米・SPARC、学術出版界に関する現況分析と現況を踏まえた学術機関向けの行動のためのロードマップの2021年更新版を公開

2021年9月22日、米・SPARCが、学術出版界に関する現況分析と現況を踏まえた学術機関向けの行動のためのロードマップの2021年更新版“2021 Update to Landscape Analysis & Roadmap for Action”の公開を発表しました。

発表によると、今回の改訂では研究・教育市場や主要な個別の企業における影響を検証しています。市場集中の進展や学術機関とベンダー間の利害のさらなる乖離といった以前からの懸念事項の最新の状況と、学生の選択肢を狭める「包括的アクセス」の支持の増加といった新たに生じた懸念事項の解説等が行われています。

また、戦略的・倫理的課題に取り組むための学術機関における組織改編の実施や、個人やコミュニティのニーズを把握できるツール・データの整備等、2019年に公開された“Roadmap for Action”を補完する推奨事項の追加を行ったとあります。

加えて、過去1年に見られた動きは、学術コミュニティにとって、利益を追求し、公平性・包摂性・学問の自由の保護という価値観を守り、促進するために、自身のコンテンツとインフラの管理を行うことが急務であると示していると述べています。

SPARC Releases 2021 Update to Landscape Analysis & Roadmap for Action(SPARC, 2021/9/22)
https://sparcopen.org/news/2021/sparc-releases-2021-update-to-landscape-analysis-roadmap-for-action/

2021 Update to Landscape Analysis & Roadmap for Action [PDF:53ページ]
https://sparcopen.org/wp-content/uploads/2021/09/2021-Landscape-Analysis-092221.pdf

参考:
米・SPARC、学術出版界に関する包括的な現況分析と現況を踏まえた高等教育機関向けの行動のためのロードマップについて2020年更新版を公開
Posted 2020年6月26日
https://current.ndl.go.jp/node/41357

米・SPARC、高等教育機関向けに学術データとその基盤への出版業界の統制増大に対抗するためのロードマップを公開
Posted 2019年11月28日
https://current.ndl.go.jp/node/39612