自身が過去に発表したテキストの再利用に関する研究者向けガイダンス(記事紹介)

Science誌のウェブサイトに掲載された2021年6月25日付け記事“When is ‘self-plagiarism’ OK? New guidelines offer researchers rules for recycling text”において、同日、自身が過去に発表したテキストの再利用に関するルールを示した研究者向けガイダンスが公表されたことが紹介されています。

ガイダンスは、全米科学財団(NSF)の助成を受けた研究プロジェクトで、米・デューク大学のCary Moskovitz教授が主導する“Text Recycling Research Project”(TRRP)が作成したものです。「自己盗用」(self-plagiarism)と見なされることがある自身のテキストの再利用について、倫理性・合法性を備えたものと見なせる場合や、透明性を備えた再利用方法について示しています。なお、研究者向けに加えて編集者向けのガイダンスも公表されています。

記事では、デューク大学の麻酔科医で学術誌“Anesthesiology”の編集長であるEvan Kharasch氏が、TRRPのガイダンスに基づき、テキスト再利用に関する“Anesthesiology”誌の編集方針策定を主導したことにも言及しています。この編集方針では、著者が標準的な方法やプロトコルを説明する場合に、出典を引用している限り、自身の以前の出版物と同一または「実質的に同等」(substantively equivalent)なテキストの使用を許可するようになった、とあります。

When is ‘self-plagiarism’ OK? New guidelines offer researchers rules for recycling text(Science, 2021/6/25)
https://www.sciencemag.org/news/2021/06/when-self-plagiarism-ok-new-guidelines-offer-researchers-rules-recycling-text

Resources(TRRP)
https://textrecycling.org/resources/
※研究者向け及び編集者向けのガイダンスが掲載されています。

参考:
E2018 – 「学術出版における透明性の原則と優良事例」第3版が公開
カレントアウェアネス-E No.345 2018.04.19
https://current.ndl.go.jp/e2018