論文内の重複画像チェックに人工知能を活用:学術誌の取組(記事紹介)

Nature誌のオンライン版に、2021年12月21日付けで記事“Journals adopt AI to spot duplicated images in manuscripts”が掲載されています。学術誌において、提出された論文内の重複画像チェックに際し、人工知能(AI)の活用が進みつつあることを紹介しています。

記事の冒頭では、米国がん学会(AACR)の取組を紹介しています。AACRでは、発行する学術誌10誌において2021年1月から、査読を経て仮受理の段階にある論文に対しAIソフトウェアを用いた画像の重複チェックを行っています。Nature誌が把握しているところによれば、2020年に少なくとも出版社4社が、重複検出用のAIソフトウェアを用いたチェック作業の自動化に着手したとあります。

記事では、2021年に出版社らのワーキンググループが論文中の不正画像に対処するためのガイドラインを作成したことや、国際STM出版社協会の子会社であるSTM Solutionsが、論文の研究公正に関する共同プラットフォームの構築に取り組んでいること等にも言及しています。

Journals adopt AI to spot duplicated images in manuscripts(Nature, 2021/12/21)
https://doi.org/10.1038/d41586-021-03807-6

参考:
国際STM出版社協会、論文の研究公正に関する問題を検証するための共同プラットフォームの構築を発表
Posted 2021年12月10日
https://current.ndl.go.jp/node/45315

「論文工場」との戦いをめぐる近年の動向(記事紹介)
Posted 2021年4月16日
https://current.ndl.go.jp/node/43824