米国公共図書館協会(PLA)、公共図書館の職員と多様性に関する2021年版レポートを公開

2022年8月23日、米国公共図書館協会(PLA)が、公共図書館の職員と多様性に関する2021年版の調査レポート“Public Library Staff and Diversity Report”を公開しました。

発表によると、同調査は、意思決定やアドヴォカシーに利用できるデータを提供することを目的とした、公共図書館の役割やサービス、リソースに関する3つの全国調査の2つ目です。新任図書館員と図書館長の給料、職員の伝統的な役割と新たな役割、職員の多様性・採用・維持、公共図書館における公正・多様性・包摂性(equity, diversity, and inclusion:EDI)に関する目標や活動の情報をまとめているとあります。

発表や要約の中では、以下をはじめとした調査結果が紹介されています。

・95%の公共図書館が、少なくとも1つのEDIに関連する活動に関わっていると回答した。27%の公共図書館では正式なEDI計画があり、25%がEDI専任の職員がいると述べた。

・伝統的な職員の役割が最も一般的であるが、ソーシャルメディアやデジタルによるアウトリーチ(74%)、労働力や中小企業の発展(18%)等が増加しており、公共図書館におけるプログラムやサービスの範囲が拡大している。

・27%の公共図書館が過去12か月でスタッフのポジションを失ったと回答した。その内の半数以上が、職員の離職後に後任者がいないことに起因していると報告した。

・約92%の図書館がマイノリティ(underrepresented groups)の図書館職員を採用するために少なくとも1つの戦略を適用していると回答した。

PLA releases first Staff and Diversity Survey report(ALA, 2022/8/23)
https://www.ala.org/news/press-releases/2022/08/pla-releases-first-staff-and-diversity-survey-report

Public Library Staff and Diversity Report [PDF:46ページ]
https://www.ala.org/pla/sites/ala.org.pla/files/content/data/PLA_Staff_Survey_Report_2022.pdf

参考:
米国公共図書館協会(PLA)、“2020 Public Library Technology Survey”の調査結果を公開
Posted 2021年9月6日
https://current.ndl.go.jp/node/44748

カナダ研究図書館協会(CARL)、同協会参加館の図書館職員における多様性・包摂性に関する調査結果を公開
Posted 2022年6月9日
https://current.ndl.go.jp/node/46281

米・ITHAKA S+R、大学図書館の指導者層を対象に2020年秋に実施した多様性・公平性・包括性、及び反人種主義に関する調査の報告書を公開
Posted 2021年3月19日
https://current.ndl.go.jp/node/43593

カナダの学術図書館員の求人広告における多様性に関する言及(文献紹介)
Posted 2021年9月14日
https://current.ndl.go.jp/node/44797

オーストラリア図書館協会(ALIA)、美術館・図書館・文書館・博物館等における労働人口の多様性に関する調査報告を公開
Posted 2019年8月14日
https://current.ndl.go.jp/node/38789

Ithaka S+R、北米研究図書館協会(ARL)参加館の職員の多様性に関する調査の報告書を公開
Posted 2017年9月1日
https://current.ndl.go.jp/node/34606