中国国外に所在する中国古典籍のデジタルアーカイブ「漢典重光古籍数字化平台」が公開される

中国・四川大学による2021年5月19日付けの記事で、5月18日に行われたデジタルアーカイブ「漢典重光古籍数字化平台」(「漢典重光」古典籍デジタル化プラットフォーム)の正式公開が紹介されています。

四川大学は、阿里巴巴(アリババ)公益基金会、中国国家図書館、浙江図書館、米・カリフォルニア大学バークレー校らと共同で、中国国外に所在する中国古典籍のデジタル収集・公開に取り組む「漢典重光」プロジェクトを進めていました。今回、その成果として「漢典重光古籍数字化平台」が公開されました。

「漢典重光古籍数字化平台」では、第一次公開分としてカリフォルニア大学バークレー校が所蔵する古典籍20万ページが公開されており、宋・元代の刊本をはじめとする貴重書40種余りも含まれています。また、これらの古典籍画像には、阿里巴巴と四川大学が共同で開発した人工知能(AI)技術を用いた文字認識も行われており、全文検索が可能となっています。

記事では、阿里巴巴の研究開発機関である「達摩院」院長の張建峰氏による発言も紹介されており、文字認識の精度は97.5%に達したことや、今後も米国・欧州・日本・韓国等の図書館と協力し国外所在古典籍の「デジタル帰国」を進めること、文字認識の精度・速度向上に取り組むこと等が述べられています。

川大携手阿里、伯克利发布“汉典重光” 中国海外古籍“数字化回归”平台(四川大学, 2021/5/19)
http://www.scu.edu.cn/info/1203/18897.htm
※記事の最後に、公開された貴重書の例も紹介されています。

“汉典重光”首批实现海外20万页中文古籍“数字化回归”(中国新聞網, 2021/5/18)
https://www.chinanews.com/cul/2021/05-18/9480322.shtml
※「漢典重光古籍数字化平台」の公開を報じる中国新聞網の記事です。

汉典重光古籍数字化平台
https://wenyuan.aliyun.com/home

参考:
米・カリフォルニア大学バークレー校図書館、1912年以前の中国語資料のデジタル化を実施すると発表:中国・四川大学と連携
Posted 2021年5月21日
https://current.ndl.go.jp/node/44041