納本制度

E2374 - 米国で電子書籍の法定納本が開始される

2020年12月14日,米国において,著作権登録に関する規則(PART 202, Title 37, Code of Federal Regulations)の改正により,オンラインのみで出版された電子書籍(electronic-only books)が法定納本の対象となる最終規則(final rule)が発効した。この最終規則の要点を紹介したい。

納本制度審議会、国立国会図書館に答申「オンライン資料の制度収集を行うに当たって補償すべき費用の内容について」を提出

2021年3月26日、国立国会図書館(NDL)は、国立国会図書館長の諮問機関である「納本制度審議会」から提出された答申「オンライン資料の制度収集を行うに当たって補償すべき費用の内容について」を、ウェブサイト上で公開しました。

同答申は、有償またはデジタル著作権管理(DRM)ありのオンライン資料の収集や補償のあり方について、調査審議の結果を総括したものです。

納本制度審議会から答申が提出されました(付・プレスリリース)(NDL, 2021/3/26)
https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2020/210326_01.html

納本制度審議会から答申が提出されました[PDF:693KB]
https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2020/__icsFiles/afieldfile/2021/03/25/pr210326.pdf

ロシア国立図書館(モスクワ)とロシア書籍院の統合が決定

2021年2月1日、ロシア国立図書館(モスクワ)は、同館とロシア書籍院(Rossiiskaia knizhnaia palata)との統合に向けたロードマップが、2021年1月26日付のロシア政府命令によって承認されたことを発表しました。ロシア書籍院がロシア国立図書館(モスクワ)に吸収合併されることになります。

ロシア書籍院は、1917年にペトログラード(現在のサンクト・ペテルブルグ)に創設された「書籍院」を前身とし、2013年からは国営通信社イタル・タス(現在のTASS)傘下の一支局となって、ロシア連邦における義務納本の窓口として、全国書誌の作成やISBN・ISSNの付与等を担っていました。

これまで、書誌作成や納本出版物の保存は、ロシア国立図書館(モスクワ)とロシア書籍院のそれぞれにおいて重複して行われており、業務の非効率や納本を義務づけられている出版者の負担等が問題視されていました。

今回の統合によって、そうした問題が解消されることに加え、総資料点数が2億点を超えることが見込まれ、ロシア国立図書館(モスクワ)によれば、同館は統合によって蔵書面で「世界最大の図書館となる」とされています。

米国著作権局、オンラインのみで出版された電子書籍に対する法定納本の最終規則を公表:2020年12月14日発効

2020年11月12日、米国著作権局は、オンラインのみで出版された電子書籍(Electronic-Only Books)を法定納本の対象とすることを規定した最終規則(final rule)を公表しました。発効日は2020年12月14日です。

米国著作権法第407条は、米国内で発行された著作物の著作権者に対して、米国議会図書館(LC)における利用に供するため、2部納本することを定めていますが、著作権局長は特定の種類の著作物の納本義務を免除する権限を有しています。オンライン出版物については、電子逐次刊行物を除いて、法定納本の対象に含めない暫定規則(interim rule)が2010年に定められました。

その後、米国著作権局は、暫定規則の最終規則化に向けて、オンラインのみで出版された電子書籍も電子逐次刊行物同様に納本対象とする内容で、2018年に規則案を作成しました。なお、納本対象となる電子書籍は、「1巻または特定の巻数の下、米国内で発行され、オンライン上でのみ利用可能な電子フォーマットによる言語の著作物」と定義されており、電子メール・ブログ・ウェブサイト・オーディオブック等は対象に含まれません。

国際図書館連盟(IFLA)著作権等法的問題委員会(CLM)、既存の法定納本制度の分析や新規の法定納本制度策定を支援するチェックリストを公開

2020年11月18日、国際図書館連盟(IFLA)の著作権等法的問題委員会(CLM)がチェックリスト“LEGAL DEPOSIT POLICY CHECKLIST”を公開しました。

法定納本制度についての考察において重要な論点が無視されないようにすることを保証するために作成されたもので、IFLAの「納本制度に関する声明(Statement on Legal Deposit)」やUNESCOの「法定納本制度ガイドライン(Guidelines for Legal Deposit Legislation)」およびIFLAの国立図書館分科会や著作権等法的問題委員会からのコメントに基づいて作成されました。

新規の法定納本制度の策定を支援することや既存の法定納本制度の分析に用いることが想定されています。

IFLA Releases Checklist for Legal Deposit Laws(IFLA,2020/11/18)
https://www.ifla.org/node/93468

E2322 - オランダ・ILP Labによるウェブサイト収集への提言

オランダのアムステルダム大学情報法研究所(Institute for Information Law)が所管する学生イニシアチブ,The Glushko & Samuelson Information Law and Policy Lab(ILP Lab)は,2020年8月,ポリシーペーパー“Web harvesting by cultural heritage institutions”を公開した。

韓国国立中央図書館(NLK)、ロシア国立図書館(モスクワ)とオンラインによる館長会談を実施:デジタル資料の納本に関する情報共有やロシア国立図書館所蔵の北朝鮮発行資料等のデジタル化

韓国国立中央図書館(NLK)は、2020年9月16日、同館館長と、ロシア国立図書館(Russian State Library;モスクワ)の館長が、オンライン会談を実施したと発表しています。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大下による両国の図書館の対応や展望、両国の図書館の主要政策や協力事業に関して意見交換を行なったもので、両機関では、非対面サービスへの転換においてデジタル化資料の収集がさらに重要になることから、デジタル資料の納本法の施行と制度化に関して情報を共有し、協議していくとしています。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により延期されているロシア国立図書館所蔵の韓国関連資料のデジタル化収集が今後正常化するよう、年内に相互協定を締結するとしています。NLKの説明によると、ロシア国立図書館の東洋文献センターには北朝鮮発行資料をはじめとする旧ソ連やロシアで韓国語で発行された資料が多数所蔵されているとのことです。

オランダ・ILP Lab、文化遺産機関によるウェブサイト収集に関するポリシーペーパーを公開:収集における法的課題や複数国の法制度等を調査

2020年8月28日、オランダのThe Glushko & Samuelson Information Law and Policy Lab(ILP Lab)は、ポリシーペーパー“Web harvesting by cultural heritage institutions”の公開を発表しました。

ILP Labは、オランダ・アムステルダム大学情報法研究所(Institute for Information Law)に属しており、学生が運営するイニシアチブです。欧州の情報法分野において、基本的な権利と自由の保護を踏まえた政策解決の発展・促進に携わっています。

このポリシーペーパーは、ILP Labがオランダ国立図書館及びオランダ視聴覚研究所との協力のもと作成したものであり、文化遺産機関によるウェブサイト収集に関する法制度を策定する際に考慮すべき事項を論じています。作成の背景として、オランダには文化遺産機関がウェブサイト収集を許諾なしに行うための法制度がないためオンラインの文化遺産が収集されず日々失われつつあることを、作成の目的として、現在オランダで進められている法制度導入の検討に資することを挙げています。

韓国で図書館法改正案3本が国会に提出される:広域代表図書館の機能強化・公共図書館の登録制・図書館の日の制定・特化図書館の規定・公共図書館設置前の事前評価制・障害者用デジタルファイルの提出先変更等

韓国の国会に、図書館法の改正案が3本提出されており、2020年8月25日、韓国図書館協会(KLA)が各案の内容を紹介しています。

42人の議員の連名で発議された「図書館法全部改正法案」(議案番号2222、提案日2020年7月21日)は、1963年の同法制定以降、現行法体系が、図書館の社会的責任やその役割遂行に大きな貢献をしてきたものの、図書館を取り巻く環境が大きく変化したこと、また、図書館の運営と発展に対して国が責任を負えるように体系を再整備するとともに、障害者等の情報弱者に対する配慮を強化し、市民が図書館を普遍的に利用できるように関連規定を整備する必要があることから、広域代表図書館を公共図書館の一つのタイプとして、管轄地域の図書館の公共性強化の中心機関としての役割を実行させるとしています。また、公共図書館を登録制に変更し図書館に対する管理・監督を強化する一方、毎年4月12日を図書館の日と定め、同日から1週間を図書館週間として、図書館の発展を通じた文化先進国を実現することを意図するもの、とされています。

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