メタデータの拡充によりオープンアクセス出版の機能強化を図るOPTIMETA(文献紹介)

2021年4月14日、Research Ideas and Outcomes誌に“OPTIMETA – Strengthening the Open Access publishing system through open citations and spatiotemporal metadata”と題された文献の初稿が公開されました。著者はドイツ国立科学技術図書館(TIB)のChristian Hauschke氏ら4人です。文献では、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)から助成されているオープンアクセス(OA)ジャーナルのメタデータ拡充等を目的としたプロジェクトOPTIMETA(Stärkung des Open-Access-Publikationssystems durch offene Zitationen und raumzeitliche Metadaten)について述べられています。

プロジェクトでは、OAジャーナルと、オープンな引用データ・時空間データをつなぐことにより、OA出版システムを強化します。具体的には、オープンソースの電子出版システムであるOpen Journal Systems(OJS)向けに、論文の引用データと時空間属性を機械可読な形式で取得するプラグインを開発します。その他、ステークホルダーのニーズ分析を実施すること、ジャーナルやOA出版者と設計・テストの面で協力することが示されています。

引用データに関するプラグインは、論文から引用情報を抽出・検証して引用データを作成し、OpenCitationsやWikiCiteといったオープン・サイテーションのインデックスに引用データを送信します。時空間属性に関するプラグインは、地名のリンク、HTMLへの埋め込み等を行います。

プロジェクトでは、論文のメタデータ拡充と相互リンクによってOA出版物の発見可能性と可視性を大幅に向上し、OAジャーナルの出版場所としての魅力が向上することが期待されています。

Hauschke C, Nüst D, Cordts A, Lilienthal S (2021) OPTIMETA – Strengthening the Open Access publishing system through open citations and spatiotemporal metadata. Research Ideas and Outcomes 7: e66264. https://doi.org/10.3897/rio.7.e66264

OPTIMETA(TIB)
https://projects.tib.eu/optimeta/en

参考:
ドイツ国立科学技術図書館(TIB)、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の助成によりオープンアクセス(OA)への移行を推進するための3種類のプロジェクトを実施
Posted 2021年2月22日
https://current.ndl.go.jp/node/43343

Open Journal Systemsを用いた電子ジャーナル1000誌を超える
Posted 2007年7月30日
https://current.ndl.go.jp/node/6231