リポジトリにおける研究者や研究成果のプライバシーを評価する指標について(文献紹介)

2022年5月10日、オープンアクセスの査読誌“International Journal of Digital Curation”の16巻1号において、“Privacy Impact Assessments for Digital Repositories”が掲載されました。著者は米・ミシガン大学のAbraham Mhaidli氏ら4人です。

システムの情報フローのマッピングをしてユーザーにとってのプライバシーリスクの確認等を行うprivacy impact assessment(PIA)の手法を、デジタルリポジトリのフローに適用させることで、リポジトリによって管理される研究データの中に含まれる研究成果や、リポジトリを利用する研究者のプライバシーについて評価する手法を開発しています。

また、開発した手法を用いて、社会科学の調査データを扱う米国のInter-university Consortium for Political and Social Research(ICPSR)のResearcher Passport systemの評価を試行しています。

Mhaidli, A. et al. Privacy Impact Assessments for Digital Repositories. International Journal of Digital Curation. 2021, 16(1), 21p.
https://doi.org/10.2218/ijdc.v15i1.753

参考:
オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、「機関リポジトリ/データリポジトリの運用実態に関するアンケート調査報告書」を公開
Posted 2022年3月23日
https://current.ndl.go.jp/node/45836

E2250 – 研究データの公開・利用条件指定ガイドラインの策定
カレントアウェアネス-E No.389 2020.04.23
https://current.ndl.go.jp/e2250