韓国国立中央図書館(NLK)、研究分野による情報格差の解消を目的に、館外から利用可能な人文・芸術分野のデータベースを拡充:データベースの活用に関する研究者向けオンラインプログラムも実施

2021年2月25日、韓国国立中央図書館(NLK)は、研究者の非対面での研究活動を支援するために行っている、学術データベースの館外利用サービスの実施にあたり、研究分野による情報格差の解消を行うと発表しています。

同館の定期利用証所持者であれば、国内外の学術データベース17件、人文・芸術分野9件、社会科学分野9件、自然・技術科学分野3件、あわせて38件の学術データベースを、同館ウェブサイトを通じて利用できるサービスですが、今年は、大学での契約率が低い人文・芸術分野のデータベースを拡充したとしています。昨年も提供し、利用率の高かったJSTORやChina Academic Journalを引き続き提供することに加え、外部の専門家に諮問した結果をふまえ、国内での契約率が相対的に低い学術データベース2件(Humanities Source Ultimate、Project Muse)や、人文・芸術分野の学術的な電子書籍が収録されているデータベース2件(EBSCO eBook Academic Collection、iG Publishing eBook EBA Model)を追加したとしています。

また、同館では今後、研究者による学術データベースの利用の活性化のため、国内の学会に対しての利用案内を拡大するほか、学術データベースを活用した論文作成といった研究者の能力開発のためのオンラインプログラムを3月から順次行うとしています。

同館館長は、資料費の少ない大学図書館は学術データベースを契約するための予算が不足しているために良質な学術資源を提供しづらい状況であり、今後も同館では、研究分野別の学術情報の格差を解消し、コロナ禍といった緊急時においても非対面での研究活動を支援するため、均衡のとれた学術情報基盤を整備する計画であると述べています。

국립중앙도서관, 학술 DB 서비스 확대로 비대면 학술연구 지원- 다양한 학술자료 제공으로 연구분야별 정보격차 해소 -(国立中央図書館、学術DBサービスを拡大し、非対面の学術研究を支援ー多様な学術資料を提供し、研究分野別の情報格差を解消ー)(NLK,2021/2/25)
https://www.nl.go.kr/NL/contents/N50603000000.do?schM=view&id=38144&schBcid=normal0302

参考:
新型コロナウイルス感染拡大防止のため休館していた韓国国立中央図書館(NLK)、2021年1月19日から開館:館外から一時的に利用可能としたオンラインDBの提供期間を延長
Posted 2021年1月20日
https://current.ndl.go.jp/node/43031

E2339 – 韓国図書館界,ポストコロナの図書館を考えるフォーラム開催
カレントアウェアネス-E No.405 2020.12.24
https://current.ndl.go.jp/e2339