電子版教科書を普及させるには、何をすればよいのか?:報告書刊行(米国)

社会問題や学生の生活改善を求めて、全米の大学で活動している学生組織の連合体である“PIRGs”が、大学教科書の価格高騰に対応したデジタル版教科書の普及に向けて、今後取り組むべき課題をまとめた報告書を刊行しています。

この報告書によると、デジタル版教科書には、手ごろな価格である、印刷ができる、アクセスが容易である、の3つの要素が必要不可欠だが、電子書籍(E-Book)はこれらの要件を満たしておらず、クリエイティブ・コモンズなどのオープン・ライセンスで刊行されている“Open Textbook”が、条件をクリアしていると分析しています。

結論として、上の3つの条件を満たすデジタル版教科書は、教科書の高騰に対する、低コスト化への有望な解決策となる、出版者は上記の3要件を満たすべきである、教員や教育機関は、“Open Textbook”が市場で流通するように、支援をおこなうべきである、と提言しています。

Course Correction: How Digital Textbooks are Off Track and How to Set Them Straight
http://www.maketextbooksaffordable.org/course_correction.pdf

Report criticizes digital textbooks, recommends OA
(“Open Access News”2008年8月28日記事)
http://www.earlham.edu/~peters/fos/2008/08/report-criticizes-digital-textbooks.html

参考:CA1648 – 動向レビュー:大学図書館と電子ブック / 加藤信哉
http://current.ndl.go.jp/ca1648