ウクライナのデジタルアーカイブをバックアップする:SUCHOにボランティアとして参加する図書館員等の取組(記事紹介)

米・ワシントンポスト(オンライン版)に、2022年4月8日付で記事“Meet the 1,300 librarians racing to back up Ukraine’s digital archives”が掲載されています。

記事では、ウクライナのオンライン上のデータを保存するプロジェクト“Saving Ukrainian Cultural Heritage Online (SUCHO)”に、ボランティアとして参加する図書館員等の取組について取り上げています。

ウクライナでは、ロシアの侵攻開始後、サイバー攻撃や、爆撃による国のサーバの破損によって、オリジナルのウェブサイトが消滅するなどしてデジタル・ヒストリーが失われる危機にさらされています。こうした事態に対し、この1か月間、図書館員等の1,300人以上のボランティアがウクライナのインターネットアーカイブを救うために団結し、国勢調査データから子どもの詩、ウクライナのかご織りの技術に至る、あらゆるものをバックアップしてきたと述べられています。

ボランティアはオープンソースツールやSlackなどを活用してプロジェクトに参加しています。記事中では、ウェブサイトや主催者によると、ボランティアにより25テラバイトのデータが保存されたとあります。また、同国の博物館、図書館、アーカイブのうち2,500以上のウェブサイトが、レンタルサーバに保存され、永久に失われる危機を回避できたとしています。

Meet the 1,300 librarians racing to back up Ukraine’s digital archives(The Washington Post, 2022/4/8)
https://www.washingtonpost.com/technology/2022/04/08/ukraine-digital-history/

関連:
Saving Ukrainian Cultural Heritage Online (SUCHO)
https://www.sucho.org/

参考:
ロシアによるウクライナへの侵攻に対する、国立図書館・文書館・博物館および関係機関等の声明
Posted 2022年3月1日
https://current.ndl.go.jp/node/45704

ウクライナの文化遺産関係機関のオンライン上のデータを保存するプロジェクトが実施中
Posted 2022年3月8日
https://current.ndl.go.jp/node/45738

ウクライナの文化遺産保護のための動き(記事紹介)
Posted 2022年3月10日
https://current.ndl.go.jp/node/45759