Google Book Search和解の報道にOpen Content Allianceは…

Google Book Searchに関するGoogle社と著作者団体・出版社団体との和解の報道に際し、米国のSan Jose Mercury News紙が、これまでGoogle社と図書館蔵書大規模デジタル化で競ってきたOpen Content Alliance(OCA)の反応を記事にしています。

OCAを率いるInternet Archiveのケール(Brewster Kahle)氏は、同紙のインタビューに対し、「Googleは当初、人々と(他の人々が作成した)コンテンツを結びつけると言っていたが、今やその間に有料制という壁を築こうとしている。かつてAOLが犯したのと同じ過ちを繰り返そうとしており、ウェブのモデルを壊そうとしているのだ」と批判しています。同紙は、両者の大きな違いは著作権保護期間内のコンテンツへの対応であるとしています。Google社が自社の検索エンジンからのみ検索可能とし、また有料での提供としているのに対し、OCAはどこからでも検索可能とし、図書館で図書を借りることができるように、一定期間無料で借りることができるようにするモデルを模索しているとのことです。Google社が和解を発表した10月28日には偶然にも、OCA参加機関の年次大会が行われており、そこでこのモデルの実現に向けた協議が行ったそうです。

Google社が(新しい種類の)オンライン書店の方向に舵を切ったのに対し、OCAはあくまでも(新しい種類の)図書館を目指すということですが、このためには(OCAに)出版社を取り込まなければなりません。OCA側もどうすればうまく行くのかが分からない状況だとしながら、同紙はこの方向性にエールを送っています。

O’Brien: Digital librarian criticizes Google’s settlement with booksellers – San Jose Mercury News
http://www.mercurynews.com/ci_10839879

Using Digital Collections
Open Content Alliance Annual Meeting
http://www.opencontentalliance.org/2008agenda.html

参考:
Google、著作者団体・出版社団体と和解-著作権保護期間内の書籍もBook Searchで提供へ
http://current.ndl.go.jp/node/9208
Googleと著作者団体・出版社団体との合意をBook Search参加大学も歓迎
http://current.ndl.go.jp/node/9215

E714 – 図書館蔵書デジタル化の「パートナー」をどう選ぶか?
http://current.ndl.go.jp/e714