米・Ithaka S+R、ビッグデータを用いた研究の手法や必要な支援等についての調査結果を公開:大学図書館等の関係者に向けた推奨事項も提示

2021年12月1日、米・Ithaka S+Rは、ビッグデータを用いた研究の手法や必要な支援等を調査した報告書“Big Data Infrastructure at the Crossroads: Support Needs and Challenges for Universities”の公開を発表しました。

同調査は、ビッグデータ研究支援に関するプロジェクト“Supporting big data research”のもと行われました。報告書には、20以上の大学の図書館員との協力により実施された、200人以上の教員へのインタビュー調査の結果がまとめられています。

主な結果としては、ビックデータ研究においては、データの取得・クリーニング・管理に特に労力がかかり、研究者は新たなデータを作成するよりも可能であれば既存のデータを利用する傾向があること、ビッグデータ研究の倫理的側面は依然として議論中であること等が述べられています。

また、研究担当部署、大学図書館、助成機関等の関係者向けの推奨事項も提示しています。大学図書館については、セミナーやシンポジウムをはじめとした、分野を超えた情報共有やネットワーク構築の機会を研究者に提供することが挙げられています。その他、研究者のコストを削減するためデータセットの購入に追加のリソースを割くこと、機関リポジトリのストレージ容量を増やし、研究者に対する利用促進の働きかけを強化すること等が示されています。

Supporting Big Data Research:New Report Offers Recommendations for Stakeholders(Ithaka S+R, 2021/12/1)
https://sr.ithaka.org/blog/supporting-big-data-research/

Big Data Infrastructure at the Crossroads:Support Needs and Challenges for Universities
https://doi.org/10.18665/sr.316121

参考:
米・Ithaka S+R、学術図書館と連携したデータの利活用に関する2件の研究プロジェクト計画を発表
Posted 2019年8月2日
https://current.ndl.go.jp/node/38720