米国公共図書館協会(PLA)、コロナ禍での失業者の就職支援を目的とした事業“Skilling for Employment Post COVID-19”への参加館を拡大

2021年4月26日、米国公共図書館協会(PLA)は、“Skilling for Employment Post COVID-19”イニシアチブの拡大を発表しています。今回、新たに、コロナ禍の影響を受けた都市部のクリーブランド・エルパソ・メンフィス・ニューヨークの公共図書館が加わりました。

同イニシアチブは、コロナ禍が大量の失業をもたらし、有色人種・女性・若者等に大きな影響を与えたことから、成長の高い分野への求職者の雇用機会を改善するためのツールの普及させること等を目的としています。

Microsoft社と連携しており、公共図書館(サービス対象のコミュニティ)と、専門的なオンライン研修や資格取得とを結びつけるために、オンライン学習コースを提供するLinkedInラーニング・Microsoft Learn・GitHub Learning Labが、2021年12月31日まで無償もしくは低価格で提供されます。

クリーブランド公共図書館(オハイオ州)では、職業紹介所Ohio Means Jobsと連携し、両機関に登録した求職者に、特定の一連のコースを修了させます。また、求職者はタブレット端末を無料で受け取ることができます。

エルパソ公共図書館(テキサス州)の中小企業・起業家支援プログラムでは、コロナ禍の影響を受けた中小企業・起業家を支援するため、無料もしくは低価格のリソースの提供を進めており、同館の建物でのサービスが再開した際には、教室においてコースを開講します。また、Wi-Fiのホットスポットを貸し出す際には、ロケーターツールにより、低価格で自宅からインターネットアクセスできるようにします。

メンフィス公共図書館(テネシー州)では、既存の就職準備プログラムや技術トレーニングを補完するものとして、協力者と連携し、技術訓練が必要な人や求職者を支援します。

ニューヨーク公共図書館(NYPL)では、既存のMicrosoft Officeに関するプログラムOffice Readiness Seriesの受講者で、追加でMicrosoft・LinkedInが提供するコースや資格を取得する人は、タブレット端末を無料で受け取ることができます。

PLA, public libraries and Microsoft extend upskilling efforts for in-demand jobs(ALA,2021/4/26)
http://www.ala.org/news/press-releases/2021/04/pla-public-libraries-and-microsoft-extend-upskilling-efforts-demand-jobs

Skilling for Employment Post COVID-19(PLA)
http://www.ala.org/pla/initiatives/digitalskilling

参考:
ニュージーランド政府、公共図書館によるコミュニティ・求職者支援のための大規模な予算措置を発表
Posted 2020年6月1日
https://current.ndl.go.jp/node/41105

英・Libraries Connected、新型コロナウイルス感染症からの地域復興を支える図書館のためのアドボカシー・ツールキットを公開
Posted 2020年8月17日
https://current.ndl.go.jp/node/41748

Gale社、求職者支援のための図書館向けオンラインキャリア診断プラットフォームを立ち上げ
Posted 2020年9月2日
https://current.ndl.go.jp/node/41898