LCの108条研究グループ、検討報告書を提出

デジタル技術の進展に伴う著作物の創作、流通、図書館における保存のあり方の変化などを踏まえ、著作権法(主に図書館・文書館のための権利制限を規定した米国著作権法第108条)の改正を勧告するべく、米国議会図書館(LC)に設けられていた108条研究グループ(The Section 108 Study Group)が、2008年3月31日に検討報告書をLCに提出しました。以下のような勧告がなされています。

・108条による権利制限の対象機関に博物館も含めるべきである。
・特定の図書館・文書館において、危機に瀕した(at risk)著作物を複製して保存できるとすべきである。
・ウェブサイトなど一般公開されているオンラインコンテンツを保存目的で収集・複製し、その複製物を研究目的の利用者に提供することができるとするべきである。この場合、権利者にはオプトアウトを行使できるようにすべきである。
・権利制限により可能となるコピーの部数を現行の3部から、「必要と認められる範囲での特定部数」に変更し、より確実に保存できるようにするべきである。

The Section 108 Study Group Report
http://www.section108.gov/docs/Sec108StudyGroupReport.pdf
http://www.section108.gov/docs/Sec108ExecSum.pdf
(※上記の2つのリンクのうち、下の方はエグゼクティブ・サマリーです。)

Study Group Issues Report Recommending Changes in Copyright Law to Reflect Digital Technologies
http://www.loc.gov/today/pr/2008/08-063.html

参考:
CA1604 – 日米における著作権法の図書館関係制限規定の見直しの動き / 鳥澤孝之
http://current.ndl.go.jp/ca1604