図書館によるブロックチェーンの利用に関する文献調査:課題と機会(文献紹介)

Journal of Librarianship and Information Science誌に、2022年5月13日付でパキスタン国立科学技術大学のMuhammad Safdar氏らによる共著論文“A mapping review of literature on Blockchain usage by libraries: Challenges and opportunities”が掲載されました。

図書館におけるブロックチェーンの活用に関する文献を体系的に収集・レビューすることを目的とした論文であり、Web of Scienceをはじめとした6つのデータベースに含まれる文献の内21件についてレビューを行ったとあります。

要旨の箇所では、ブロックチェーンを活用することで、不正行為の排除、セキュリティやサービス効率の向上、時間管理の改善が見込めると述べています。一方で、図書館におけるブロックチェーン活用を妨げ得るものとして、技術に関する認識の欠如、スタッフのスキル、財政的制約が挙げられています。

Safdar M, Qutab S, Ullah FS, Siddique N, Khan MA. A mapping review of literature on Blockchain usage by libraries: Challenges and opportunities. Journal of Librarianship and Information Science. 2022, 11p.
https://doi.org/10.1177/09610006221090225

参考:
英国国立公文書館(TNA)・サリー大学・Open Data Institute(ODI)による、ブロックチェーン技術を用いたデジタル記録の内容保証のためのプロジェクトARCHANGEL(記事紹介)
Posted 2018年6月7日
https://current.ndl.go.jp/node/36123

韓国国会図書館、ブロックチェーン技術を基盤とした「国家学術情報ニューラルネットワーク構築プロジェクト」を提案
Posted 2018年5月25日
https://current.ndl.go.jp/node/36053

E2012 – 学術コミュニケーションにおけるブロックチェーンの可能性
カレントアウェアネス-E No.344 2018.03.22
https://current.ndl.go.jp/e2012