科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、報告書「新型コロナウイルス感染症による日本の大学における研究活動への影響」を公開

2022年1月20日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が、[DISCUSSION PAPER No.204]として「新型コロナウイルス感染症による日本の大学における研究活動への影響」を公開したことを発表しました。

同報告書はコロナ禍による日本の研究活動への影響を横断的に明らかにし、コロナ禍を踏まえた科学技術政策のあり方を検討する際の示唆を得ることを目的としたものです。

日本の大学に所属する自然科学系の研究者1,275人に対して行った、2020年1月頃から9月にかけての研究活動状況のアンケート調査の結果について、回答者の専門分野、研究手法、所属大学の規模やその所在都道府県の感染状況による影響の違いに着目して分析しています。分析にはNISTEPの「科学技術の状況に係る総合的意識調査(NISTEP定点調査2020)」の調査結果の一部が用いられました。

分析の結果として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が大きい研究活動の局面が、大学グループ・部局分野・主な研究手法・感染状況の違いによって異なっていたと述べられています。また、図書館等が保有する研究資料へのアクセスに関するコロナ禍の影響について、自然科学分野においても、主な研究手法を実験以外とする研究者には共通してみられることが、新たな知見として述べられています。

「新型コロナウイルス感染症による日本の大学における研究活動への影響[DISCUSSION PAPER No.204]」の公表について(NISTEP, 2022/1/20)
https://www.nistep.go.jp/archives/50209

新型コロナウイルス感染症による 日本の大学における研究活動への影響
https://doi.org/10.15108/dp204

参考:
科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、科学技術の状況に係る総合的意識調査(NISTEP定点調査2020)を公表
Posted 2021年4月12日
https://current.ndl.go.jp/node/43780

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、報告書「COVID-19 / SARS-CoV-2 関連のプレプリントを用いた研究動向の試行的分析」を公開
Posted 2020年7月3日
https://current.ndl.go.jp/node/41412

2020年の新型コロナウイルス感染症の大流行は学術出版・研究成果公開にどのような影響を与えたか(記事紹介)
Posted 2021年1月13日
https://current.ndl.go.jp/node/42965

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、報告書「COVID-19研究に関する国際共著状況:2020年4月末時点のデータを用いた分析」を公開
Posted 2020年7月3日
https://current.ndl.go.jp/node/41424