知的自由

総務省、インターネット上の海賊版対策に係る同省の政策メニューを公表

2020年12月25日、総務省は、資料「インターネット上の海賊版対策に係る総務省の政策メニュー」を公表しました。

2021年1月1日施行の改正著作権法において、違法にアップロードされた著作物(漫画・書籍等)のダウンロードが違法化されることを踏まえ、同省が関係省庁・関係団体及び事業者と連携しつつ実施する取組について政策メニューを取りまとめたものです。

公表資料では、次の4つの取組が挙げられています。

1.ユーザに対する情報モラル及びICTリテラシーの向上のための啓発活動
2.セキュリティ対策ソフトによるアクセス抑止方策の促進
3.発信者情報開示に関する取組
4.海賊版対策に向けた国際連携の推進

インターネット上の海賊版対策に係る総務省の政策メニューの公表(総務省, 2020/12/25)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban18_01000108.html

札幌弁護士会、会長名で「捜査関係事項照会に対する公立図書館等の対応に関する意見」を公表

2020年12月23日、札幌弁護士会は、会長名で「捜査関係事項照会に対する公立図書館等の対応に関する意見」を公表しました。

図書館の利用に関する照会は利用者のプライバシー権に関わる重要な問題とし、捜査機関に対し、図書の貸出・閲覧情報等の照会に当たっては刑事訴訟法218条に基づく捜索差押等の手続を取ることを求めています。また、公立図書館・大学図書館に対しては、令状を伴わない照会に応じ利用者に関するこのような情報を提供しないよう求めています。

札幌弁護士会では、2020年3月、札幌弁護士会管内の市町村の基幹図書館及び大学図書館計102館を対象に、令状によらない捜査関係事項照会を受けたことがあるかを尋ねるアンケート調査を行いました。回答があった43館のうち10館が「受けたことがある」と回答し、その内5館は照会事項に対して回答していました。今回の意見はこの調査結果を踏まえて公表されました。

捜査関係事項照会に対する公立図書館等の対応に関する意見(札幌弁護士会, 2020/12/23付け)
https://satsuben.or.jp/statement/2020/12/23/239/

LIS Newsが選ぶ2020年の図書館・図書館情報学関連の10大ニュース(米国)

2020年12月15日、図書館や図書館情報学に関するニュースを掲載している米国のブログLIS Newsが、同ブログが選ぶ2020年を形作った10大ニュースを発表しています。

1.いくつかの例外を除き、職員や利用者の健康を守るための図書館の閉鎖が遅く、閉鎖される前に図書館の閉鎖に関するキャンペーンが広がる

2.誤った情報が生命や民主主義を危険にさらしているが、悪い情報と戦う上での図書館員の役割は不明確のまま

3.地域の書店を支援するために設立されたオンライン書店BookshopによるAmazonへの挑戦

4.知的財産権の問題をはらむ新型コロナウイルスワクチンの探究

5.インターネットアーカイブ(IA)によるNational Emergency Library

6.コロナ禍でのオンライン試験の拡大とオンライン試験監視ソフトウェアによる監視方法の問題

米国図書館協会(ALA)、人種と性のステレオタイプに関する大統領令に対して批判声明を発表

2020年10月29日、米国図書館協会(ALA)は、9月22日付で発令された人種と性のステレオタイプに関する大統領令“Executive Order on Combating Race and Sex Stereotyping”に対する声明を発表しました。

この大統領令は、連邦政府の職員・政府からの契約を請け負った事業者・助成金の受領者に対して、批判的人種理論や白人優位主義に関する議論・検討を禁止し、ダイバーシティに関する教育・研修を中止することを求めています。ALAは発表した声明の中で、この大統領令がダイバーシティに関する教育・研修は人種差別や性差別を再生産するという悪意に満ちた誤りの主張に基づいているとして、否定する立場を明らかにしています。

ALAは、図書館・図書館員が、黒人・先住民・有色人種の人々を抑圧・排除し、女性への機会平等を否定するシステムに加担してきたことを認識し、平等な権利と機会を保障する国家の義務を果たすためには、痛ましく残酷な歴史に学ぶことが不可欠であると主張しています。また、助成金交付の中止を恐れてプログラムの中止を決めた機関が確認され、ホットラインを設置して違反の報告が奨励されていることについて、「マッカーシズム」による検閲を想起させるものとして懸念しています。

米国図書館協会(ALA)、「2010年代に最も禁書とされ批判を受けた図書100タイトル」を発表

2020年9月27日、米国図書館協会(ALA)の知的自由部(OIF)は、過去10年間に最も禁書とされ批判を受けた図書100タイトルのリストとして、“Top 100 Most Banned and Challenged Books: 2010-2019”を発表しました。

同リストは、合衆国憲法修正第1条の擁護や読書の自由の重要性を訴えるための「禁書週間(Banned Books Week)」の開始を告げるものとして発表されました。LGBTQIA+・性的な描写・宗教的な視点・人種差別や警察による残虐行為・冒涜的な内容など、様々な理由で批判を受けた図書が含まれ、第1位にはシャーマン・アレクシー(Sherman Alexie)の『はみだしインディアンのホントにホントの物語(The Absolutely True Diary of a Part-Time Indian)』が選出されています。

米・法律図書館マイクロフォームコンソーシアム(LLMC)、市民権・人権に関する情報提供ハブとして機能するポータルサイト“RIGHTS! portal”を公開

2020年9月1日、米国の法律図書館マイクロフォームコンソーシアム(Law Library Microform Consortium:LLMC)は、市民権・人権に関する情報提供ハブとして機能する無料でアクセスの可能なポータルサイト“RIGHTS! portal”の公開を発表しました。

LLMCは市民権・法の支配が重大な脅威に晒されている状況に触発されて、“RIGHTS! portal”の構築を進めました。ポータルサイトの構築は、有色人種をはじめとする周縁化された人々が直面する不正義への対応であり、そのような人々にとっての貴重な情報源としての役割を果たす意図があると説明しています。

“RIGHTS! portal”は、国レベルから地域レベルまで、憲法、人権・市民権を規定した法律、司法当局、人権・市民権に関する委員会に関連した主要なオンライン情報源や、擁護団体を含むNGOのウェブサイトへのリンク、関連文書等へのリンクについて、最新情報を提供しています。主に米国に関する資料が提供されていますが、米国外や国際機関の資料も含まれています。また運営に当たって、資料の評価や外部からの意見・依頼等へ対応するため、専門家で構成する諮問委員会が設置されています。

米国化学会(ACS)、著者の名称表記に関する新方針を発表:著者の求めに応じて発表済文献の表記を更新可能に

2020年9月10日、米国化学会(ACS)の出版部門は、ACSの出版物から発表済の文献について、著者の名称表記の更新を可能とする方針を策定したことを発表しました。

2020年10月の同方針適用後、ジェンダー・婚姻・宗教等の理由を問わず、自身の名前を変更した著者は、ACSの出版物から発表済の文献における名称表記を最新の内容へ更新するように求めることができます。プライバシー保護のため、表記の更新にあたって証明書等を著者に求めることは行われず、発表当時の編集者や共著者へも更新は通知されません。また、名称の変更は私的な領域に属する決定であること等の理由から、当該文献の修正とはみなされないことや、同方針による名称表記の変更は代名詞・敬称等を含む文献内の全ての箇所で適切に反映されることを説明しています。

ACSは、トランスジェンダー研究者コミュニティの求めに応じて同方針を策定しました。今後も旧名称の更新を希望する全ての著者と協力しながら、そのニーズに適応できるように方針の検討を継続し、運用の次の段階として、引用における著者の名称表記の更新に取り組むことを表明しています。

英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)が「国家データ戦略」を発表

英国政府のポータルサイト“GOV.UK”に2020年9月9日付で、デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)による「国家データ戦略(National Data Strategy)」が掲載されています。

英国政府の「国家データ戦略」は、データの利活用に対して国民の信頼を得ながら、世界最先端のデータ経済の構築に向けて英国を牽引することを目的に策定されました。民間・公共の別や組織の大小を問わず、現代経済の原動力となっているデータに関して、英国政府の行動の枠組みを定めたものとして説明されています。

「国家データ戦略」では、データの最適な利活用に関する戦略の中核として、「データの基盤」「データを扱う技術」「データの可用性」「責任あるデータの運用」を定めています。また、これらの戦略の中核と関連する優先行動領域として次の5点を挙げています。

1. 経済全体におけるデータの利活用の価値を明確化する
2. 成長を促すと同時に信頼されるデータの利活用体制を構築する
3. 効率化・公共サービスの改善を目指して政府のデータ利活用のあり方を変革する
4. データを支えるインフラストラクチャーの安全・回復力を保障する
5. 国境を越えたデータの流通を支援する

国際図書館連盟(IFLA)、欧州の「デジタルサービス法」への意見を提出

2020年9月8日、国際図書館連盟(IFLA)は、欧州委員会による「デジタルサービス法」(Digital Services Act)策定に関する意見募集に応じ、意見を提出したことを発表しました。欧州委員会は、2020年6月2日から9月8日にかけて意見募集を行っていました。

IFLAの発表によれば、デジタルサービス法はインターネットのプラットフォームに関する新たなルールの策定をもたらすものであり、これらのルールは政府によるオンライン規制の新基準を設定しうるため、図書館界を含むデジタル分野の全ステークホルダーに対し世界的な影響を及ぼします。

IFLAは、次の法的枠組みにおいて、著作権の例外や制限を含め、表現の自由や情報へのアクセスの自由といったユーザーの基本的権利の尊重と確保を主張するため、図書館分野を代表して意見提出を行ったと述べています。IFLAの意見として以下の内容等が示されています。

国際図書館連盟(IFLA)、「性と生殖に関する健康と権利(SRHR)」に関する国際連合の意見照会に回答を提出:意識向上・情報アクセス保障など図書館の果たす役割等を表明

2020年9月3日、国際図書館連盟(IFLA)情報への自由なアクセスと表現の自由に関する委員会(FAIFE)は、女性・女児の「性と生殖に関する健康と権利(Sexual and Reproductive Health and Rights:SRHR)」に関する国際連合の人権高等弁務官事務所(Office of the High Commissioner for Human Rights: OHCHR)の意見照会に対して、回答を提出したことを発表しました。

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