米国議会図書館(LC)、ウクライナに関連する同館の所蔵資料を紹介:ロシアによるウクライナへの侵攻を受けて(記事紹介)

米国議会図書館(LC)が、2022年3月3日付けのブログで、同館が所蔵するウクライナに関する資料について紹介しています。

まず、ウクライナという名称が使われた最初期の地図(1648年)、19世紀の国民的英雄タラス・シェフチェンコの詩や著作、ウクライナ侵攻に関する米国議会調査局(CRS)の分析資料、また、ロシアの侵攻直前に収録された、LCジョン W. クルーゲセンターとカーネギー国際平和基金主催のセミナーについて、リンクを掲載しながら紹介しています。他にも、同館が所蔵する、国際的に収集された資料について述べるとともに、様々な角度からウクライナに関して調べる際の手がかりについて提示しています。

記事では、ウクライナのアイデンティティにとって重要な2つの資料として、1581年に現ウクライナのオストロフで刊行された、キリル文字で書かれたスラブ語初の完全な聖書である「オストローグ聖書」と、ウクライナを個別の存在(Unique Entity)として示した最初期の地図である1648年のボープラン地図を紹介しています。また、政治、外交分野のオリジナル文書に関しては、マニュスクリプト部門(Manuscript Division)で調べることができるとしています。その中には、現在まで影響を及ぼしていると言える、米・カーター政権時の国家安全保障問題担当大統領補佐官であったズビグネフ・ブレジンスキー氏による、ウクライナが自らの政治的アイデンティティを選択する権利の擁護に関する文書もあり、米国とウクライナの関係の軌跡をたどることができるとしています。

The Russian Invasion of Ukraine: Resources at the Library of Congress(LC, 2022/3/3)
https://blogs.loc.gov/loc/2022/03/the-russian-invasion-of-ukraine-resources-at-the-library-of-congress/

参考:
ロシアによるウクライナへの侵攻に対する、国立図書館・文書館・博物館および関係機関等の声明
Posted 2022年3月1日
https://current.ndl.go.jp/node/45704

米国議会図書館(LC)、CRSレポートをオンラインで提供するためのポータルサイトを公開
Posted 2018年9月19日
https://current.ndl.go.jp/node/36680

E361 – CRSレポートを直接国民に-Open CRSの開設
カレントアウェアネス-E No.63 2005.08.03
http://current.ndl.go.jp/e361