2009年6月30日,米国情報標準化機構(NISO)とOCLCは,「図書のメタデータのワークフローの能率化」(Streamlining Book Metadata Workflow)と題する白書を公表した。この白書は,2009年3月18日から19日にかけて行なわれたOCLC主催の図書のメタデータを議題としたシンポジウムフォローアップとして位置づけられている。
白書の前半部分ではステークホルダー別にメタデータの作成・使用状況を分析し,全体の流れを示した「メタデータ交換マップ」を示している。位置づけられているステークホルダーは,出版社,メタデータベンダー(OCLC, Bowker, CrossRefなど),取次,書店,国立図書館,その他の図書館,Google,である。次いでワークフロー上の非能率的な点を記している。ワークフロー上の最たる問題点として挙げられているのが,出版社側と図書館側とで異なる基準を用いて作業を行なっているという点である。例えば,出版社側ではONIX,図書館側ではMARCという相異なるメタデータフォーマットを用いている。また,主題管理の深度にも両者で大きな違いがある(米国議会図書館件名標目表は300,000件の語数を持つが,出版社等の用いるBISACは3,000件に過ぎない)。
後半部分では,シンポジウムでステークホルダーらによって交わされた意見を集約し,ワークフローの能率化について以下のような提案を列挙している。
白書の末尾部分では,近い将来には,それぞれのシステムをつなぐクロスウォークがステークホルダー間でのメタデータの共有を可能にし,長期的には,各基準間の変換を可能にするベストプラクティスが全てのステークホルダーに役立つであろうと述べて,コンテンツの検索・販売・利用のためのメタデータワークフローの能率化はこういった協同作業によって可能であると括っている。
Ref:
http://www.niso.org/publications/white_papers/ [2]
http://www.niso.org/publications/white_papers/StreamlineBookMetadataWorkflowWhitePaper.pdf [3]
E942 [1]
リンク
[1] http://current.ndl.go.jp/e942
[2] http://www.niso.org/publications/white_papers/
[3] http://www.niso.org/publications/white_papers/StreamlineBookMetadataWorkflowWhitePaper.pdf
[4] https://current.ndl.go.jp/taxonomy/term/2
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