研究プロジェクト「オープン・スカラシップの未来」の最終報告書が公開される

持続性・拡張性を備えたオープンサイエンスのための科学・学術基盤の実現を目指して活動する国際的なイニシアチブInvest In Open Infrastructure(IOI)は、IOIが立ち上げた研究プロジェクト「オープン・スカラシップの未来」(Future of Open Scholarship)の最終報告書(2021年7月付け)を公開しています。

研究プロジェクト「オープン・スカラシップの未来」は、研究エコシステム全体で起こりうるインフラの統合・崩壊に対処するため、集団行動の機会、レバレッジ・ポイント、コスト、アプローチの特定を目的としています。今回、最終報告書「オープン・スカラシップの未来のための準備モデルの設計」(Designing a Preparedness Model for the Future of Open Scholarship)の他にも、本プロジェクトの成果物があわせて公開されています。

最終報告書冒頭に収録されている「要約」(Executive summary)によれば、今回の調査で明らかになった社会的・技術的・財政的な課題に対処するため、次の介入策を提案しています。

・共通インフラのモジュール化を進め、互換性を高める。
・資源とスタッフの支援を促進するために、共有サービスと支援モデルを設計する。
・オープン基盤技術監督委員会を設立することにより、ベストプラクティスの共有、結束による力の強化、相互利益・価値観調整・ベンダーとの価格交渉を含む広範なシステム変革の提唱を行うための、基盤を提供する。

Furthering the Future of Open Scholarship: Final Report & Key Findings(IOI)
https://investinopen.org/blog/furthering-the-future-of-open-scholarship-final-report-key-findings/

Designing a Preparedness Model for the Future of Open Scholarship(Zenodo, 2021/8/1)
https://doi.org/10.5281/zenodo.5151773

参考:
SPARC Europe、オープンサイエンス基盤サービスを提供する10人の運営者に実施したインタビューを公開
Posted 2020年12月16日
https://current.ndl.go.jp/node/42778

E2363 – 欧州のオープンサイエンス・インフラストラクチャーの現状
カレントアウェアネス-E No.409 2021.03.04
https://current.ndl.go.jp/e2363