Googleブックスプロジェクトの歴史と学術界への影響(文献紹介)

2021年9月21日付で、米・プリンストン大学出版局から単行書“Along Came Google: A History of Library Digitization”が出版されています。著者は、米国の非営利団体Ithakaの調査部門Ithaka S+Rに所属するDeanna Marcum氏とRoger C. Schonfeld氏です。

同書の概要(Overview)によれば、Googleブックスプロジェクトの歴史と、同プロジェクトが学術界に与えた影響に光を当て、知識のデジタル利用の可能性拡大のため、想像力を働かせ共に考え続けるにはどうすればよいかを論じています。図書館員や技術者、大学の指導者、ハイテク企業幹部、大手出版社社長などGoogleの計画を受け入れた側・抵抗した側双方へのインタビュー、Googleブックスプロジェクト実現の経緯、図書館員や学者がGoogleへの法的対応をどう組織したか、といった内容が扱われています。

学術情報流通に関連した多様な話題を提供する学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)運営のブログ“The Scholarly Kitchen”には、2021年10月11日付けでNISO(米国情報標準化機構)のJill O’Neill氏による本書の書評も掲載されています。

Along Came Google: A History of Library Digitization(Princeton University Press)
https://press.princeton.edu/books/hardcover/9780691172712/along-came-google

Book Review — Along Came Google: A History of Library Digitization(The Scholarly Kitchen, 2021/10/11)
https://scholarlykitchen.sspnet.org/2021/10/11/book-review-along-came-google-a-history-of-library-digitization/

参考:
米・連邦最高裁判所、Googleブックス訴訟におけるAuthors Guildからの上訴を受理しないことを決定
Posted 2016年4月19日
https://current.ndl.go.jp/node/31380

CA1702 – 動向レビュー:Google Book Searchクラスアクション(集合代表訴訟)和解の動向とわが国の著作権制度の課題 / 鳥澤孝之
カレントアウェアネス No.302 2009年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1702