知的自由

米国のランド研究所、難民及び難民支援組織のデジタル技術の活用・ニーズ・欠落状況等を分析した調査報告書を公開

2019年12月17日、米国に拠点を置く公共政策課題の解決策開発等に取り組む非営利の研究組織・ランド研究所(RAND Corporation)は、調査報告書“Crossing the Digital Divide: Applying Technology to the Global Refugee Crisis”を公開しました。

強制退去により難民となることを余儀なくされた人々は2018年には7,100万人に達し20年前の約2倍に増加しています。この深刻化する危機の中で、デジタル情報技術は難民や難民の支援組織にとって重要なリソースであり、また人道上の問題解決において重要な役割を果たすものと考えられています。

こうしたことを背景に、公開された報告書では、デジタル情報技術の活用・ニーズ・欠落状況や、難民を支援し難民支援組織の役割を向上させるためのよりよいデジタル情報技術活用のための機会に関する分析が行われています。また難民問題特有の倫理・セキュリティ・プライバシーに関する考慮事項の検討やデジタル情報技術導入にあたっての障壁の調査、デジタル情報技術の展開に関するシステマティックなアプローチを構築するためのツールの紹介なども扱っています。

LIS Newsが選ぶ2019年の図書館・図書館情報学関連の10大ニュース(米国)

2019年12月15日、図書館や図書館情報学に関するニュースを掲載している米国のブログLIS Newsが、同ブログが選ぶ2019年の10大ニュースを発表しています。

1. 図書館の延滞料金徴収廃止の動き

2. 出版社への抵抗(カルフォルニア大学とElsevier社の交渉決裂、ニューヨーク公共図書館による動画配信サービスKanopyへの無料アクセス提供中止、Macmillan社・Pearson社による図書館向け電子書籍提供モデル変更への反対、Plan Sの緩やかな前進)

3. 論争を引き起こす講演者によるイベントの中止問題

4. ディスカバリーサービスとアルゴリズムバイアスの問題

5.プライバシーの問題(LinkedIn Learning、FaceApp、顔認識ソフト、2020年国勢調査での市民権に関する質問)

6.フロリダ州の郡政委員会による図書館からのニューヨークタイムズへのアクセス遮断、及び、アイダホ州の図書館利用者による反トランプ資料の書架からの除去

7.ゲーム番組「ジェパディ!」での図書館員エマ・ブッチャーの勝利

8.無神経な建築家(階段でないと利用できない場所に本棚を設置したクイーンズ公共図書館の分館、盗撮されやすい構造のコーネル大学図書館)

北米の都市図書館協議会(ULC)の電子書籍への公平なパブリック・アクセスの必要性に関する声明に対して北米の市・郡の公選役職者77人が署名

2019年11月7日、北米の都市図書館協議会(ULC)は、電子書籍への公平なパブリック・アクセスの必要性に関する声明“Statement on Equitable Public Access to E-Books”に対して、北米地域の市長や郡長官等の公選役職者77人が署名したことを発表しました。ULCは署名者が所属する自治体の住民数を合計すると4,400万人以上に上ることを発表しています。

総務省、フェイクニュース対策についてFacebook、Google、Yahoo!、LINEら「プラットフォーマー」と検討の方針

フェイクニュース拡散の問題をめぐって、総務省がFacebookやGoogleなどの「プラットフォーマー」と対策を検討する方針であることが報じられています。

フェイクニュースについて、総務省は有識者会議「プラットフォームサービスに関する研究会」を開催し、対応を議論しています。報道によれば、Facebook、GoogleのほかYahoo!、LINEといった国内外のプラットフォーマー、およびファクトチェックを行う民間の団体などに呼びかけ、対策を検討する方針であるとのことです。一方で報道では、表現の自由侵害の懸念から、法律による規制ではなく、プラットフォーマーによる自主的対策が想定されている、ともされています。

有識者会議による最終的な提言は2019年内にまとめられるとのことです。

“フェイクニュース”対策に本腰 総務省 大手IT企業と連携(NHK、2019/11/17付け)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191117/k10012180111000.html

国際図書館連盟(IFLA)、改正EU著作権指令に関する図書館員の関与の重要性と関与のための手順等を解説した記事を掲載

2019年11月6日、国際図書館連盟(IFLA)は、2019年6月に施行された改正EU著作権指令について、図書館員の関与の重要性と関与のための手順等を解説した記事として、“European Copyright Directive Implementation Advances: How Can You Get Involved?”を掲載しました。

改正EU著作権指令の発効後、オランダ・ドイツでは図書館を含む様々な利害関係者の提言を集めるためにすでに公開協議が開催され、フィンランド・ハンガリー・アイルランドでは、図書館の専門家がそれぞれの政府と協議を開始するなど、実施に向けた準備が進んでいます。IFLAは改正EU著作権指令に含まれる内容と図書館員の関与の重要性、関与のために踏むべき手順等を同記事の中で解説しています。

大手出版社Macmillan社、図書館向け電子書籍提供モデル変更を実施:米国図書館協会(ALA)は継続して反対キャンペーンを展開

2019年11月1日、米国の大手出版社Macmillan社は、図書館向け電子書籍提供モデル変更を実施しました。新刊書の購入を各図書館1冊までに制限し2冊目以降の購入に8週間のエンバーゴを設けるという内容です。

米国図書館協会(ALA)は同日付のお知らせで、方針撤回を求める強固な世論が存在するにもかかわらず、同社はモデル変更の実施を行った、としています。ALAは同社の決定を受けて、今後も2019年9月11日からオンライン上で展開している同社への抗議キャンペーン“eBooksForAll.org”で、同社の方針への反対署名を募りながら電子書籍の購入制限がコミュニティへ与える影響に関するエピソードを収集する予定です。また、議会への働きかけをさらに強めることも表明しています。

【イベント】シンポジウム「文化遺産の意図的な破壊―人はなぜ本を焼くのか―」(12/1・東京)

2019年12月1日、政策研究大学院大学想海樓ホール(東京都港区)において、文化遺産国際協力コンソーシアム、文化庁が主催するシンポジウム「文化遺産の意図的な破壊―人はなぜ本を焼くのか―」が開催されます。

開催趣旨によれば、歴史的に行われてきた焚書や文化遺産の「意図的な」破壊行為を振り返り、破壊する側の「論理」に照準を当て、何を否定し、どのような効果を狙って破壊するのかを問うことにより、社会にとっての書物、ひいては文化遺産の意義について考えるシンポジウムとあります。

参加費無料、定員300名(事前申し込み要)です。当日の主なプログラムは次のとおりです。

講演1「秦始皇帝の焚書坑儒の真相」
鶴間和幸氏(学習院大学文学部教授)

講演2「エジプトにおける文字記録の抹殺とアレクサンドリア大図書館の焼失」
近藤二郎氏(早稲田大学文学部教授)

講演3「ユーゴ内戦時の文化遺産の破壊―サラエヴォ図書館、コソボの教会堂などを例として―」
鐸木道剛氏(東北学院大学文学部教授)

講演4「テロと古文書と誇り―マリ北部トンブクトゥにおける事例から―」
伊藤未来氏(西南学院大学国際文化学部講師)

米国図書館協会(ALA)、図書館のコアサービス提供機能を制限するデジタル市場の商慣行是正を求めたレポートを米国下院に提出

2019年10月23日、米国図書館協会(ALA)は、図書館のコアサービス提供機能を制限するデジタル市場の商慣行の是正を求めたレポートを米国下院に提出したことを発表しました。レポートは、Macmillan社が2019年11月1日から実施する図書館向け電子書籍の新しい提供モデルへのALAの抗議キャンペーン“#eBooksForAll”に続く形で公開されました。

ALAは、米国の下院司法委員会の下に設置された独占禁止法・商法および行政法に関する小委員会によるデジタル市場における競争の状況に関する情報提供の求めに応じたレポートとして、2019年10月15日付で“Competition in Digital Markets”を作成しました。ALAはレポートを通して、デジタル市場におけるAmazon社・Macmillan社等の企業の商慣行が、米国民の何をどのように選んで読書を行うかに関する権利を脅かし、合衆国憲法修正第1条で定められた基本的な自由を損なっていることを強調し、こうした反競争的な商慣行是正を議員らに訴えています。

国立情報学研究所(NII)、『NII Today』第85号を刊行:「フェイクに挑む/不正な情報を見抜くために」が特集テーマ

2019年10月21日、国立情報学研究所(NII)は、『NII Today』第85号(2019年9月)の刊行を発表しました。

「フェイクに挑む/不正な情報を見抜くために」を特集テーマとし、以下の4本の記事を掲載しています。なお、同紙は無料で全文PDFを公開しています。

・NII Interview:世界の研究者とチームを組んで 増え続けるフェイク情報と闘う
・Interview:ネット言説の信頼性評価に挑む
・Dialog:研究不正の反省から 独自の対策システムを開発
・Essay:情報操作からSNSを守れ

最新トピックス一覧(NII)
https://www.nii.ac.jp/news/
※2019年10月21日付けのニュースに「広報誌 NII Today 第85号 「フェイクに挑む/不正な情報を見抜くために」を発行」とあります。

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