著作権

欧州連合知的財産庁(EUIPO)、「アウト・オブ・コマース」の著作物の利用に関する情報を提供するポータルサイト“Out-Of-Commerce Works Portal”を公開

2021年6月7日、欧州連合知的財産庁(EUIPO)は、「アウト・オブ・コマース」の著作物(Out-of-commerce works)の利用に関する情報を提供するポータルサイト“Out-Of-Commerce Works Portal”の公開を発表しました。

発表では、「アウト・オブ・コマース」の著作物について、書籍、映画、映像作品などの著作物のうち、著作権保護期間内であるものの、商業的に利用されていない、または利用されたことがないものと定義しています。

“Out-Of-Commerce Works Portal”の公開は、欧州連合(EU)の「デジタル単一市場における著作権指令」第10条第1項に基づくものです。同指令では、文化遺産機関が所蔵する「アウト・オブ・コマース」作品に関し、非営利目的でのオンライン公開等を可能とする規定を設けるとともに、著作権者らによるオプトアウトの仕組みも定めています。第10条第1項では、同指令が定める著作権の制限による「アウト・オブ・コマース」作品の利用に際し、単一かつ一般にアクセス可能なポータルサイトを通じた事前の情報提供を求めており、ポータルサイトの設置及び管理はEUIPOが行うことになっていました。

欧州委員会、「デジタル単一市場における著作権指令」第17条の国内法化を支援するためのガイダンスを公開:ユーザ投稿型プラットフォームにおける著作物の利用に関する条項

2021年6月4日、欧州委員会(EC)は、欧州連合(EU)の「デジタル単一市場における著作権指令」に関し、同指令第17条の国内法化を支援するためのガイダンスの公開を発表しています。第17条は、ユーザ投稿型プラットフォームにおける著作物の利用に関する条項です。

同指令第17条第10項では、ECに対し第17条の適用に関するガイダンスの作成を求めています。今回の公開は、この規定に応じて行われたものです。

発表では、EU各国での同指令国内法化の期限日が2021年6月7日であることにも言及しています。6月7日には国際図書館連盟(IFLA)やEuropeanaも関連記事を公開しており、完全な国内法化を実施済みなのはオランダ、ハンガリー、ドイツのみであることなど、EU各国における国内法化の状況を紹介しています。

アーカイブズにおける、利用者からのデジタル化の要望への対応:対応判断のワークフロー(文献紹介)

2021年6月1日付で、Journal of Copyright in Education and Librarianship誌のVol.5 No.1に、米国のノーステキサス大学図書館に所属するKevin S. Hawkins氏とJulie Judkins氏による論文“Formulating a Scalable Approach to Patron-Requested Digitization in Archives”が掲載されています。

論文の中では、同大学を含め、新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴い、利用者からの資料デジタル化・共有の要望が増えたことや、これまでに発表されたワークフローや方策等に触れています。そして、米国著作権法の規定に基づいたリスク評価を踏まえ、利用者から寄せられるアーカイブズ資料のデジタル化要望への対応を迅速に判断するためのワークフローを示しています。

また、コロナ禍以降においてもコレクションをリモートで提供できるようなポリシーの策定を行うため、専門家委員会を設置することを提案しています。

オーストラリア図書館協会(ALIA)、公共図書館の分館が少額の年間使用料を支払うことで出版社がオンラインの読み聞かせでの絵本の利用を許可する取組(試行)に係る最初の四半期の報告書を公表

2021年5月12日、オーストラリア図書館協会(ALIA)が、公共図書館の分館が少額の年間使用料を支払うことで出版社がオンラインの読み聞かせでの絵本の利用を許可する取組(試行)に係る最初の四半期(2021年1月から3月)の報告書を公表しています。

報告書によると、同期間において、全国の約3分の1にあたる115の図書館が取組に参加し、5万オーストラリアドルを超す金額が出版社・著者・イラストレーターに分配されました。また、290以上のレコーディング、1万7,000以上の視聴があり、使用料に加え、965冊の図書が参加館で購入され、ある出版社ではリストに掲載された図書が226冊も購入されました。

参加館からは同取に対して好意的な意見が寄せられています。

改正著作権法が成立:図書館関係の権利制限規定の見直し等

2021年5月26日、図書館関係の権利制限規定の見直し等を含む改正著作権法案(著作権法の一部を改正する法律案)が、参議院本会議において可決・成立しました。

本会議投票結果(参議院)
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/204/204-0526-v001.htm

第204回国会での内閣提出法律案(内閣法制局)
https://www.clb.go.jp/recent-laws/diet_bill/id=3796
※「第204回国会での提出案件」の閣法番号57に「著作権法の一部を改正する法律案」が掲載されています。

【イベント】専門図書館協議会2021年度全国研究集会(6/8-9・オンライン)

2021年6月8日と6月9日に、専門図書館協議会2021年度全国研究集会がオンラインで開催されます。

参加には事前の申し込みが必要です(有料)。

当日の主な内容は以下の通りです。

●6月8日
・「専門図書館と著作権 最新動向 2021」(仮)
生貝直人氏(一橋大学大学院法学研究科 准教授)

・「企業の価値を高める企業図書館」
石田嘉郎氏(株式会社ニチレイフーズ研究開発部食品科学グループマネージャー)

・「専門図書館の資金調達」
廣安ゆきみ氏(READYFOR 株式会社)、武藤祥子氏(公益財団法人松竹大谷図書館)、鴨志田浩氏(公益財団法人大宅壮一文庫)

●6月9日
・「「保存管理自己点検表」実践から学ぶ資料保存」
能勢美紀氏(日本貿易振興機構アジア経済研究所図書館)、眞野節雄氏(日本図書館協会資料保存委員会委員長)

・「今すぐ始める図書館資料の水害対策」 眞野節雄氏(日本図書館協会資料保存委員会委員長)

・「繋がるデジタルアーカイブ~今、専門図書館ができること~」
奥村牧人(国立国会図書館電子情報部)、中村覚氏(東京大学史料編纂所)

一般社団法人日本出版者協議会(出版協)、「著作権法の一部を改正する法律案」に対する見解を公開

2021年4月28日、一般社団法人日本出版者協議会(出版協)が、「著作権法の一部を改正する法律案」に対する見解を公開しました。

今回の著作権法改正の経緯や改正項目に関する検討がまとめられており、改正の必要性や制度設計に関し、国会での慎重な審議を要望することや、主要な点についての見解が表明されています。

また、5月14日に、同見解の作成に関して、出版協理事の成澤壽信氏の記事「「著作権法改正案に対する出版協の見解」をまとめるにあたって(ほんのひとこと)」が掲載されています。

第204回国会提出「著作権法の一部を改正する法律案」に対する見解(出版協, 2021/4/28)
https://www.shuppankyo.or.jp/post/seimei20210428

欧州研究図書館協会(LIBER)、欧州におけるイノベーション・研究開発を推進する企業・研究機関の連合体“European Alliance for Research Excellence”に参加

2021年4月20日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、欧州におけるイノベーション・研究開発を推進する企業・研究機関の連合体“European Alliance for Research Excellence”(EARE)に参加したことを発表しました。

EAREは、2017年の結成以来、データを用いた機会創出を目的として、欧州の著作権規則においてテキスト及びデータのマイニング(TDM)の公正かつ効果的な利用を可能にすることを提唱してきました。LIBERのエグゼクティブ・ディレクターであるAstrid Verheusen氏のコメントも掲載されており、EAREとLIBERが欧州の著作権改革での議論を通じTDMの問題で協力してきたことを紹介し、今回のEAREへの参加により協力関係を強化していきたいと述べています。

EAREには、LIBERの他にも、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)や英国国立・大学図書館協会(SCONUL)といった複数の図書館関連団体が参加しています。

デジタルアーカイブ学会、「肖像権ガイドライン」を正式公開

2021年5月6日、デジタルアーカイブ学会が、同学会法制度部会でまとめた「肖像権ガイドライン」を、2021年4月19日に正式承認し、公表したことを発表しました。

同ガイドラインは、1月8日に「肖像権処理ガイドライン(案)」の「法制度部会版ver.4」が公開され、2月7日までパブリックコメントが行われていました。パブリックコメントやイベント・シンポジウムで寄せられた意見を踏まえて改訂が行われています。

目的として、肖像権という法的問題に向き合うための考え方のモデルを同学会が示し、デジタルアーカイブ機関における自主的なガイドライン作成の参考に資することが挙げられています。

デジタルアーカイブ学会「肖像権ガイドライン」正式公開 (2019/4/19)(デジタルアーカイブ学会, 2021/5/6)
http://digitalarchivejapan.org/7224

奈良文化財研究所、研究報告『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用3』を公開

2021年4月21日、奈良文化財研究所が、研究報告『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用3-著作権・文化財動画・GIS・三次元データ・電子公開-』を、同研究所学術情報リポジトリ上で公開したと発表しました。

内容は、以下の8部構成です。

1.総論
2.著作権・知的財産権
3.文化財多言語化の状況
4.文化財動画の取り組みと効果
5.GIS
6.デジタル技術による記録とデジタルアーカイブ
7.文化財三次元データの取り組みと効果
8.文化財報告書の電子公開と図書館

奈良文化財研究所研究報告 第27冊「デジタル技術による文化財情報の記録と利活用3」(なぶんけんブログ, 2021/4/21)
https://www.nabunken.go.jp/nabunkenblog/2021/04/Researchreports27.html

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