の研究機関等の高等教育および研究におけるICTや共同サービスを担当するUnitが組織するコンソーシアムとの間で”Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。契約期間は3年間で、2020年1月1日以降に投稿され受理された論文に対して適用されます。

契約に参加するノルウェーの研究機関に所属する研究者は、890タイトル以上のハイブリッドジャーナルで論文をオープンアクセス(OA)で公開することができ、また同社が出版するゴールドOA誌150タイトル以上でAPC(論文処理加工料)の20%割引を受けられる一方で、890タイトル以上の査読誌にアクセスして閲覧することができます。論文は原則、クリエイティブ・コモンズ(CC)のCC BYライセンスの下で出版されます。

同社は、OA出版のワークフローを支援するプラットフォームSAGE Open Access Portalを立ち上げていることも併せて発表しました。

米国化学会(ACS)、リトアニア研究図書館コンソーシアム(LMBA)との間で”Read & Publish”契約を締結

2020年5月14日、米国化学会(ACS)は、リトアニア研究図書館コンソーシアム(LMBA)との間で”Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。

1年間の契約期間中、LMBAの会員機関48機関のうち3機関に所属する研究者は、追加のAPC(論文処理加工料)を支払うことなく論文をオープンアクセス(OA)で公開することができ、またACSが刊行する65タイトル以上の学術雑誌にアクセスすることができます。

Wiley社とResearchGate、研究者のための高品質の学術コンテンツ発見環境の整備・アクセス促進等を実現するためのパートナーシップ関係を締結

2020年5月6日、Wiley社と研究者向けSNSのResearchGateは、研究者のニーズをよりよく支援する方法を共同で追求するため、パートナーシップ関係を締結したことを発表しました。

両者はこのパートナーシップ関係を通じて、研究者のための高品質の学術コンテンツ発見環境の整備・アクセス促進を進めながら、著作権・知的財産権等の原則を尊重したコンテンツ共有を引き続き支援することを表明しています。両者はパートナーシップ関係の締結に基づいて次のような取り組みを行う予定です。

・学術的なコミュニケーション・コラボレーションの推進という両者の共通目標をよりよく達成するため、Wiley社の雑誌記事論文発見に関する新モデルを試行する

・ResearchGateのプラットフォーム上におけるWiley社コンテンツの活用方法に関する知見を培い共有する

・ネットワーク上で自身の論文がいつ、どのように共有されるかについて、明確で関連性のある情報を提供することにより、著作権で保護されたコンテンツに関するユーザー向けの教育を実施する

・ResearchGateのプラットフォーム上におけるWiley社コンテンツへの著作権侵害にあたる公衆送信を速やかに特定し対処する

日本図書館協会(JLA)、「新型コロナウイルス感染症に係る図書館活動についての協力依頼に対する回答について」を公表

2020年5月13日、日本図書館協会(JLA)が、「新型コロナウイルス感染症に係る図書館活動についての協力依頼に対する回答について」を公表しています。

4月24日にJLAが発出した「新型コロナウィルス感染症に係る図書館活動についての協力依頼(公衆送信権等の時限的制限について)」への回答を受けてのものです。

JLAからの依頼事項の「1 各図書館で所蔵された資料を用いた読み聞かせやお話し会を録音又は録画し、図書館利用者に対し、インターネットなどにより公衆送信することを、お認めいただきたい」に関しての進展が早急に見込まれることから、そこに注力するとし、JLA児童青少年委員会から提供を受けた「読み聞かせでよく用いられる著作リスト」を出版社・著作者に提示し、一点でも多くの著作物の公衆送信権等に関する許諾を得ていくとしています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、改正EU著作権指令で認められたテキスト・データ・マイニング(TDM)促進のため図書館向けのガイダンス文書を公開

2020年5月7日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、改正EU著作権指令「デジタル単一市場における著作権指令(the Directive on Copyright in the Digital Single Market)」で認められたテキスト・データ・マイニング(TDM)促進のための図書館向けガイダンス文書の公開を発表しました。

改正EU著作権指令では、第3条で大学・教育機関・図書館が合法的にアクセスできる著作物をマイニングする権利が認められています。また、第4条では主に商業的なデータ分析や人工知能のTDMについて著作権の例外とする規定が設けられています。LIBERが今回公開したガイダンス文書は、改正EU著作権指令を活用してTDMを実施する研究者支援を行う図書館を対象として、同協会の著作権・法的事項ワーキンググループが作成したものです。

韓国国立中央図書館(NLK)、著作物利用の同意キャンペーンを開始:国家的な災害による図書館休館時のデジタル化資料の館外利用拡大のため

2020年5月6日、韓国国立中央図書館(NLK)が、著作物利用の同意キャンペーンを開始すると発表しました。

今回の新型コロナウイルス感染症のような国家的な災害が発生し、図書館が休館した場合に、一時的にデジタル化資料の館外利用が可能となることを目的としたものです。

同館が構築したデジタル化資料110万件が対象で、同館ウェブサイトに、案内文と同意書提出窓口を設置しています。同意書では、(1)一時的、もしくは(2)利用期限の制限がない閲覧・印刷・ダウンロード、等で選択できるようになっていて、これにあわせて、同館では、利用期間の設定や終了日、既存の利用可能範囲の復元といった管理機能の改善を行って、サービスを提供するとしています。

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