著作権

欧州研究図書館協会(LIBER)、欧州におけるイノベーション・研究開発を推進する企業・研究機関の連合体“European Alliance for Research Excellence”に参加

2021年4月20日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、欧州におけるイノベーション・研究開発を推進する企業・研究機関の連合体“European Alliance for Research Excellence”(EARE)に参加したことを発表しました。

EAREは、2017年の結成以来、データを用いた機会創出を目的として、欧州の著作権規則においてテキスト及びデータのマイニング(TDM)の公正かつ効果的な利用を可能にすることを提唱してきました。LIBERのエグゼクティブ・ディレクターであるAstrid Verheusen氏のコメントも掲載されており、EAREとLIBERが欧州の著作権改革での議論を通じTDMの問題で協力してきたことを紹介し、今回のEAREへの参加により協力関係を強化していきたいと述べています。

EAREには、LIBERの他にも、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)や英国国立・大学図書館協会(SCONUL)といった複数の図書館関連団体が参加しています。

デジタルアーカイブ学会、「肖像権ガイドライン」を正式公開

2021年5月6日、デジタルアーカイブ学会が、同学会法制度部会でまとめた「肖像権ガイドライン」を、2021年4月19日に正式承認し、公表したことを発表しました。

同ガイドラインは、1月8日に「肖像権処理ガイドライン(案)」の「法制度部会版ver.4」が公開され、2月7日までパブリックコメントが行われていました。パブリックコメントやイベント・シンポジウムで寄せられた意見を踏まえて改訂が行われています。

目的として、肖像権という法的問題に向き合うための考え方のモデルを同学会が示し、デジタルアーカイブ機関における自主的なガイドライン作成の参考に資することが挙げられています。

デジタルアーカイブ学会「肖像権ガイドライン」正式公開 (2019/4/19)(デジタルアーカイブ学会, 2021/5/6)
http://digitalarchivejapan.org/7224

奈良文化財研究所、研究報告『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用3』を公開

2021年4月21日、奈良文化財研究所が、研究報告『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用3-著作権・文化財動画・GIS・三次元データ・電子公開-』を、同研究所学術情報リポジトリ上で公開したと発表しました。

内容は、以下の8部構成です。

1.総論
2.著作権・知的財産権
3.文化財多言語化の状況
4.文化財動画の取り組みと効果
5.GIS
6.デジタル技術による記録とデジタルアーカイブ
7.文化財三次元データの取り組みと効果
8.文化財報告書の電子公開と図書館

奈良文化財研究所研究報告 第27冊「デジタル技術による文化財情報の記録と利活用3」(なぶんけんブログ, 2021/4/21)
https://www.nabunken.go.jp/nabunkenblog/2021/04/Researchreports27.html

【イベント】オンライン報告会「法31条適用外の専門図書館における著作権に関する課題」(5/27・オンライン)

2021年5月27日、専門図書館協議会により、オンライン報告会「法31条適用外の専門図書館における著作権に関する課題」が開催されます。

著作権法第31条適用外の専門図書館における、実務上の困りごとや課題について、阿部麻里氏(印刷博物館 ライブラリー)、小室利恵氏(トヨタ博物館図書室)、松本美善氏(砂防図書館)から報告が行われます。

定員は70人(先着順・要事前申込)であり、参加費は、会員は無料、非会員は3,000円です。

5/27 オンライン報告会「法31条適用外の専門図書館における著作権に関する課題」開催のお知らせ(専門図書館協議会)
https://jsla.or.jp/2021-05-27-online-meeting/

参考:
図書館関係の権利制限規定の見直しを含む「著作権法の一部を改正する法律案」が閣議決定される
Posted 2021年3月8日
https://current.ndl.go.jp/node/43484

国際図書館連盟(IFLA)、カナダとシンガポールで行われている著作権法改正にかかわって意見書を提出

2021年4月13日、国際図書館連盟(IFLA)は、カナダとシンガポールで行われている著作権法改正にかかわって、意見書を提出したと発表しています。

カナダに関しては、同国が米国・メキシコとの貿易協定において、著作権の保護期間を著作権者の死後50年から70年に延長すると約束したことから、Canadian Federation of Library Associationsおよびカナダ研究図書館協会(CARL)と同じく、孤児著作物やアウト・オブ・コマース(out-of-commerce)の著作物の利用を可能とするオプションの設定と、創作後100年を経た著作物の利用を例外とすることを推奨するとしています。また、著作権者が保護期間の最後の20年間に権利の行使を望む場合の登録システムを創設し、未登録作品はパブリックドメインになることとすることを強く推奨するとしています。

また、IFLAでは、カナダのフェアディーリングによる例外規定についての柔軟性の重要性の強調、孤児著作物やアウト・オブ・コマースの著作物を扱う図書館員の責任の制限等といった点での、図書館の寄与も支持するとしています。

国際図書館連盟(IFLA)らが連名で、世界知的所有権機関(WIPO)が作成した集中管理団体(CMO)向けツールキットへの意見を公表

2021年4月2日、国際図書館連盟(IFLA)は、世界知的所有権機関(WIPO)が作成した集中管理団体(CMO)向けツールキット“WIPO Good Practice Toolkit for CMOs”への意見(2021年3月30日付け)を公表しました。IFLAのほか、国際博物館会議(ICOM)や国際公文書館会議(ICA)など複数機関による連名での公表です。

同ツールキットは、WIPOが2018年に公表したものであり、集中管理分野における世界中の法制度、規制、行動規範の例をまとめています。WIPOは2018年にも同ツールキットへの意見募集を行っていましたが、2021年に募集を再開しました。今回のIFLAらの意見は、この募集に応じて公表されたものです。

IFLAの発表によれば、同意見では、図書館やアーカイブの公正で効率的な機能・著者への報酬・著作権システムの信頼性に欠かせないものとして、CMOの透明性及び優れたガバナンスの重要性を主張しています。

cOAlition S、欧州研究図書館協会(LIBER)が策定したモデル法への賛意を表明:公的助成による研究成果物がゼロエンバーゴで二次出版可能であることを規定

2021年3月30日、cOAlition Sは、欧州研究図書館協会(LIBER)が策定したモデル法(model law)への賛意を表明しました。

モデル法は、公的助成による研究成果物がゼロエンバーゴで二次出版可能であることを規定した内容となっており、欧州連合(EU)及び欧州各国政府のレベルで研究成果物の二次出版権が取り扱われることを目的としています。

モデル法の策定は、プランSの「権利保持戦略」や欧州委員会の助成プログラム“Horizon Europe”などを背景とした、LIBERによるキャンペーンの一環として行われました。LIBERは同キャンペーンのウェブページにおいて、著者が自身の研究成果をコントロールできるような政策を全EU加盟国で導入し、各国で協調的・水平的なアプローチを採用する時が来た、と述べています。

cOAlition Sは、全EU加盟国での協調的・水平的なアプローチの採用、という簡明な目標をとりわけ歓迎すると述べています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、公的助成による研究成果物がゼロエンバーゴで二次出版可能であることを規定したモデル法を策定し公開

2021年3月16日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、公的助成による研究成果物がゼロエンバーゴで二次出版可能であることを規定したモデル法(model law)として、“Draft Law for the Use of Publicly Funded Scholarly Publications”を公開したことを発表しました。

LIBERは同日付で、プランSの「権利保持戦略」や欧州委員会の助成プログラム“Horizon Europe”などを背景に、公的助成による研究成果物のゼロエンバーゴによる公開を支援するキャンペーンを開始しました。モデル法は同キャンペーンの一環として、適法にオープンリポジトリ上でゼロエンバーゴにより研究成果物を公開可能とする目的で提案されました。LIBERの著作権・法的諸問題に関するワーキンググループとオープンアクセス(OA)に関するワーキンググループが合同で作成し、2020年6月に理事会で全会一致による承認を得ています。

国際図書館連盟(IFLA)及びEIFL、TRIPS協定における後発開発途上国向け特例措置の延長を求める共同声明を発表

2021年3月9日、国際図書館連盟(IFLA)は、世界貿易機関(WTO)の加盟国に宛てたEIFLとの共同声明(2021年3月8日付け)に署名したことを発表しました。「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」(TRIPS協定)における後発開発途上国(LDC)向け特例措置の延長を求める内容となっています。

TRIPS協定には、LDCに対し、遵守困難な可能性のある義務を負わせ開発投資に用いる資源を奪うリスクや、図書館とその利用者支援のための法律制定の余地を狭める恐れがあることから、LDCの義務免除に係る条項(第66条第1項)が含まれています。ただし、この条項が定める特例措置の適用期間は永続的なものではなく、定期的に更新する必要があります。

現在、WTOにおいて特例措置の延長に関する議論が行われていることから、延長によってLDC、そしてLDCの図書館とその利用者への支援継続を求める共同声明が作成されました。共同声明では、TRIPS協定第66条第1項の重要性は永続的なものであるとしつつ、とりわけ新型コロナウイルス感染症によりLDCの直面する課題が深刻度を増している現在においては特例措置の延長が適切であると指摘しています。

【イベント】緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業(EPAD)シンポジウム(3/13・オンライン)

2021年3月13日、寺田倉庫株式会社と緊急事態舞台芸術ネットワークが文化庁から受託する文化芸術収益力強化事業である緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業(EPAD)のシンポジウムがオンライン(YouTube)で開催されます。

EPADは、2020年に寺田倉庫と緊急事態舞台芸術ネットワークが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い困難に陥っている舞台芸術等を支援し、収益力強化に寄与することを目的に行われているもので、公演映像・Eラーニング・戯曲・舞台美術の4種4,300点近くの舞台芸術資料が収集されました。

現在は、映像作品280本の配信を行うための権利処理が実施されており、同シンポジウムは、アーカイブ収集・権利処理におけるイノベーション、変化する市場およびユーザーのニーズに適した配信方法や技術について調査・検証した成果を報告することを目的に開催されます。

内容は以下の通りです。

●1部 事業報告
・EPADの実績報告
発表者:伊藤達哉氏(EPAD事務局長)・三好佐智子氏(EPAD事務局)

・舞台×権利処理2.0 配信の「壁」と各団体協力の成果
発表者:福井健策氏(弁護士・EPAD実行委員)

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