欧州図書館(TEL;CA1556 [1],E312 [2]参照)は,5月から6月にかけてTELポータルサイトの利用者を対象としたアンケート調査を実施したが,先ごろ,TELおよび調査を請け負ったIRN Researchのプレスリリースにおいて,その結果が報告された。
これによると,多くの回答者がTELの利便性を評価している一方,約4分の3が検索システム,検索のしやすさという点で課題があると答えている。TELは現在,14館115種のデータベースから検索の対象としたいものをあらかじめ選択した上で検索する“Advanced Search”と,対象を12館12種のデータベース(主に国立図書館のOPAC)に限って単一の検索窓を用いた検索を行う“Simple Search”を提供しているが,利用者の多くは,“Simple Search”からすべてのデータベースを横断的に検索した結果を得たいと考えていることが明らかになった。
GoogleやYahoo!の便利さを考えると,利用者がこのような検索方式を求めることはごく自然ではある。しかし,上に述べたデータベース数の制限から,“Simple Search”で検索した場合,本来得られるべき結果の約9割が検索結果から漏れてしまうという。TELによると,単一の検索窓ですべてのデータベースを横断的に検索するためには,全データベースのデータをひとつのデータベースにまとめる方法もあるが,サーバに過重な負担がかかるほか機械的に収集できないデータもあることから,現時点では実現は難しいとのことである。TELは,“Simple Search”しか利用していない人をいかに“Advanced Search”に誘導するかについて,今後再検討すると述べている。
Ref:
http://www.irn-research.com/pressrelease11Nov05.htm [3]
http://libraries.theeuropeanlibrary.org/news [4]
CA1556 [1]
E312 [2]
リンク
[1] http://current.ndl.go.jp/ca1556
[2] http://current.ndl.go.jp/e312
[3] http://www.irn-research.com/pressrelease11Nov05.htm
[4] http://libraries.theeuropeanlibrary.org/news/tel_newsletter_october_2005.pdf
[5] https://current.ndl.go.jp/taxonomy/term/2
[6] https://current.ndl.go.jp/taxonomy/term/91
[7] https://current.ndl.go.jp/taxonomy/term/151