統計から見た英国公共図書館のトレンドは?

先日発表された英国公認会計士協会(CIPFA)作成の公共図書館統計2006-2007版をもとに、Guardian紙が論評記事を掲載しています。

・この10年間に17%、公共図書館の総支出は増加した。
・他方、資料購入費は実質で18%減少した。
・年間の資料購入冊数は10年前に比べて19.8%増加した。
・来館者は横ばいだが、資料を借りた来館者は10年前から34%減少した。
・10年前、週60時間以上開館している図書館は6館だったが、97館に増えた。

CIPFAの統計では上記のような結果が出ているのですが、同紙は、英国博物館・図書館・文書館国家評議会(MLA)の分析として、

・資料を借りた来館者が減少したのは、かつてなら資料を借りた利用者に経済的な余裕ができ、資料を購入するようになったことも一因。
・資料購入冊数が増加した一方で購入費が減少したのは、図書館がコンソーシアムを結成するなどして効率的な資料購入を行うようになったため。
・図書館の建物が小さい・老朽化しているといった課題があり、建て直すよりも閉館することを選ぶ自治体があるかもしれないと危惧している。

とのコメントを掲載しています。

Library funding rising, survey claims – Guardian Unlimited
http://books.guardian.co.uk/news/articles/0,,2244977,00.html

参考:
英国公認会計士協会の公共図書館統計2006-2007
http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/car/index.php?p=4836