オバマ候補の「過去」にも関係のある特別コレクション、イリノイ大学図書館が一般公開を決定

米国民主党の次期大統領候補に選出されたオバマ(Barack Obama)上院議員が、かつて理事会の議長を務めていたシカゴの教育支援団体“Chicago Annenberg Challenge”の資料の一般公開可否を巡る問題が、米国イリノイ大学図書館で起こりました。

この団体は活動を終えた2002年、その資料一式をイリノイ大学図書館に寄贈し、図書館はこれを特別コレクションとして保存してきました。この団体の会長が、かつて爆弾事件を起こした過激派団体の元メンバーで、現在はイリノイ大学で教授を務めている人物だったことから、オバマ上院議員の過去の経歴にも関係があるのではないかとして、このコレクションの閲覧をあるジャーナリストが希望したところ、当初は承認の旨が図書館員から伝えられたものの、後になって「特別コレクションについて、大学側が一般公開するかどうかを決めることについて問う指摘が最近あり、本件についても寄贈の際の条件を確認する必要がある」という連絡が来て、結局はペンディング状態になりました。ジャーナリスト側がこれを問題にし、American Libraries誌やLibrary Journal誌も取り上げるところとなったのですが、結局図書館(大学)側は、「条件を確認した結果、一般公開することとした」という声明を2008年8月22日に発表しました。このような図書館の対応に対し、オバマ上院議員や団体の会長だった教授の側から閲覧制限に関する申し出があったのではないかと察する評論家もいるようですが、両氏からはコメントはないようです。ただしAmerican Libraries誌によると、オバマ上院議員は「同図書館の資料に対し私は何の権限もないが、寄贈時の合意どおり、一般の人々に見られるようにしていただきたい」とコメントしたとのことです。

UI Library To Open Collection Regarding Obama’s Work With Radical Academic – 8/26/2008 – Library Journal
http://www.libraryjournal.com/article/CA6590369.html

ALA | American Libraries – Conservative Writer Accuses University of Illinois
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2008/august2008/annenbergchal.cfm

UIC Library to Reopen Chicago Annenberg Challenge File – UIC News Release
http://tigger.uic.edu/htbin/cgiwrap/bin/newsbureau/cgi-bin/index.cgi?from=Releases&to=Release&id=2268&start=1211664475&end=1219440475