2009年7月9日から15日にかけて,2009年の米国図書館協会(ALA)年次大会がシカゴで開催された。経済危機による図書館の苦境が多く報じられる折であったが,2008年の大会(E816 [1]参照)を3割近く上回る28,941名が参加した。Library Journal誌での紹介記事を基に,今年の大会の主なイベントを紹介する。
経済状況を反映して,難局への対応に関するプログラムが多く見られた。住民による公共図書館支援を促すOCLCによるキャンペーン“Geek the library(図書館に夢中)”のプレゼンテーション,電子ジャーナルの費用高騰への対応策を討議するセッション,図書館による就職支援についてのパネル討論等が開催された。ALA自体も財政難で人員削減などを行っており,議会や関係者に図書館予算削減についての対応策を求めるという決議を行っている。
広報に関するフォーラムでは,より効果的に多くの人にメッセージを広めるための,ラジオ,新聞,ソーシャルネットワーキングなどの活用法の討論や,メディアで好意的にとりあげてもらうためのトレーニングセッション等が開催された。
また,米国の図書館界に貢献してきた物故者の追悼式典も開催され,ALAの元会長で,図書館界から人種バイアスをなくすために尽力したジョシー(E.J.Josey)博士や,1967年から知的自由部(Office for Intellectual Freedom)長を勤めたクラグ(Judith Krug)氏(CA1156 [2],E060 [3], E246 [4]参照)の功績が称えられた。
その他,料理本の著者が料理を披露する“Cooks and books”,米国の公共ラジオ局NPRの人気クイズ番組の収録,ブックカート創作ダンス(E831 [5]参照),ブックモービルのパレード,ゲームとリテラシーを結びつける試みとしてのゲームパビリオン等,様々なイベントが開催された。
最後に,レッティグ(Jim Rettig)氏に代わり新会長に就任したアリーレ(Camila Alire)氏により,図書館間だけでなく図書館員とコミュニティを結びつけるため,より高いレベルのアドヴォカシー活動を目指す,という挨拶が行われ,大会は締めくくられた。
Ref:
http://www.ala.org/ala/newspresscenter/news/pressreleases2009/july2009/annualconfwrap_pio.cfm [6]
http://www.libraryjournal.com/article/CA6672170.html [7]
http://www.libraryjournal.com/article/CA6670932.html [8]
http://www.libraryjournal.com/article/CA6670884.html [9]
http://www.libraryjournal.com/article/CA6670413.html [10]
http://www.libraryjournal.com/article/CA6670405.html [11]
CA1156 [2]
E060 [3]
E246 [4]
E816 [1]
E831 [5]
リンク
[1] http://current.ndl.go.jp/e816
[2] http://current.ndl.go.jp/ca1156
[3] http://current.ndl.go.jp/e060
[4] http://current.ndl.go.jp/e246
[5] http://current.ndl.go.jp/e831
[6] http://www.ala.org/ala/newspresscenter/news/pressreleases2009/july2009/annualconfwrap_pio.cfm
[7] http://www.libraryjournal.com/article/CA6672170.html
[8] http://www.libraryjournal.com/article/CA6670932.html
[9] http://www.libraryjournal.com/article/CA6670884.html
[10] http://www.libraryjournal.com/article/CA6670413.html
[11] http://www.libraryjournal.com/article/CA6670405.html
[12] https://current.ndl.go.jp/taxonomy/term/2
[13] https://current.ndl.go.jp/taxonomy/term/31
[14] https://current.ndl.go.jp/taxonomy/term/133