米・インディアナ大学図書館らによる、視聴覚資料のメタデータプラットフォーム構築プロジェクトの最終報告書が公開

2021年12月10日付で、米国のインディアナ大学図書館が、テキサス大学、データ管理ソリューションプロバイダーAVP、ニューヨーク公共図書館(NYPL)らと協力して実施した、 “Audiovisual Metadata Platform Pilot Development”(AMPPD)の最終報告書を公開しました。

同プロジェクトは、視聴覚コレクションにおける保存・アクセスの複雑さや十分な粒度のメタデータの欠如といった課題を解決する、効率的なメタデータ生成を可能にするプラットフォームの構築を目的に、2018年10月から2021年6月まで実施されました。メタデータの自動生成と人による調整を組み合わせた、メタデータプラットフォームの構築を行ったと述べています。

報告書には、プロジェクトの概要、プラットフォームの構築過程や技術面に関する解説、インディアナ大学とNYPLのコレクションを使用したテスト、プロジェクトの結果明らかになったこと等が記されています。結果の箇所では、メタデータの自動生成に用いたツールの内部がブラックボックス化していること、音楽資料等従来の目録作業との統合が難しいものがあること、拍手音識別や顔認識のアルゴリズムを構築したことが述べられています。その他、人力による調整における人材・対象コンテンツの選定・ツールに関する課題、倫理的な懸案事項等がまとめられています。

Audiovisual Metadata Platform Pilot Development (AMPPD) Final Project Report(Indiana University, 2021/12/10)
https://hdl.handle.net/2022/26989

参考:
視聴覚コレクションへの相互運用可能なアクセス:“Avalon Media System”について(記事紹介)
Posted 2020年8月5日
https://current.ndl.go.jp/node/41668

米・インディアナ大学、映画フィルム約2万5,000リールのデジタル化を開始
Posted 2017年6月28日
https://current.ndl.go.jp/node/34261

米・インディアナ大学、所蔵する録音映像資料のデジタル化作業が予定より早く完了する見込み
Posted 2016年7月26日
https://current.ndl.go.jp/node/32158

米国・インディアナ大学、所蔵する録音映像資料63万5千点をデジタル保存へ
Posted 2015年11月9日
https://current.ndl.go.jp/node/29907

E986 – インディアナ大学の音声・映像資料の保存についての調査報告書
カレントアウェアネス-E No.160 2009.11.04
https://current.ndl.go.jp/e986