SAGE社、査読プロセスの透明性向上のためClarivate Analytics社とパートナーシップを締結

2021年5月28日、SAGE社は、査読プロセスの透明性向上のためClarivate Analytics社とパートナーシップを締結し、Clarivate Analytics社のデータベース“Web of Science”のサービスを介してオープン査読レポートを提供するプログラムを開始したことを発表しました。

SAGE社は、同社の学術誌4誌において同プログラムを提供します。同プログラムはSAGE社のオンライン投稿・査読システム“SAGE Track”を介して行われ、著者・編集者・査読者は参加・不参加を選択することができます。

対象となるすべての出版物には、出版プロセスにおける各段階での査読レポート、著者回答、編集者の決定通知を含む査読履歴へのリンクが付記されます。また、これらの査読資料にはDOIも付与されます。査読者は、自身の氏名を査読レポートと共に公表するかどうかを選択でき、公表した場合はClarivate Analytics社傘下の査読登録サービス“Publons”上の自身のプロフィールに査読への貢献が記録されます。

SAGE社のExecutive Peer Review ManagerであるKatrina Pickersgill氏は、同プログラムの開始を通じ、「著者は自分の原稿が厳格な査読を経たことを証明することができ、同時に査読者・編集者も自身の仕事への評価を得られるようになる」と述べています。

SAGE Publishing Partners with Clarivate to Offer Transparent Peer Review to Authors and Reviewers(SAGE Publishing, 2021/5/28)
https://group.sagepub.com/press-releases/sage-publishing-partners-with-clarivate-to-offer-transparent-peer-review-to-authors-and-reviewers

参考:
英・Emerald社、Clarivate Analytics社と提携し主要3誌にPublonsとScholarOneを利用した試験的なオープン査読サービスを導入
Posted 2019年8月13日
https://current.ndl.go.jp/node/38782

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、Clarivate Analytics社のPublons・ScholarOneとのパートナーシップ締結を発表
Posted 2019年7月18日
http://current.ndl.go.jp/node/38613

Wiley社とClarivate Analytics社が連携し、Clinical Genetics誌にオープンピアレビューのワークフローを導入
Posted 2018年9月14日
https://current.ndl.go.jp/node/36668

CA1961 – 動向レビュー:岐路に立つ査読と、その変化に踏み込むPublons / 松野 渉 カレントアウェアネス No.341 2019年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1961