ネット上での著作権侵害行為に対しISPにも法的責任があるとする改正著作権法が成立(ニュージーランド)

「インターネットを使い、著作権を侵害しているデジタルコンテンツをアップロード/ダウンロードする行為を繰り返す利用者に対し、適切な条件のもとアカウントを閉鎖する」というポリシーを設け、またそれを適切に運用することを、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)に義務付ける条項(section 92A)を含む改正著作権法が、ニュージーランドで2008年8月1日、成立しました。同法は10月31日に施行される予定です。ただし、このISPに法的義務を課す条項については、著作権者団体とISP団体との間で、どのように運用するかについての合意が必要ということで、2009年2月28日に施行される予定です。

この条項に対し、ISP団体やインターネット利用者団体は、ISPに過大な負担が課されること、ISPには学校、図書館なども含まれると解釈され得ること、行為の繰り返し、適切な条件、適切に運用、といった文言には解釈の余地が大きいこと、などを挙げ、条項の削除を求める声明を出しています。

Copyright Act 1994 No 143 (as at 01 August 2008), Public Act
http://www.legislation.govt.nz/act/public/1994/0143/latest/DLM345634.html

ICT Industry Moves To Address Copyright Confusion
http://www.tcf.org.nz/news/01078523-35f5-41c4-b8bc-7ed0b4d07848.html

Copyright (New Technologies) Amendment comes into force
http://feeds.beehive.govt.nz/release/copyright+new+technologies+amendment+comes+force

LIANZA / JSCI Copyright Guidelines
http://www.lianza.org.nz/news/newsroom/news1213582794.html
(※ニュージーランド図書館情報専門家協会(LIANZA)による図書館向け著作権ガイドラインの最新版。ただしこの中には、ISPに図書館が含まれ得るという解釈、およびこれに関する記述は出てきていません。)

October 7th, 2008付けDigitalKoansの記事
http://digital-scholarship.org/digitalkoans/2008/10/07/new-zealands-new-copyright-law-will-terminate-internet-service-to-repeat-infringers/